『接近不可レディー』マンガ33話~34話のネタバレと感想です。
テルゾは不穏な動きをし、ビオレッタたちを利用しようと目論んでいます。イノアデン家だけでなく、カリキア家も複雑な状況に置かれていることが分かりますね。
ビオレッタとコーデリアが心配ですが、この先どうなるのでしょうか?
目次
33話|リカルドは『バラの貴公子』の二つ名すら失う
ビオレッタとコーデリアの会話

久しぶりに再会したビオレッタとコーデリアは、2人きりで会話を楽しみます。
しかしコーデリアが「先程テルゾから、最近あなたが寂しがってるって聞いたの」と言い出した途端、ビオレッタは眉間にしわを寄せました。
「あの人…一体何様のつもりなのかしら。腹が立つったらないわ」
テルゾの話題が出ただけで不機嫌になるビオレッタ。
しかしコーデリアが苦笑しながら宥めると、ビオレッタはつられたように微笑みました。


なおこの時、ヒリスの事も話題に上がります。
ビオレッタが「実はヒリスさんとお友達になりたいの」と嬉しそうに告げると、コーデリアは嫉妬しちゃう!と茶化しながらもヒリスに興味を示します。気難しい親友の心をつかんだ人がどんな女性なのか気になったのです。
リカルド視点|失われた友情
リカルドは憂鬱な気持ちで、親友であるオズモンド・マリベルの屋敷を訪ねます。
かなり前から友人たちと集まる約束をしていたので仕方がなく来たものの、本心ではすっぽかした方がよかったかもしれない…と思っていたのです。
⇒イノアデン家の傘下でマリベル家門に所属する青年。
執事に案内されてオズモンドたちのいる部屋に到着すると、中からは楽しげな声が聞こえます。しかしリカルドが入室した途端、ピタリと会話が止んで室内は静まり返りました。
(…妙な雰囲気だ。やはり来なければ良かったかな)
友人たちは皆、気まずそうにしています。
そんな中、オズモンドだけが笑顔でリカルドを迎えて中央の席へと座らせますがーーーなぜか昼間なのに、彼はリカルドに酒を勧めます。
もちろんリカルドは酒を遠慮しますが、オズモンドは「でも今日はお茶よりもこっちの方がいいと思うけど」と意味ありげなことを言うのです。
さらに他の友人たちも、冷や汗をたらして言いました。
「…そういえば、リカルドのことをこのまま『バラの貴公子』と呼び続けてもいいものか…その呼び名はイノアデンの継承者だと思って付けたものだから、このままではお互い困るのでは?」
その言葉に目を見開くリカルド。さらに友人たちは、ヒリスを紹介してほしいと言うではありませんか。
リカルドは笑顔で取り繕うも、内心では確実に何かがおかしくなっている事に気付いていました。
34話|ある建物の地下で、証拠隠滅が行われる
アメリエ家から招待状が届く

当主になって以来、ヒリスの元には招待状や求婚状ばかり届きます。
ヒリスはそのほとんどを無視するも、中から1通の手紙―――ヘリオナとオズモンドの婚約1周年記念パーティーの招待状を探し出して、侍女・メイに参加の返事をするよう頼みました。
(…今世でもきっとここで『あの事件』が起こるはず)
ヒリスはそう考えて出席することにしたのです。


とある地下での出来事
「気持ち悪い…これだけ油を撒いたんだから、跡形もなく燃えてなくなるよな?」
とある建物の地下で、男2人が火事を起こそうとしています。
そして彼らの前にいるのは、檻に入れられた奇形の怪物。この怪物たちを始末して証拠を隠滅するため、男2人は放火の準備をしますがーーー
その時。
地下に1人の女性が現れ、バラの棘を出現させて男たちの心臓を貫きます。
そして彼女――もといヒリスは、怪物たちを見ながら言いました。
「あなたたちには申し訳ないけど…このままにしておくわけにはいかないのよ。せめて楽に逝かせてあげる」
先ほどの男達と同じく、ヒリスは異能を使って怪物全員にトドメを刺しました。
怪物の正体
先ほどの怪物は、獣にカリキアの血を移植することで作られた奇形魔物。
普通の魔物のより強く狂暴なので中途半端な攻撃は通用しませんが、魔物たちにもひとつ弱点があります。
その弱点とは、体内で作られた『核』を壊すこと。
ヒリスは核を的確に攻撃することで魔物たちにトドメを刺したのです。
(過去の人生と同じく、カリキアとベルゼットがじきにここを見つけるわ。奇形魔物の存在はまもなく世間に広まる。その理由が明らかになれば、4大家門は大混乱に陥るはず)
そして地下に火を放つと、無言でその場を去って行きました。
アクシオン視点
全焼した建物の残骸を見ながら、アクシオンは悩みました。
オークションで売却された『カリキアの血』と関係がありそうな場所を調査しに来たのに、その建物はすでに燃えた後だったのです。
(よりによってこんな時に火事とは…これは本当に偶然なのか?)
アクシオンは部下と手分けをして建物の中を漁ります。そして地下に続く階段を下りていくと、魔獣の死体らしきものーーただし形が異常で数も多すぎるーーを発見します。
(オークションには希少種もいると聞いていたが何かおかしい。思ったより面倒なことになりそうだな)
またこの時、彼はあることに気付きます。
部屋の中には正体不明の赤い破片が落ちていて、ほのかにヒリスの香りがするのです。
これは偶然なのか、それとも本当にヒリスがここに来ていたのか。今のアクシオンには何一つわかりません。
けれどもし本当にヒリスが関わっているのなら、もう少し詳しく探ってみなければ…と思うのでした。
『接近不可レディー』今回のおさらいとネタバレ感想
33~34話のネタバレ感想

33話の後半で、リカルドの友人たちが登場します。その中でも特に仲が良いのは、イノアデンの参加であるオズモンド。
しかしヒリスが当主となった今、彼らはリカルドに対して他所他所しい態度を取ります。それどころか遠回しに、ヒリスが当主なのだからリカルドはもう『バラの貴公子』ではないと指摘していました。
かなり酷い言葉ですが、確かにそうですよね。異能を継承できなかったリカルドに『バラの貴公子』を名乗る権利はありませんから。
そして友人たちは、親しくする相手をリカルドからヒリスに変更する予定なのでしょう。
多分この中で一番身分が高いのは、四大家門であるリカルド。そして他の友人たちは、恐らくその傘下の貴族のはず。となると時期当主と親しくする方がメリットが大きい。
簡単に言えば、今までリカルドと仲良くしていたのは彼が時期当主だと思っていたから。もしヒリスが当主になると知っていれば、彼らは最初からヒリスに媚びを売っていたでしょう。
つまり友情よりコネですね。