この記事では『再婚承認を要求します』の登場人物・ソビエシュの情報について紹介しています。彼が最後にどうなったのか、本編~外伝のストーリーをまとめました。
自業自得とはいえ彼はナビエを失って傷つき、ハインリには激しく嫉妬し、さらに後半では子供のグローリエムを手放してしまい深く後悔します。
そういった激動の人生の中で、ソビエシュが最終的にどんな決断をするのか。そしてその過程で何を思ったのか。
ソビエシュ視点のストーリーを、できるだけ簡単にお話します。
目次
再婚承認を要求します解説|ソビエシュ視点のストーリー
ラスタを贔屓し、ナビエをないがしろにする
ラスタを側室に迎えてからというもの、ソビエシュは彼女を甘やかして優遇します。それこそ寵愛という言葉がふさわしく、分不相応なワガママであってもラスタの願いを聞き入れたのです。
しかも皇后であるナビエを差し置いて、いつもラスタを優先します。ナビエのことをないがしろにし、侮辱に等しい行動さえも取りました。
ハインリへの嫉妬から、過激な行動を取る
ソビエシュは堂々と浮気をするくせに、ナビエが他の男性に目を向けるとものすごく嫉妬します。ナビエが他の男性と親しげしているだけでやきもちを焼くのです。
特にナビエがハインリと親密な関係だと親しくしていると知った時は、嫉妬のあまり過激な行動に出ていました。
- ナビエに対して「皇后は外国の男が好きなのか?」と嫌味を言う
- ナビエとハインリが散歩をしている最中、妨害してナビエを連れて行く
- ナビエの部屋を勝手に漁り、ハインリとの手紙を燃やしてしまう
- 手紙を運んできた青い鳥(=マッケナ)を撃ち落とすよう部下に命令する
- しかもナビエの夕食に、焼き鳥(しかも青い羽を添えたもの)を出すなど
改めて考えると、ソビエシュは非常に執着心の強い男ですね。
ただし、これほど嫉妬するのは相手がナビエだから。ラスタがエルギ公爵と親しくしていても、注意こそすれ上記のような行動は取っていません。つまりそういう事ですよ。
離婚後もなおナビエに執着する
ソビエシュはラスタとの間に生まれた子供を皇帝にするため、ナビエと離婚してラスタを皇后にしようと考えます。
ただしラスタを東大帝国の皇后にするのは1年間だけ。その後はナビエを再び皇后として復帰させるつもりでした。
しかしナビエにとっては、一方的に離婚を突き付けられて人前で夫に捨てられたことに変わりありません。そのためナビエは、離婚を承諾すると同時にハインリとの再婚を宣言しました。
そしてナビエの再婚が決定してから、ソビエシュの嫉妬に満ちた行動はエスカレートします。
ナビエを逃がすまいと、騎士を派遣してトロビー邸(ナビエの実家)を包囲したのです。さらに官僚たちを集めて、再婚を阻止するための方法を必死で探し続けました。
しかし努力の甲斐虚しく、ナビエは東大帝国を脱出。そして西王国の王妃となります。
そこでソビエシュはナビエを後悔させるため、わざとラスタと豪華な結婚式をあげます。またナビエ宛に「1年後にはラスタと別れてナビエとよりを戻すつもりだった」と弁解の手紙を送るなどして、ナビエを取り戻そうとします。
さらにラスタとの結婚式に来賓としてナビエが訪問したときも、ずっと言い訳を続けていました。
ナビエの心はもう離れているのに、ソビエシュは全くそれに気付かなかったのです。
関連:再婚承認を要求します解説|ソビエシュはなぜラスタを贔屓したのか?
妻を失った寂しさから奇行に走る
またこの時期のソビエシュは、ナビエを失った寂しさのあまり異常な行動を取っています。
夜な夜なラスタに隠れて、やけ酒をしながら「ナビエ!ナビエ!」と叫び、さらに心理的な苦痛をまぎらわせるために自分の胸を殴り続けました。
本編の最後では何もかもを失い、後悔の念に襲われる
最後は妻も子も失う
ソビエシュは最後、何もかもを失います。
ラスタとの間にできた子供・グローリエムの親子検査をしたところ、ソビエシュの実子ではないという結論が出たのです。
愛する娘が他人の子だった知らされ、ソビエシュは当然ながらショックを受けます。
しかも検査をした神官によれば、グローリエムの父親はアレン(ラスタの元恋人)だそう。ラスタはこの結果について必死で否定するも、ソビエシュは全く信じません。
さらにラスタは数多くの罪を犯していたので、ソビエシュは最終的にラスタと離婚して彼女を塔に幽閉します。
またグローリエムについては、外国の小貴族のもとに送って平穏に暮らせるだけの金銭を与えるつもりでした。そして我が子への想いを断とうと考えたのです。
ソビエシュは自分の子供を皇位につけるためナビエと離婚までしたのに、最終的には子供もラスタも失いました。
関連:『再婚承認・考察|ソビエシュの運命の相手は誰だった?』
深い後悔に襲われる
しかしその後、ソビエシュは親子検査が誤診である可能性に気付きます。
そこでグローリエムを連れ戻そうとするも、子供が乗った馬車は盗賊に襲撃され、さらに周囲には血痕が落ちていました。
そのためソビエシュはグローリエムがもうこの世にいないと思い込み、自分の子供を殺してしまった…と後悔して泣きました。
外伝ではグローリエムと再会し、子供を守るために行動する
外伝でも独身のまま
ソビエシュは外伝でも独身のままです。妻子はおらず、周囲からは再婚してはどうかと勧められるも独り身を貫いています。
女性2人を不幸にしてしまったので、怖くて再婚できないようです。
なお外伝でのソビエシュは、人の外見だけでなく中身もきちんと見る男性に成長しています。
というのもナビエが産んだ双子のうち片方は、外見がハインリにそっくりで中身がナビエにそっくりな男の子。しかしソビエシュはその子のことを大切にしています。
愛娘・グローリエムへの献身
『再婚承認を要求します』の外伝にて、ソビエシュは娘のグローリエムと再会します。
ただし再会と言っても、当時は相手がグローリエムだと気付いていなかったので顔もまともに見ていません。
そもそもグローリエムは自分の正体を隠していて、王女に戻ることを望んでいなかったのです。
それでもソビエシュは子供が生きていたことを喜び「一度でいいから笑顔を見せて欲しい」「傍にいられずとも子供が幸せに暮らせるよう手助けしたい」と考えますが・・・
この時、リルテアン大公(東大帝国の有力貴族)もグローリエムが生きていることに気付いて彼女を探していました。というのも権力争いに利用するためです。
しかも大公の妻が、グローリエムが生きていると噂を流してしまいます。
もしグローリエムの存在が世間に知られれば、人々は彼女を王女ではなく囚人にしようとするでしょう。見世物になるのは確定事項です。
そこでソビエシュは子供を守るため、狂ったフリをして自ら悪役になります。
人々がグローリエムの話を持ち出す度に、怒って暴れたのです。その結果、人々は東大帝国の皇帝が狂ったと噂して、誰も子供のことを探そうとしませんでした。
真実に気づいた人もいる
なおソビエシュの真意に気付いたマッケナは、以下のように語っています。
「ソビエシュは王女が嫌いなのではなく、王女が静かに暮らせるように守ろうとしているのだろう。王女の話が出ただけで皇帝が発作になるという噂が流れれば、人々はその子を探して連れて来ようとしないだろうから」
引用元:『再婚承認を要求します』外伝54・マッケナの台詞
なおソビエシュのこの行動により、ナビエの娘・ラリが東大帝国の皇位を継ぐのもスムーズになりました。詳細は省きますが、政治的な部分についても問題が解消したのです。
皇位をゆずった後の生活
外伝3作目にあたる『ソビエシュの回帰』では、ソビエシュが退位した後のストーリーが描かれています。
年をとり寂しく過ごしていたある日、ふしぎな懐中時計により離婚直前にタイムスリップするーーーという少々変わった設定の話です。
以下の記事に概要をまとめたので、興味がある人は読んでみて下さい。
まとめ|最終的には自分を犠牲にすることで罪を償った
ソビエシュなりの償い
ソビエシュは夫として最低な事をしていますし、その身勝手さからナビエのこともラスタのことも傷つけています。
しかし最後には自分の行いを後悔し、さらに外伝では子供を守るためにプライドも何もかもかなぐり捨ててました。
狂ったフリをするという選択肢が正しいかどうかはともかく、子供への愛情が深いことは伝わってきます。
要するにソビエシュは、最後にはきちんと責任を取って罪を償ったのです。しかも自分へのダメージが非常に大きい方法で。
管理人のイメージですが、ソビエシュは自分自身を裁いたように見えました。
確かにラスタはやらかしまくりで、多数の読者には死んで当然の女かもしれませんが
それでも反省の余地はあったし、ソビエシュが抑えることもできたと思うんです。
ソビエシュにとってそれだけの女だったってことかもしれませんが、あまりに非道すぎませんかね。
毒薬を差し入れさせたのはソビエシュだと思うんですが
ひと思いにとどめを刺さずに自ら毒を飲むように仕向けるって自分の責任逃れとしか思えませんでした。
自分が拾って来たものだから自分で責任を持つべきでした。
物語上のにおわせトラップでハインリやエルギの仕込み説を唱える読者も数人みましたが
それは濡れ衣で、全く関係なく自分の意志で拾って来たんですから。
ナビエ様は結局ソビエシュの最も近しい親戚ですよね。
ナビエ様の父以外にロクな後継者がいなかったんだし。
血の近い者に執着するのってこういう言い方は良くないかもしれませんがちょっと薄気味悪いです。
ソビエシュ・トロビー・ビクト皇帝様は
結局自分たちの先祖が長年血を重ねて築き上げてきたトロビー家の貴族の青い血を守ることに囚われた愚かな男だなと思います。
おかしくなっている時に発言した、ナビエ様の子達の父親になってもいい、産まれる前だから誰が父親か解らないだろうって言葉も自分本位すぎと感じました。
案外ナビエ様を愛しているのではなく、トロビー家の血を愛して残したかったのではとしか思えません。
ナビエ様=自分=トロビー家という意識があったように思います。
ところでグローリーエムは本当の本当にソビエシュの実子かということですが
自分は全話最後まで読んでもいまだにちょっと疑っている面もあります。
>紅茶さん
いつもコメントありがとうございます。いつもながら考察すごいですね!
とりあえずグローリーエムについては、ソビエシュの実子と考えて問題ないと思いますよ。
『再婚承認を要求します』という作品はナビエ1人の視点ではなく複数の視点で描かれていて、またターニングポイントでは必ずそれらしい描写ありますから。