漫画『余命わずかの脇役令嬢』の36話のネタバレと感想です。
前回カリナは、芸術病のタブーについて知って顔色を悪くしていました。そしてその日の夜、カリナはベランダに出てミリアンの帰りを1人で待ち続けますが…
その後はどうなったのでしょうか?以下にストーリーの続きをまとめました。
カリナは将来について考えながら、ミリアンの帰りを待つ
カリナ視点
ミリアンとのあれこれを想像し、カリナは1人で顔を赤くします。
するとそこにミリアン本人がやって来ました。彼はまだ外での用事が終わっていませんが、本格的な討伐に入る前にカリナに会いに来てくれたそうです。
さらに彼によれば、屋敷に帰って来るのは明後日の夕方になるとの事。
しかしそれを聞いたカリナが寂しそうな顔をするので、ミリアンはつい「できるだけ昼頃には戻ってくる」と嘘をつきました。
らしくもない嘘をついてしまい、冷や汗をたらすミリアン。しかしカリナが「楽しみにしていますね」と微笑むので、俄然やる気を出すのでした。
ミリアン視点
その日の夜。
ミリアンは魔物討伐に向かう際、カリナとの約束を守るために馬をハイペースで走らせます。
それこそ速度が速すぎて、他の騎士たちが追いつけないほどに。
・・・
そして集合場所に到着すると、討伐部隊のみんなで小休憩を取ります。その際にミリアンは、今回の討伐計画について思いを巡らせました。
北部はもともと魔物の地。過去にミリアンの先祖が魔物たちを追い出したものの、魔物たちは飢えているため冬になると狂って暴れながら村に下りてくるのです。
それを春まで防ぐことが、北部に住む人々の使命であり領主であるミリアンの責任ですがーーー今回の討伐において、ミリアンには別の目的がありました。
というのもカリナのために、ハロン(※)を持ち帰ろうと考えていたのです。
そのため彼は、遠くを睨みながら一人で呟きました。
「ハロンを持った魔物が多いといいんだけどな」
カリナとウィンストンの会話|親という存在について語り合う
散歩中にウィンストンと出会う
翌朝。カリナは服をしっかり着込んで外を散歩します。ミリアンが帰って来るのは明日のお昼だと分かっていますが、部屋でただ待つのは落ち着かなかったのです。
するとそこに医師のウィンストンがやって来て、彼は優しげな笑みを浮かべて言いました。
「君は最近、本当にいろいろと変わったね。前よりもずっと幸せそうだ」
それを聞いたカリナは、その通りだと答えます。そして今がとても幸せなこと、また両親にお金を返す予定であることを打ち明けました。
少しでも長生きして画家として有名になって、両親がカリナの衣食住に費やした金額をすべて返済すれば、両親と自分は無関係だと証明できると考えたのです。
親は子供の保護者であり主人ではない
「お腹を痛めて産んでもらったことを否定はしません。でも、だからといって私の人生を両親が勝手に描くことはできないでしょう」
「…その通りだね。 親は子供の保護者というだけで主人ではない。親と子は同じ時間を過ごすけど、結局たどり着く先は互いに違うのだから」
いつか子供は大人になって、自分の人生を生き始めます。去った子供がまた戻ってきて老いた親の手を再び握るのは、彼らが良い親だからです。
そう語りながら、ウィンストンは気づかわしげにカリナを見つめます。しかし当のカリナはもう吹っ切れているため、大丈夫ですよと言って幸せそうに微笑みました。
「私の人生に、本当の春が訪れたんです」
一分一秒が惜しい今、カリナは過去に足を引っ張られたくないのです。そのため前だけを見て生きていくと、すでに決めていました。
『余命わずかの脇役令嬢』36話のネタバレと感想
ネタバレ感想|ウィンストンの名ゼリフについて
36話の後半で、ウィンストンがとても大事なことを言っていましたね。特に以下のセリフ、全国の子を持つ夫婦にぜひ見て欲しいです。
「…その通りだね。 親は子供の保護者というだけで主人ではない。親と子は同じ時間を過ごすけど、結局たどり着く先は互いに違うのだから」
引用元:『余命わずかの脇役令嬢』36話
子供には子供の人生があるのだから、親のエゴで縛り付けてはいけません。
子供なら親の面倒を見るのが当然だとかいう人がいますが、今のご時世、大抵の人は自分のことで手一杯のはず。だというのに親の面倒まで見ろというのは酷な話でしょう。
そしてウィンストンが言っている通り、老いたときに子供に手を握ってもらえるのは『良い親』の特権です。毒親のもとに帰りたいと思う子供なんて、そうそういませんよ。
だから親と関わるのが辛いと思ったら、子供は無理せずに距離を置いた方がいいと思うのですがーーー
責任感の強い子とか優しい子に限って、親との関係を絶てないんですよね。せっかく大人になって毒親のもとから抜け出せたのに、また実家に戻るのは本人も辛いでしょうに。
以上、管理人による私怨まみれの感想でした。