『結婚商売』に登場するセブランの国王・ビクトルとその息子・ゴティエ王子。この2人は悪人ではないのに作中で悲惨な目に遭っています。
そこで本記事では彼らがどんな最期を迎えたのか解説しつつ、なぜ救いがなかったのか管理人なりに考察してみました。
目次
ゴティエ第一王子の末路|どっちみち亡くなる運命だった人
ゴティエ第一王子の運命
結論から言うと、ゴティエ第一王子はどっちみち命を落とす運命にあります。
ビアンカが回帰する前は、アラゴン王国と戦うため戦場に行って死亡。なお回帰後は、ジャコブの罠にはまり落馬して死亡しました。
どうあがいてもジャコブの毒牙にかかる人なのです。
そもそも国王には不向きな性格
ゴティエは優しく穏やかな性格ですが、やや気弱で統治者向きとは言えません。王位継承者でありながら国王には不向きな性格です。
以下にゴティエの特徴を羅列しましたが、どう考えてもトップの器ではありません。
- おしゃれをすることに夢中で、息子・アルベルをあまり気に掛けない(60話参照)
- ジャコブ第二王子を牽制できていない
- その結果、回帰の前も後もジャコブの罠にかかり命を落とす
悪い人ではありませんが、彼がセブラン国王になれば国民が苦労するのは目に見えていますよね?
逆に妹のオデリーは賢く度胸がある人なので、ゴティエよりも遥かに国王に向いています。つまりオデリーが王位継承した方がメリットがあるのです。
そう考えると、ゴティエの死は国が栄えるために必要だったのかもしれません。かわいそうな話ですが、彼がいる限りオデリーは王位を継承できませんから。
考察|王族としての自覚がなく、神から見放された第一王子
ゴティエの死は決まっていた?
これは管理人の考察ですが、ビアンカが何度運命をやり直してもゴティエは亡くなる運命だったのかなと思います。
というのも1章でお話した通り、彼は毎回ジャコブの毒牙にかかり命を落としていますよね?もし彼が世界にとって必要な人物なら、神様は何としてでも助けようとしたはず。
だというのに命を落としたという事は、神様の思い描く『理想の未来』には最初からゴティエは存在しないのでしょう。
神様がゴティエの死を「大事の前の小事」と判断したからなのか、それとも彼の存在自体が邪魔だったから救わなかったのか、その理由は定かではありません。
しかし個人的には、後者のイメージが強いです。
そもそもの話、ゴティエが生きていたらオデリーは女王になれませんし、女王が誕生しなければこの世界における女性の地位は低いままだった可能性もあります。
その状況は理想的な未来とは言えませんよね?となるとやはり、ゴティエの死は必要だったのかな…と考えてしまいます。
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神から見放されたキャラクター
ゴティエは悪い事をしていないのでこの結末は可哀想ですが、王族に生まれた以上いくら善良だろうと愚鈍なままでは許されません。
なので強いて言うならゴティエの罪は、国政よりもプライベートを重視してしまった事かもしれませんね。
セブラン国王・ビクトルの晩年|息子2人を失い衰弱する
ビクトルの人生|女性に運命を狂わされたセブランの国王
ビクトルの過去
ビクトル・ド・セブラン。ビアンカたちが住むセブラン王国の現国王であり、マンガ版では白いひげを生やした老人の姿で描かれています。
彼の人生はなかなか波乱万丈で、酒でべろんべろんに酔って寝室に入ったところ待ち伏せしていたジャコブ母とワンナイトしてしまう……という過激な過去をもつ人です。
ジャコブに負い目を感じる
ビクトルは家族思いで、妻子をとても大切にしています。ジャコブのことも愛していたようです。
とはいえ第一王妃の息子であるゴティエとオデリーが可愛いので、この2人の方を贔屓します。
ジャコブは家庭を壊した女の息子なので、これは仕方がない話ですが・・・
けれどビクトルは、ジャコブを無下にしたことに罪悪感を覚えてしまいます。ジャコブが裏で色々やっていても注意しなかったのは、恐らくそのせいもあるのでしょう。
性格的に問題のある国王
ビクトルは基本的に良い人ですが、国王としては若干ポンコツな人です。
というのもこの人、長男のゴティエが亡くなったとき再起不能になり執務をろくに行わなかったのです。
この期間中、彼はほぼ引きこもりでした。王様、仕事して!
ビクトルの末路|息子を2人も失い衰弱してしまう
アラゴンとの戦いが終わった時、ビクトルは衰弱しきっていました。年老いたうえに息子を2人も失ったため、精神的なショックが大きかったようです。
もはや国王として働ける状態でなかったビクトルは、オデリーに王位を継承します。
本来ならゴティエの息子・アルベルが王位継承権第一位ですが、彼はまだ幼いので王位に就いても貴族たちの傀儡にされるでしょう。
簡単に言うと、貴族のオッサンたちが「幼い国王を操って国を乗っ取ろう!」と考えるかもしれないのです。
だからこそビクトルは、一旦オデリーを女王にして時間稼ぎをしたワケですね。
こういう政治的な背景からオデリー”女王”が誕生しました。ビクトルは国王に向いていませんが、これは英断でした。
最後までオデリーの身を案じていた
ビクトルは原作小説の5巻にて、ザカリーを公爵に任命します。側近として娘を守ってほしいと考え、伯爵から公爵に昇格させました。
伯爵のままだと側近にするには立場が低いので、そのための措置ですね。
そしてこの後はオデリーがアルベルを養子にして、アルベルが成長したら王位を継承してーーーと継承問題はつつがなく収まりました。
オデリーが権力に執着するタイプではないため、すんなり政権交代が行われたようです。
考察まとめ|なぜ2人には救いがなかったのか?
ゴティエとビクトルについて
ゴティエ第一王子
- 前世では戦場で命を落とし、今世では落馬して死亡。ビアンカが回帰しても結局は救えなかった人
- どっちみちジャコブの罠にはまる
- ジャコブ曰く「無能な長男」であり、王としての器量はないと思われる
- もしかするとゴティエは最初から、神様に見放されていたのかもしれない
セブラン国王・ビクトル
- 長男を失ったショックで引きこもり、国王としての仕事を放棄した
- 晩年には衰弱し、オデリーに王位をゆずる
- 家族のことを大事にする良い人だが、国王としては問題がある
- 明確なビジョンもないまま国政を行う人だったので、息子と同じく神様に見放された可能性がある
なるほど…ゴディエの死なない未来は最初からなかったんですね。フムフム。
ありがとうございます。楽しかったです!
東東さん、いつも読んでくださってありがとうございます!
あくまで個人の考察ですが、多分そういう事なんだと思います。多分。