『再婚承認を要求します』原作小説189~190話のネタバレと感想です。
エベリーの言葉がきっかけとなり、前回イスクア子爵夫妻はラスタと対立することを決意しました。これでラスタの味方は一人もいなくなりましたね。そして今回、再びストーリーはラスタ視点に移ります。
目次
189話の概要|ラスタは苦境から逃れるため作戦を立てる
人々の同情を買う作戦にでる
ラスタはまだ正式には罪に問われていないため、まだ皇后として西宮に住んでいます。しかし外出を禁じられて使用人からも見放されたため、大きなストレスが溜まっていました。
それでも諦めずにこの苦境から逃れる方法を考えていると、そのときラント男爵が訪ねてきて「近々ロテシュ子爵とアレンが裁判にかけられる」とラスタに報告しますがーーー
話を聞いたラスタは、あえて嬉しそうなフリをします。2人が裁かれれば自分にも悪影響が及ぶと知りながらも、自分の罪を軽くするために無知なフリをしたのです。
そうすれば憐れんだ人々が、同情して守ってくれると思ったから。
すると狙い通り、ラント男爵はその演技に騙されます。悲惨な未来を知らない、哀れな皇后だと思ったようです。
ラント男爵は側室時代からラスタの面倒を見ていたため余計に同情します。その結果、彼は言ってしまいました。「私が手伝うので、裁判前に逃げてはどうですか?」と。
190話の概要|王宮から逃げるべき?二択を迫られる
ラスタ視点|逃げるべきか?残るべきか?
ここから逃げるようラント男爵に提案されるも、ラスタはすぐに決断できません。
皇后のままなら処罰されても免責特権があるため死刑にはなりませんが、もし逃亡に失敗すればもっと立場が苦しくなるのは必至。そもそも外国に避難したところで仕事に就けないでしょう。
ラスタは男爵が帰ったあとも悩み続け、結局、ソビエシュと取引することにしました。
ソビエシュ視点|事態はどんどん悪化する
同時刻、ソビエシュはラスタの処罰について悩んでいました。
港の件を無効にするには、彼女との結婚そのものを無効にするのが得策。騙されて結婚したと主張すれば、訴訟を有利に進められるでしょう。
しかし婚姻無効化の裁判は長期化するケースが多く、神殿側も簡単には申請を受け付けてくれません。
さらにこの時、ピルヌ伯爵が執務室に駆け込んできて「西大帝国から抗議されました!」と報告します。
ラスタが以前『ナビエは不妊のせいで離婚した』という手紙をリバティ公爵に送ったので、その件について公式的に抗議されたのです(184話参照)
ストーリー補足|ズメンシア公爵家の現状
バラバラになった公爵家
貴婦人たちの噂によると、ズメンシア公爵家は現在、仲違いしているそう。
ハインリが彼らを冷遇するので、ついにズメンシア公爵が怒って「クリスタの遺体を灰にして皇帝に献上する」と言い出し、老公爵と喧嘩になったそう。さらに老公爵は、息子と孫たちを屋敷から追い出したのだとか。
再婚承認を要求します・今回のネタバレと感想
ネタバレ感想|ラント男爵、お人好しが災いする
ラント男爵は189話の最後で、ラスタを逃がそうとしています。これがバレたら厳罰待ったなしですが、彼はすでにソビエシュから役立たずだと思われているため出世は絶望的。その事もあり、ラスタの逃亡を手助けしようと思ったようです。
何と言うか、ラント男爵はお人好しですね。
良い人だけど、甘ちゃんすぎる。ラスタが側室の頃から見守ってきたから情が沸くんだろうけど、それでも甘すぎます。
ただでさえ監督不行き届きを指摘されているのに、なぜ挽回しようとせずラスタを逃がそうとするのか。いや可哀想だから逃がしたのは分かってますけど、それはやっちゃダメなんですよ。公務員に向いてない。
優しい人だからラスタの世話役に選ばれたのでしょうけど、最近はその優しさが仇になっていますね。
そして優しい人ほど、優柔不断で煮え切らないケースが多いのも事実。大事な時にすぐ判断できず、即座に動くこともできません。恐らくラント男爵もこのタイプです。この優柔不断さが後々どう影響するのか、その点にも注目したいところ。
ネタバレ感想②たくましいシャレット姫
解説ではカットしましたが、189話の後半ではシャレット姫とコシャールの会話(?)が描かれていました。
コシャールは彼女との縁談について結構前向きです。家族のためになるし、結婚するのはアリの寄りのアリという感じ。しかし同時に、シャレット姫は自分が結婚相手で大丈夫なのか?と心配しています。自分が問題児だという自覚があるのでしょうね。
しかしこの懸念に対し、シャレット姫は「あなたはイケメンだから大丈夫」とド直球な回答をしています。彼女によれば、結婚相手候補の中から一番のイケメンを選んだのだそう。
下手に本心を隠さず、相手を不快にさせないこの回答。賢くたくましい姫君ですね!
余談|マンガ版のラスタが…!
この記事を書いている時、ちょうど漫画版『再婚承認を要求します』ではラスタと実父の再会シーンが描かれています(ちょうど161~162話あたり)
管理人もマンガ版を毎週楽しみにしているのですが、やはり絵と小説では全く印象が違いますね。
小説版だとラスタ怒ってるな……くらいの感想だったのですが、漫画版ではゲス顔と虚無顔がプラスされています。それに伴い、実父への嫌悪感が3割増しくらい追加されている印象。とにかく顔芸がすごい。
更新ありがとうございます。
ラント男爵は最初から人選ミスではと思ってましたが、ナビエでいうクリスタがいた頃の西大帝国みたいに最高の人員は全部ナビエ側でしたよね。
ナビエはそこからクリスタ側勢力に冷遇されている西大帝国の人員を自ら勧誘し、味方につけていき信頼関係をつくりました。
ラント男爵も優しいがあまり有能じゃない印象ですが、側室かつ奴隷のラスタに味方してくれそうな貴族はラント男爵くらいだったのかなと。
私がソビエシュならラント男爵の弱さを補ってくれる有能な補佐や侍女をつけたのですが、ソビエシュは色々と甘すぎましたね。
侍女として勤めるデリスの舌切断を止められなかったあたりから、ラスタの暴走はより暴力的で陰惨になっていきましたし。
ナビエを不妊と中傷する手紙だって、ラスタが手渡ししたのでなければ検閲して出さず、ソビエシュに流すことだってできたはず。
何をやらかすか分からないくらい問題児なのはニアンの件で恨まれ襲撃された時にも十分すぎるほど、ラスタが周りに喧嘩を売るとんでもない一面があったのはわかったはずですから。
まぁラント男爵もおしまいでしょうね…。
コメントありがとうございます!
確かにあの状況でラスタに味方してくれる人は限られていたでしょうね。適材適所って難しい・・・
更新ありがとうございます。
ラント男爵は優しさと甘さを履き違えている気がします。
彼の人柄は平時であれば「優しい人」に区別されるのでしょうが、重要な仕事を任される立場の人間としては無責任で周囲に迷惑がかかる印象です。
男爵がラスタの逃亡を手助けした場合、咎められるのは彼だけではありません。
確か彼も既婚者だった筈です。
自分の行動が罪のない家族にどんな影響を与えるのか考えたのでしょうか?
ラント男爵が自らの出世の道を閉ざされる事は彼一人の問題ですが、罪人の手助けをすれば家族や親戚、交流の深い他の貴族からすれば、男爵一人の行動で自分達まで周囲から白い目を向けられ、将来も閉ざされるとばっちりを受ける事になりかねません。
そう考えればラント男爵のしようとしている事は自分の周囲への配慮がない浅はかで無責任な行動に映ってしまいます。
優しさも使い道を間違えれば本当の意味での「優しさ」とは呼べないのではないのではと言うのが私の持論です。
ズメンシア家はどっちも何だかなぁ…って感じです。
家紋と家族のために娘を切り捨てたくせに、自分に同調しない家族を無一文で追い出す老公爵も極端で感情的だし、そこまで亡きクリスタの為にハインリにも家族にもキレ散らかすなら、何故クリスタを見捨てたのかと疑問ですし。
クリスタのおかげで甘い蜜を啜っていた兄家族も「遺体を灰にして~」とか極端な上に、ハインリからすれば灰にしたから何なんだよ。って感じでしょうし。
老公爵も初めから皇帝夫妻に無礼を働かず大人しくしていれば、そもそもハインリに目を付けられる事も無かった筈だし、いつまでも居座るクリスタに先王が亡くなった時点で決まりに従ってコンプシャに下がるよう諭すべきだった。
老公爵自身も権力に執着して皇帝を軽んじた事が根本的な原因だと思います。
自分達への制裁の手を緩めて欲しいなら、まずはハインリに謝罪して二度と盾突かないと忠誠を誓うでもしないと現状を変える事は出来ないでしょう。
厳しい話ですが、一国を収めるトップが下に嘗められたら示しがつかないし、チャンスを与えても分からないような調子に乗っている勢力には自分に逆らうとどうなるかという事を見せつけなければ、この先国を運営していく事が出来なくなるでしょうから、冷酷だけど統治者としてのハインリは間違っていないと個人的には思います。
ソビエシュと違って話も聞かずに一方的とかじゃなくて、最初に猶予と機会を与えていましたからねハインリは。
それを蹴って自分の欲望を優先した結果、クリスタや老公爵はそういう扱いを受ける羽目になったのだと。
東大帝国はもうメチャクチャですよね。
ラスタに騙されたと主張して結婚を無効にしてエルギ公爵の要望を撥ねつけようって…。
統治者としてはある意味正解なんでしょうけど、人としては最低過ぎます…。
奴隷と知っていて側室にして寵愛して皇后にまで押し上げておいて、臭い物に蓋をして一度は夢中になった女性に全てを擦り付けようだなんて…。
ロテシュやイスクア子爵夫妻はやってない分の罪まで認めて腹を括ったのに、全ての元凶であるソビエシュが責任から逃れるだなんて…。
進言したカルル侯爵もソビエシュよりも遥かに理性的で公平な人ではありますが、彼もまたどこまでも「国のため」という人なんだと思い知らされます。
だからこそ皇帝の側近という重役を担える人材として重宝されているのでしょうね。
仮にラスタとの結婚を無効に出来たところで、ソビエシュが皇帝の器ではないという周囲の認識は変わらないでしょう。
だってそれなら側室にする前に身辺調査をしていれば初めから騙される事も無かった事です。
周りからすれば当たり前の注意すら怠って、たった一人の女に溺れて皇室も国もメチャクチャにされた事実に変わりありません。
行き当たりばったりの短絡的なその場しのぎで全てを後回しにしてきた結果、最終的に手詰まりになってどうしようもなくなってしまったのは自業自得としか言いようがないと思います。
コメントありがとうございます!
何と言うか、家族がいるのに無責任な行動を取っちゃうのはダメですよね。