本記事ではタイトルの通り、ゲーム『ウーユリーフの処方箋』の特別ストーリーについて考察を書きました。
特別ストーリーに関しては賛否両論ありますが、個人的にはキリオも友喜も救済される良いエンディングだと思っています。そして何より設定が秀逸なので、今更ながら考察記事を書きました。
なお本記事の1~2章は特別ストーリーの販促です。ネタバレ感想は3章からなので、すでに特別ストーリーを読んだ人は3章からお読みください。
目次
1分でわかる特別ストーリーの概要
特別ストーリーでは本編の裏側が描かれる
まず初めに、本編のおさらいと特別ストーリーの概要をサラッと説明しておきます。
ゲーム廃人と化した円果を助けるために作られたのがヒールユー・プロジェクト。そしてプロジェクトの参加者である和歌や更紗たちは、円果を現実世界に呼び戻すためにゲームキャラクターとして手助けしていました。
本編では描かれていませんが、ヒールユー・プロジェクトの仕掛け人たちは皆、裏でマツリのために奔走しています。
その様子は特別ストーリーに描かれているので、ぜひプレイヤーの皆様は読んでみてください。皆ものすごく頑張っています。
ただし特別ストーリーの舞台となるのは、あくまで現実世界。
1~6章で冒険した『ウーユリーフの処方箋』の世界は描かれていませんし、マツリやキリオもほとんど登場しません。これから特別ストーリーを読む人はその点のみご注意ください。
なおゲーム本編については下記事に考察をまとめたので、良かったらご覧ください。
特ストは購入すべき?賛否両論あるので注意点を解説します
7章が蛇足だと思った人には不要
結論から言えば、7章が蛇足だと思った人は特別ストーリーを読まなくてもいいと思います。
最初にお話した通り、特別ストーリーで描かれるのは現実世界の話。言わばゲームの裏側的な部分です。マツリたちはほぼ登場しません。マツリたちの冒険を期待している人は恐らくガッカリします。
しかし『ウーユリーフの処方箋』という作品をきちんと理解し、主人公があのゲームに対してどう向きあうのか見届けるには読む必要があります。
むしろ『ウーユリーフの処方箋』という作品は、特別ストーリーがあってはじめて完成します。特別ストーリーを呼んでこそ、キリオも友喜も救済されますから。
特別ストーリーはとにかくラストが秀逸。私達プレイヤーも巻き込み、最終的に全てがキレイに繋がって1つの世界になります。
ああ、この作品はこういう着地の仕方をしたんだ。良いラストだった。この展開は好きだな。そう思える内容だったので、個人的にはぜひ特別ストーリーを読んでほしいと思っています。
限定コンテンツも一緒に読むべき!
欲を言えば、特別ストーリーだけでなく公式サイトの『特別ストーリー購入者限定コンテンツ』もぜひ読んで頂きたい。
限定コンテンツ、良いですよ。
円果の成長っぷりに喜び、友喜の〇〇を読んで安心し、乃万に対してはシンプルにすごいなこの人…と驚かされ、最後に和歌の〇〇を読んで笑いました。
限定コンテンツを読んでいると、プレイ中の思い出がいろいろ湧き上がってきて感慨深い気持ちになれます。
ひとまず特別ストーリーの販促はここまで。以下、管理人によるネタバレ満載の考察を書いていきます。
ネタバレ感想|キリオへの救済措置に感動した
キリオの願いは叶っている
特別ストーリーについては賛否両論あるようですが、管理人は購入して良かったと思っています。というのも私、キリオが好きなんですよ。
特別ストーリーでは現実世界での出来事しか描かれていませんし、キリオは直接出てきません。
しかし特別ストーリーと公式サイトの限定コンテンツを読んだところ、この展開なら結果的にキリオは救済されたことになるな…と思いました。
というのもキリオは本編にて、1人だけ取り残されることを恐れていました。バッドエンドだろうと、他のみんなが一緒ならキリオは幸せそうに笑うのです。
それこそアナザーエンドの『ユートピアディストピア』とか『二度目ね』はその傾向が顕著。
しかし『ウーユリーフの処方箋』でマツリが正規ルートを選択すると、キリオはどうしたって置いて行かれます。1人ぼっちになる運命。
けれど特別ストーリーの後、キリオはその運命から解放されたと考えられます。
なぜならあの後『ウーユリーフの処方箋』は劇場版が公開されたりアプリ配信されたりと、多方面に進出したから。
円果を救うためだけに作られたキャラクターであるキリオが、最終的にはゲームの枠を飛び出して別の世界へと進出するのです。
だからキリオはもう1人ボッチじゃないし、本編で彼が言っていた「ウーユリーフタウンを出て別の世界に行きたい」という願いも叶っています。
別世界に行ったからこそ、キリオは最終的にゲームのタイトル画面から消えたのでしょう。6章クリア後のタイトル画面で、キリオは取り残されて泣いていました。でも7章クリア後には姿を消しています。
タイトル画面から彼がいなくなったのは、つまりそういう事でしょう。
皆でハッピーエンドを迎えて欲しかったので、キリオが救済されたことは個人的に大きいです。
ラストの考察|友喜はしがらみから解放され、俳優業に復帰する
本来の足を失い、新しい足を得る
そして次に、緒力友喜。
特別ストーリーと限定コンテンツを合わせて読むと、友喜が役者として復帰したことがわかります。
友喜は『鉄屑の国のアリス』で白うさぎの役を演じて以来、鳴かず飛ばずでした。周囲からもオワコンと言われていて、前々から役者の仕事もない状況。
しかし特別ストーリーで、友喜は新しい『足』を手に入れます。
乃万と圭からもらった、あの透明な義足。あのシーンは恐らく、友喜が足を得たことで新たな第一歩を踏み出すという意味がこめられていたのでしょう。
そして友喜は今までの「かわいい白兎」のイメージから脱却し、新しい個性と役柄を手に入れます。
簡単に言えば、役者として演技の幅が広がったのです。
プロデューサーの三筒も、義足を見たとき「それは君の個性だよ」と言っていましたから。このシーンで友喜は生まれ変わり、新・友喜が誕生しました。
オワコンだった彼が役者として復活した。その事実だけで管理人は満足です。
友喜に仕事がこなくなった理由
そもそも友喜は、実力がないから仕事がなくなったワケではなく、過去の成功やファンの期待に縛られて前に進めなくなった人です。
ファンからの期待に応えて「かわいい白兎」でいようとした結果、それに囚われすぎて他の役をうまく演じられず、その結果どんどん仕事が減っていたのだと解釈しています。
ちなみに特別ストーリーの最後あたりで友喜は、ファンから可愛くないと言われたらどうしよう…的なセリフを言っていましたが、管理人はこれが衝撃的でした。
29歳で178㎝のガタイのいい男が、かわいさを求められてそれに答えようとする。
明らかにファンが無茶を言っているのに、友喜はその身勝手な意見に真剣に向き合った。だからこそ白兎の役に囚われた。
そう考えると、友喜って確かにかわいい人だよな…と不謹慎なことを考えてしまいます。真面目だし面倒見も良いしカッコいい。でも可愛い。
緒力友喜という人間の魅力について
特別ストーリーを読むと、友喜の魅力がわかります。
正直な話、ゲーム本編だけだと友喜の魅力はイマイチわかりにくい。管理人も最初は友喜のことを、自暴自棄になって円果に迷惑をかけた人…くらいにしか思っていませんでした。
でも、そうじゃなかった。
円果がファンになった『緒力友喜』という人は、そんな薄っぺらい人間じゃありません。あの人、本当に真摯でかっこいい人なんですよ。
だからこそ円果は友喜に憧れたし、マツリも友喜のことを好感が持てる人だと評価しました。友喜はそういう男性なのです。
本編中で『友喜には根強いファンがいる~』みたいな話が出ていましたが、それも納得できます。友喜はいい男ですよ。軽率に推せる。