『再婚承認を要求します』原作小説194話のネタバレと感想です。
窮地に立たされたラスタは、東大帝国から逃げるためラント男爵を頼ります。これだけ監視の目が多いなか、果たしてラスタの逃亡は成功するのでしょうか?
ラスタは逃亡するためにラント男爵を頼る
助けてラント男爵!
ラント男爵は前回(189話)と違って正気を取り戻していたため、ラスタを逃がすことに難色を示します。
しかし彼女があまりに哀れな顔をするので、可哀想になって『首都を抜けるまでなら』と条件をつけて彼女の逃亡を手伝うことにしました。
ラスタ、馬車で逃亡する
その後ラスタはありったけの宝石を持って、西宮の正門に向かいます(なお外套をかぶり顔を隠している)
そしてラント男爵が用意した小さな馬車に乗り込むと、ラスタは彼に指示されてイスの中に身を隠しました。これはナビエが東大帝国を脱出したときと同じ手段であり、こうやって移動すれば誰にも見つからず逃亡できると考えたのです。
首都から脱出するも障害が待ち受けていた
首都を無事に脱出する
「首都を無事に脱出しました」ラント男爵が小声でそう告げると、ラスタは気がゆるんで泣き出します。そして彼女はイスの中で、男爵に深く感謝しますがーーー
その時、馬車が急停止します。外からは「トゥアニア公爵!」と叫ぶラント男爵の声が聞こえ、さらに直後、大きな音がして馬車がひっくり返りました。
トゥアニア公爵の復讐
トゥアニア公爵の命令により、兵士たちは馬車を槍で突き刺さし、その槍がイスの上部を貫きます。馬車の中に隠れていたラスタは恐ろしくなって「中に人がいます!」と泣き叫び、その結果、兵士たちに外に引きずり出されますがーーー
そこには、残酷な笑みを浮かべるトゥアニア公爵が立っていました。
「お前のせいで妻を失った。お前の悪事を知った後、今日という日をずっと待ち続けていた」
引用元:再婚承認を要求します194話
再婚承認を要求します・194話のネタバレと感想
ネタバレ感想①トゥアニア公爵の恨み
トゥアニア公爵は今までずっと、ラスタに復讐する機会を狙っていた様です。
ニアンと離婚して後悔して、後からラスタに騙されていたと知ってーーー確かに彼の立場上、恨んでもおかしくないですね。しかしまさか、問答無用で串刺しにするレベルの恨みを抱えていたとは……
というかニアンをそれほど愛しているなら、なぜ離婚当時にちゃんと話をしなかったのか。ニアンはあれほど不貞を否定したのに、なぜ信じてあげなかったのか。個人的には、どうしてもそこに思考が向きます。
アレでしょうか。妻があまりに美しく人気者だから、公爵はもともと不安&被害妄想が大きくなっていて、そこをラスタに付け込まれたとか…?
いや、だとしても一方的に疑って離縁したトゥアニア公爵が悪いですね。
離婚のお膳立てをしたのはラスタですが、壊したのは紛れもなくトゥアニア公爵自身。なのにラスタに全ての恨みをぶつけるあたり、この人も愚かな男性の1人なのでしょう。
ネタバレ感想②侍女・アリアンが見せた覚悟
今回、侍女のアリアンまでラスタの手にかかりました。
アリアンは主人に干渉しないタイプの、よく言えば『分をわきまえた侍女』です。ラスタの悪事に気付きながらも、今まで見て見ぬふりをしていました。
けれど彼女は194話で、ラスタが逃亡しようとする時「逃亡すれば不利になります。逃げるのではなく立ち向かわなければなりません」と進言しています。今まで見て見ぬフリをしてきた彼女がここで初めて、主人を諫めるという行動に出ました。
個人的には、彼女の行動にはとても好感が持てました(結果的には刺されてしまいましたが…)
2話更新ありがとうございます!
私もトゥアニア公爵に対して全く同じことを思いました。
そこまで妻を愛していたなら、何故信じなかったのか、何故ちゃんと話し合わなかったのか。
何故ランドレ子爵のようにニアンの無実を証明しようと自分で調べる事をしなかったのでしょうね。
きっかけを作ったのはラスタであるのは間違いないですけど、離婚を突きつけたのは彼自身ですし、妻を信じなかった彼に全てをラスタのせいにする資格は無いと思います。
ニアンはきっと、ラスタに嵌められた事よりも、夫に信じて貰えなかった事に傷付いていたと思います。
仰る通り、それ以前から美しく社交界の花形であるニアンに対して不安とコンプレックスを抱いていたのだろうと思います。
公爵の登場は少ないですが、見た限りではニアンと違って平凡で内向的な性格という印象を受けます。
ソビエシュが優秀なナビエ様に劣等感を抱いていたように、彼もまた妻に日頃から劣等感を抱えていたのでしょう。
そういえば、まだナビエ様が東大帝国にいた頃、ニアンとの離婚を取り消して再婚したいと申し立てていたような描写があったと思います。
離婚後に冷静さを取り戻して後悔したのか、手放したから元妻の素晴らしさに改めて気付いたのか、他の男のものになってしまって惜しくなったのか理由は分かりませんが、自分から離婚を言い渡したくせに勝手だなと思った事は覚えています。
離婚を取り消したいなら、皇帝に申し立てる前にニアンを探して直接謝罪して許されてからでしょう。
ニアンのいないところで彼女の意思を無視して勝手に再婚したいとか、ソビエシュがナビエ様にした事と同じです。
自分の落ち度を棚に上げて人のせいにばかりして、自分が手放したくせに勝手に寄りを戻そうとしたりと、ソビエシュと違って浮気こそしていませんが、彼もまたソビエシュと同類なのだと思います。
愛していると言いながら、無意識に傲慢で自分勝手…
自分次第で相手との関係を終わらせたり戻したり出来ると何故思えるのか。
ソビエシュもトゥアニア公爵も自分の意思で手放したくせに、今も自分の妻であるかのように振舞いますよね。
本当に一貫性がないというか、自分で選んだ道なら最後まで責任を持って貫いて欲しいです。
もう他の男性と結ばれて幸せになっているのだから、身の程を弁えて引き下がるのが真心というものでしょうに。
ナビエ様もニアンも、浮気された事や離婚を突きつけられた事以上に、元夫のそういう身勝手で傲慢で他責思考な本質に一番呆れて失望したんじゃないかなと思うのは私だけでしょうか?
連続更新ありがとうございます。
上の匿名様や管理人様のおっしゃる通り、ラスタの言葉を信じて元妻のニアンの言葉を信じなかったトゥアニア公爵が、離婚はラスタのせいだと復讐心を燃やしているのはなんとも滑稽ですね。
ラスタを仕留めたり捕まえた所でニアンが戻ってくるはずもないのに、逃亡した罪人のラスタに何をやってもどうせソビエシュも世間も非難しないと、槍で攻撃したり兵士の手で引きずりださせるとか、とんでもない男ですね。
さすがにラスタも投降しているのに、その時点で平民の罪人のように乱暴に引きずり出すのはNGなはずなので。
(中世の世界観なら、貴婦人や皇后に兵士ごときが軽々しく触れてはいけないはず…)
トゥアニア公爵もソビエシュも被害者ぶっていますが、被害者は何の落ち度もないのに陥れられて一方的に離婚されたニアンとナビエですよね。
離婚された心の傷が深く、再婚したナビエはあれだけベタ惚れして溺愛してくるハインリの愛情をなかなか信じられず、捨てられる不安に今も苦しめられています。
ニアンだってランドレ子爵とあんなに仲睦まじいのに「しばらく結婚を考えられない」と結婚そのものに強いトラウマを抱えてしまいました。
それでも慰謝料をはらって謝罪するどころか「元妻を今も愛してる」「他の男と仲良しに見えるが、あの男たちに苦しめられて自分たちの助けを求めている」なんて言っている東大帝国ダメ男ズの言動が本当に気持ち悪いです。
次女アリアンや乳母のベルティ夫人、彼女たちがナビエと侍女のように打ち解けてラスタを守りながらも貴族の礼儀作法を教え、すぐに「ラスタがダメだって言うの!?」と癇癪を起こすラスタをうまくあやしながらも家庭教師のようにラスタを軌道修正したり、ラスタの心の傷(アンの死を偽装されて赤ん坊の遺体を見せられたことでグローリーエムと適切に接することができなかった)をきちんと癒せたなら。
エルギ公爵に騙されそうな時に相談に乗ったり、ラント男爵と侍女が連携してソビエシュに迅速に連絡を取ってラスタの暴走を抑えられたなら。
廃位になる時揉めたとは思いますが、グローリーエムの母親として何一つ不自由なく幸せに暮らす未来もあったのかなと、人材に恵まれずソビエシュに放置されてエルギ公爵の操り人形になったラスタを少しだけ哀れに思います。