【結婚商売・考察】オデリーはなぜ生涯独身を選んだ?小説とマンガの違いについて

キャラクター解説

『結婚商売』に登場するオデリー王女。美しく聡明な彼女は、本編に欠かせない重要キャラだと言えるでしょう。

そしてマンガ版と原作小説版では、彼女の人生が大きく変化しています。そこで本記事では、以下の2点について考察してみました。

  • 小説とマンガ版の違い(オデリーの生き方がどう変わるのか)
  • なぜ小説版と結末が違うのか?

なお原作5巻とマンガ版90話のネタバレを含むので、閲覧は自己責任でお願いします。

原作小説の展開|女王として君臨し、テクトールを傍に置く

原作のオデリーについて

原作小説では、皇太子のアルベルが成長するまでの時間稼ぎとしてオデリーが王位継承者となります。

そしてビクトル2世が崩御した後オデリーは女王となり、アラゴンとの終戦交渉も終えて国には平穏が戻りました。

ひよこ
オデリーはアルベルを養子にして、彼の母親の面倒もきちんと見てくれたよ。
白うさ
アフターフォローも完璧だね。この人は本当に有能。

オデリーのその後については詳細がないものの、少なくとも15年間は王位に就いたようです(※補足参照)

皇太子のアルベルは王位に興味がなく、その結果、彼の息子・シリル王子が即位するまでオデリーがセブラン国を統治していたと思われます。

この辺については上手く翻訳できなかったのですが、原作に「オデリーが即位してから15年後」「シリルは21歳の時に王位を継いだ」などの表記がありました。

関連:【結婚商売・キャラ解説】ビアンカの子供・アレクサンドラについて

結婚相手について

原作小説にはオデリーが結婚したとの表記がありませんが、外伝にて少しだけ恋愛を想起させるシーンがありました。

というのも舞踏会にて、オデリーがカスティヤの騎士・テクトールをパートナーにする描写があるのです。

テクトールはトーナメント中、オデリーにバラを渡していた騎士ですね。彼はオデリーに恋をし、国籍を移して彼女の護衛騎士になりました。すごく熱烈。

ただし2人は相思相愛というより、テクトールが一方的に思いを寄せている様子。

オデリーは彼の感情に気付いているけれど、もともと異性にモテるので重く考えていないようです。

マンガ版の展開|オデリーは生涯独身でいることを誓う

オデリーが独身を決意した理由

原作小説と違い、マンガ版のオデリーは一生独身でいることを誓います。

その理由はマンガ本編に記載されていませんが、恐らく自分の子供とアルベルに継承権争いをさせないためでしょう。

というのも彼女が子供を産んだ場合、王位継承戦争が起こりやすい状態になるから。

現女王の子供と、亡き王子の子供。もともとの王位継承権一位がアルベルでも、派閥ができて後継者問題に発展する可能性は十分あります。

子供たちに争う意思がなくとも、周囲の貴族たちは権力争いのために2人を競わせるでしょう。

ひよこ
後継者争いは恐ろしいよ。本人たちの意志に関わりなく起こるからね。
白うさ
最悪の場合、後継者の片方が暗殺される可能性もあるよね。ゴティエ王子みたいに。

このような争いを事前に防ぐため、オデリーは独身でいることを大々的に発表したのだと思われます。合理的で王族らしい選択ですね。

結婚はしないが心強いパートナーを得る

オデリーは自分が女王として未熟だと理解していたため、まずは心強い味方ーー夫婦や家族という枠組みをこえて信頼できる相手ーーを作ろうと考えます。

つまり人生のパートナーを望んでおり、その相手として選ばれたのがテクトールです。

なおマンガ版90話では「私のために全てをかける人が欲しい」と彼に熱烈なセリフを告げており、即OKを貰いました。

詳しくは本サイトの記事『結婚商売・マンガ版90話の感想』で解説しています。

考察|なぜ『結婚商売』のマンガ版はストーリーが違うの?

作品としての完成度を上げるため

マンガ版の『結婚商売』は原作小説とかなり展開が違っていて、オデリーの独身宣言もその1つです。

なおストーリーが変更された理由について、管理人は作品の完成度をより高くするためだと考察しました。

そもそも『結婚商売』の世界では、女性は一族の道具であり結婚するのが当然。これは現実世界でもありえる悪しき風習です。

しかし本作はその風潮を強く批判しており、最終的には女性が自分らしい生き方を選べる世界になります。詳しくは別記事『結婚商売・原作小説の結末について』で解説していますが、要するにこの物語は女性が既存の枠組みから解放される話だと言えます。

ひよこ
女性に自由と解放を。それがこの物語の本質だと思うよ。
白うさ
ビアンカ1人じゃなくて、女性の命運がかかった物語なんだね。

それらを踏まえると、オデリーの独身宣言はストーリー的に重要な意味があります。

結婚=商売という考え方が主流の中、それを特に要求されるであろう王族が結婚をしないのですから。彼女のこの行動により『女性の自由』や『悪習の撤廃』がより強調されるストーリーになったのは明白です。

作品に込められたメッセージ性も分かりやすくなり、個人的にはストーリーが良い方向に修正されたと思っています。

まとめ|ストーリー変更により、作品の完成度が上った

オデリーの人生について

オデリーの人生は原作とマンガ版で大きく変わっています。ただし彼女の性格・設定などはそのままで、個人的には『別ルートを進んだお姫様』という印象を持ちました。

原作小説とマンガ版の違い
  • 原作小説:オデリー自身が当初望んでいたように、彼女個人の幸せを追求したルート
  • マンガ版:オデリーは自分が思う以上に母国を愛しており、それに気付いて女王としての道を歩むルート

なおストーリーが変更されたのは、作品としての完成度を高くするためだと推測されます。

オデリーが独身宣言をしたことで”女性の自由”がより強調される展開になり、また王位継承問題など小説版で生じた小さな疑問点についても上手く解消されたイメージです。

補足|マンガ版は救いがある

またマンガ版のストーリーは、小説版よりも救いがある印象です。

例えばカスティヤの騎士・テクトール。彼は小説版だと一方的にオデリーに恋心を寄せていますが、マンガでは彼女のパートナーの座を手に入れました。彼にとってはこの上ない幸福でしょう。なにせ国籍を変更してまで追いかけてきた男ですから。絶対に喜んでますよ。

またジャコブの最後も原作よりは救いがあったので、マンガ版では物語の大筋は変えずにキャラクターに救済を与えているのかなと思います。

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