結婚商売(原題:결혼 장사)の原作小説を読み終えたので、結末までのストーリーとその感想について紹介します。なお本編のネタバレを大量に含むため、原作未読の方はご注意ください。
結論から言うと、韓国の作品らしく最後はハッピーエンドを迎え、またヒロインだけでなく女性陣みんなが幸せになれる素晴らしい作品でした。
結婚商売のストーリー|原作小説の結末について
結婚商売のストーリー概要
ビアンカは元々保身のためにザカリーとの子供を望んでいましたが、だんだんと優しく誠実な彼に惹かれていきます。
そして彼への愛情を自覚したビアンカは、自分のためではなく夫を守るために行動するようになります。
また夫だけではなくアルノー領の人たちも大切に思うようになった彼女は伯爵夫人として相応しい人物へと成長していき、後に『アルノーの聖人ビアンカ』と呼ばれるようになります。
シーズン2~結末までの流れ
『結婚商売』の原作小説を元に、シーズン2~結末までのストーリーを簡単にまとめました。
なお以下のネタバレを読む前に、シーズン1(49話まで)を読んでおいた方がストーリーを理解しやすいと思われます。読んでいない方はこちらのネタバレ一覧からお読みくださいね。
ビアンカが聖人だと発覚する
- ビアンカは自分の回帰が『神の意志』であることを確認するため、大聖堂を訪れる(61話参照)
- そして大司教と会話をした時、自分が神に選ばれた聖人であることを知る(62話参照)
- セブラン王国に聖人が現れたという噂が広まる(ただしそれがビアンカだとはバレていない)
- この噂は敵国のアラゴンにも伝わる。信心深いアラゴン兵たちは、セブラン王国に聖人が現れたという噂を聞いて侵略を躊躇する
そのため一旦、戦況が落ち着く
ゴティエの死とアラゴンの侵略
しかしジャコブの策略によりゴティエ第一王子が死亡し、それに触発されたアラゴン王国はこれまでにない規模でセブラン王国を攻めて来た
ザカリーが戦場に行こうとするので、ビアンカは自分の秘密をすべて打ち明けて彼を引き止める。聖人であることも回帰したことも、そして彼を愛していることも正直に伝える
しかしザカリーは結局、戦場に行ってしまう
セブラン側は劣勢だったが、ビアンカの根回しにより援軍が到着して戦いに勝利する。またこの戦い以降、ビアンカが聖人であると周囲に知れ渡る。
さらにザカリーは『聖人の夫=神の加護を受けた存在』と認知されたため、アラゴン側はザカリーと戦うことを拒否する
ジャコブVSビアンカ
しかしザカリーが戦場に行っている間、アルノー城にジャコブが攻めて来る
ジャコブのお目当てはもちろんビアンカ。というのもアラゴンが戦いを拒否したため、もう一度説得するには聖人・ビアンカを利用すればいいと考えたである
つまり、ビアンカを攫って自分の子供を産ませればいい!という外道な作戦を実行に移した
ジャコブは降伏するよう呼びかけるも、ビアンカは拒否する
アルノーVSジャコブ軍の戦いがスタート
戦いは長期戦へと突入してビアンカは苦戦を強いられるが、ザカリーが駆け付けたためジャコブ軍は撤退。
さらにその後、ソヴールが逃げたジャコブを捕らえる
ジャコブは犯した罪がバレたため王位を剥奪され、そのままアルノーにて処刑される(詳しくは別記事『ジャコブの結末について』参照)
ジャコブの訃報とともにアラゴン王国との戦いも終結する
原作小説の結末
セブランの現国王が衰弱したため、オデリーが王位を継承。女王が誕生する(詳しくは別記事『国王とゴティエ王子の末路について』参照)
このときザカリーは公爵位を授かる
- 侍女のイボンヌと軍部長のガスパルが結婚する(詳しくは『イボンヌとガスパルが結婚するまでの経緯』参照)
その後、ビアンカは娘・アレクサンドラを産む
子供が生まれて皆で喜んでいると、周囲が光り空からラッパの音が聞こえた。これは神の祝福であり、聖人が役目を果たしたときに現れる(詳しくは『神様に祝福された少女・アレクサンドラ』参照)
つまり神が望んだのは、ザカリーの後継者だった
世の中には平和が訪れ、アレクサンドラは女でありながら立派な軍人となった。
アレクサンドラはシリル王子(ゴティエの孫でアルベルの息子)と結婚する。
シリルは国王となった後でアレクサンドラに王位を譲ったため、彼女はセブラン王国とアルノーの領地を両方治める事になった
解説|本作が伝えたいことは?女性の幸せについて
『結婚商売』の作者が伝えたいこと
『結婚商売』は利益のために結婚した夫婦ーーーつまりビアンカとザカリーが、苦難を乗り越えて本当の夫婦になるまでの話です。
しかし本作は、ただ主人公がハッピーエンドを掴むだけの話ではありません。
もっと広い視野で見るなら、結婚が商売であり女性が商売道具だった時代に、女性が自らの能力で未来を切り開く過程を描いたストーリーだと言えます。
ビアンカもオデリーもイボンヌも針子たちも、みんな自らの能力によりその地位を向上させました。もう彼女たちは道具ではないし、男の言いなりになる必要はありません。
これこそが原作者が『結婚商売』を通して伝えたいことでしょう。
関連:結婚商売・考察|オデリーの生涯が原作とマンガで違う理由
女性が自分らしく生きられるように
結婚にこだわる女性は多いですが、別に結婚したから幸せになれるワケではないし、ましてや結婚が人生のゴールではありません。結婚はあくまで1つの通過点です。
そして本作では『女性が自分自身の力で輝ける社会』を描くことで、女性にとっての幸せを描いています。
簡単に説明すると、原作者は『あなたが自分らしくいられる人生を生きてね』と伝えたいのでしょう。
ちなみに男性の中には「女は結婚して子供を産むのが義務だ」と言う人もいますが、管理人としては結婚しない人生もありだと思っています。
マンガ版の60話あたりでオデリーが言っていましたが、結婚に縛られて息苦しく生活するくらいなら独身生活を謳歌するのも1つの選択でしょう。
補足|女性を無下にした男たちは全員罰を受ける
男たちに与えられた罰
先ほど説明したとおり『結婚商売』では女性の社会進出がテーマとして描かれています。
そして本編では、それを象徴するかのように女性を虐げる男性(具体的には女性を道具扱いしたり見下したりする男性)がことごとく悲惨な目に遭っています。
特にジャコブやフェルナンなど、以下4名はしっかり報いを受けました。
ジャコブ
- 罪状:ゲーム感覚で人妻に手を出し、ビアンカのことも力ずくで手に入れようとした
- 結末:数々の罪を犯して、最後には処刑される
ウィグ子爵
- 罪状:回帰前、ビアンカを屋敷から追い出して持参金も返さなかった
- 結末:詰めが甘く役に立たない人なので、怒ったジャコブに刺される
フェルナン
- 罪状:裕福な女性に手を出して財布扱いしていた
- 結末:ジャコブに刺される
セリーヌの父
- 罪状:初登場時からずっと女性を見下す発言が多かった
- 結末:娘に見捨てられ、首都への出入りを禁止される
まとめ&ネタバレ感想|韓国版を読んだ感想
この記事のおさらい
ビアンカは前世で散々な経験をしていますが、これは実際に体験したのではなく神様によって『最悪な未来』を見せられだけです。
というのも彼女は神様に選ばれた『聖人』であり、最善の未来に導くよう義務付けられていたのです。
そして彼女が望んだ未来を手に入れるため奔走した結果、ザカリーは生き残り公爵となり、また2人の間には娘・アレクサンドラが生まれます。
なお神様は「ビアンカとザカリーの子供が生まれること」を一番に望んでいたらしく、アレクサンドラが生まれたときには天から祝福されました。
結婚商売の原作小説を読んだ感想
『結婚商売』の見どころといえば、やはりビアンカとザカリーの恋愛模様でしょう。
しかしこの2人の恋愛、とにかく見ていてもどかしい。2人の気持ちは交わらず、体を繋げた後もずっと平行線でしたから。
特にビアンカは夫への愛情を自覚してから、彼を守るのに必死で「戦地に行かないで。誰かほかの人を向かわせて」と何度も懇願していました。全て投げ出してもいいくらいに、ザカリーを愛していたのです。
けれどザカリーは妻の願いを全く理解していません。戦地に行かないと妻に贅沢をさせてあげられない。妻のためならあと100回でも戦場に出てやろう。そんな風に思っていたのです。
相思相愛なのに互いに不器用すぎてから回って、そうして気持ちが伝わらない。何てもどかしい状況でしょうか!
けれど散々すれ違ったからこそ、原作小説の5巻で2人の気持ちが通じ合ったときは感動しました。結末も納得がいく展開だったので、個人的には大好きな作品です。
『結婚商売』はマンガも小説も評判がいいので、本記事を読んで興味を持った方はぜひ読んでみて下さいね。
結末!!待ってましたー!
これからも楽しみにしています。
東東さん、いつもコメントありがとうございます!
初めまして。他の作品とかも楽しく読ませて頂いてます。
結婚商売も大好きな作品の一つです。原作小説では、回帰したのでは無くすべて夢だったかと思います。あまりにもリアルな夢だったので体現したものと勘違いをしてしまったって言うことではなかったでしょうか?回帰物が多い中、回帰物でなく素晴らしいと思っていたものですから。
コメント&ご指摘ありがとうございます。
おっしゃるとおりビアンカが体験したのは回帰ではなく夢という設定です。ただ下書きの段階で本記事にその説明を入れたところ文章がややこしくなってしまったので、本記事ではひとまず『回帰』という言葉で片づけ、詳しくは各話のネタバレ記事で読んでもらうという形にしました。
原作がお好きな方にとっては不快かもしれませんが、ご容赦いただければと思います。