『接近不可レディー』のマンガ版31話~32話のネタバレ感想です。
前回カリキア家を訪問したヒリスは、ビオレッタやマゴと再会して穏やかな時間を過ごしました。しかし自宅に戻ると、ある事件が発生します。
一体何が起こったのでしょうか?ストーリーの続きを読んでみましょう。
目次
31話|イノアデンの家宝である『聖杯』が姿を消す
聖杯消失事件

ヒリスが屋敷に戻ると、使用人たちがなぜか怯えています。理由を尋ねると、執事が鬼気迫った顔で「イノアデンの祝宴に使う『聖杯』が消えました!」と答えました。
- 遥か昔、イノアデン家が王より直々に賜ったもの。
- 新当主就任の祝宴にて使われる盃である。
- イノアデンではこの聖杯を家宝として、金庫で大切に保管している。
厳重に保管されていた聖杯が消えたとなると、イノアデン家にとっては非常事態。
しかし正直なところ、ヒリスは聖杯がどうなろうと構いません。
それでも一応執事に話を聞いたところ、金庫を開けられるのはヒリス・ディエゴ・リカルドの3人のみだそう。誰の仕業かは明らかなので、ヒリスは犯人の元へと向かいました。


犯人はディエゴ
ヒリスはノックもせずに、ディエゴの自室の扉をバンッ!と勢いよく開けます。
するとベッドで休んでいたディエゴは激怒しますが、ヒリスは彼に目もくれず本棚に置かれた『小物入れ』を傾けるとーーー
本棚がゴゴゴ…と左右に動き出し、隠し部屋が現れました。
ヒリスは前世でこの隠し部屋に監禁されたことがあるので、ディエゴが聖杯を隠すならここしかないだろうと推理したのです。
「な…なぜこの部屋の存在を…!この部屋のことは一言も…」
動揺するディエゴ。
しかしヒリスはその質問に答えることなく、隠し部屋に置かれた金色の小箱を開けます。
すると小箱の中には案の定、聖杯が入っていました。
「やはりここに隠していたのですね。お父様ったらこんな幼稚なマネをして…まさか盃ひとつ無くなっただけで祝宴が取り消しになるとでも…?」
するとディエゴはわなわなと拳を震わせて、当主の座はお前のものではない!と怒鳴りますがーーー
「いいえ。イノアデンのすべては私のものです」
ヒリスは全く相手にせず、聖杯だけ持ってさっさと部屋を出て行きました。
ヒリスと聖杯
ヒリスは廊下を歩きながら、聖杯をじっと観察します。かすかに異能の流れを感じるので、王から直々に賜っただけあり本当に異能が宿っているのかもしれません。
そこでヒリスは試しに、聖杯に自分の異能を流し込んでみますがーーー残念ながら、何の反応もありません。
(単に大昔の痕跡が残っているだけなのかしら)
ヒリスがそんな事を考えていると、そこにノートン・ペラノ(以前ヒリスが代理人に指名した貴族男性)とその息子・エンリケが現れます。
彼らは定例会の報告をするため、ヒリスに会いに来たそうです。
そしてノートンは、今後もし自分が報告に来れないときは息子を代理にすると言います。するとその時、エンリケは何かに気付いて頬を赤らめながら質問しました。
「あの、ヒリス様…失礼ですが、ここで聖なる力をお使いに…?」
32話|ヒリスが異能を使うと『香り』が漂う?
ヒリスの残り香

エンリケによれば、ヒリスが異能を使うと『香り』がするそう。
特に今のように締め切った部屋の中だと、その香りが強すぎるのです。なおエンリケたちの様子を見たところ、単に香りに酔って気分が悪くなるという問題ではなさそうです。


そして報告を聞き終わり、ペラノ親子が帰った後。
侍女のメイが「これはどうしましょうか?」とネクタイを持ってきました。以前ヒリスが怪我をした時、アクシオンが傷口に巻いてくれたネクタイです。
メイは頬を赤らめて、新品を買ってお返しした方がいいのではと助言しますがーーーヒリスはそんな関係じゃないから…とメイの提案を断り、ひとまずネクタイを箱に入れておくよう命令しました。
テルゾ視点
その日カリキア家では、テルゾのもとに従弟のビンセントが会いに来ます。
なおモンタナ家の跡継ぎであるコーデリアも一緒なので、テルゾは彼女にも話しかけますがーーー2人がギクシャクした様子なので、ビンセントは苦笑しました。
というのもコーデリアはビオレッタの幼馴染なので、ビオレッタが嫌うテルゾとは距離を置いているのです。
・・・
ビンセントたちと別れた後、テルゾは1人で庭を歩きながら今後のことを考えました。というのもヒリスが訪問して以来、長老たちの小言が増えたのです。
(彼女とマゴをくっつけるのが一番だが、マゴはまだ幼いから代わりに僕と結婚させるつもりなんだろう。つい最近までビオレッタと結婚しろとうるさかったのに)
そんな事を考えながら、テルゾは『とある部屋』に入って本棚にある一冊の本を手に取ります。するとその本には手紙が挟まっており、彼はそれを読み終えるとすぐに暖炉で燃やしました。
(思ったより早く連絡が来たな。マゴの登場は予想外だったが、オークションにかけられたカリキアの血は僕の手の中にある。そろそろ動き出す頃合いだ)
そして暖炉で燃える手紙を見ながら、テルゾは不気味に笑いました。
『接近不可レディー』今回のおさらいとネタバレ感想
31話のネタバレ感想①ディエゴ幼稚すぎる件

ヒリスが屋敷に帰還すると、イノアデンの家宝である聖杯が消失していました。
しかしヒリスはすぐにディエゴが犯人だと気付き、さらに聖杯の隠し場所とディエゴの動機まで言い当てます。何度もループしているので、父親のやる事なんて全てお見通しなのでしょう。
しかもディエゴの動機はとても幼稚です。聖杯がなければヒリスは当主になれないだろう!と考えて、勝手に家宝を持ち出して隠しました。
このシーンを見た時、管理人は子供かよ…と呆れたのですが、よく考えたら昔の日本人も似たような事をしてますね。
ディエゴの考え方はあれですが、典型的な貴族でありステレオタイプの権力者なのでしょう。いつの時代もこういう事をする人っていますから。
32話のネタバレ感想②怪しすぎるテルゾ
テルゾは裏でいろいろと画策しています。
何者かとこっそり連絡を取り合い、さらにビオレッタとコーデリアのことも利用しようと考えている様です。表面上はニコニコしている彼ですが、何だかろくでもない事ばかり考えていますね。
ただし個人的には、彼もまた長老たちによって政治の駒にされているので大変な立場なのかな…という印象です。
ロゼニアと結婚させられたり彼女の死後はビオレッタと結婚しろと言われたり、ヒリスが登場したら今度はヒリスと結婚しろと、長老たちにあれこれ言われている訳ですから。
こんな状況に置かれたら、普通に性格が歪みますよ。やってることは最悪ですが同情はします。