『再婚承認を要求します』原作小説188話のネタバレと感想です。最初に言っておくと、今回のストーリーはかなり鬱展開です。
前回のラストでイスクア子爵夫妻は、長年探しつづけた娘=エベリーだったと知らされます。危害を加えようとした子が、最愛の娘だった。なんとも残酷な運命ですね。
そして今回、さらなる不幸が夫妻を襲います。心してお読みください。
188話の概要|イスクア子爵夫妻はエベリーが実娘だと知る
牢獄にエベリーが現れる
エベリーが自分たちの娘だと聞かされた後、牢獄にいるイスクア子爵夫妻は魂が抜けたような状態でした。今思えば、確かにエベリーはどこか自分たちに似ていると思ったのです。
そして夫妻は、釈放されたらエベリーとの関係を修復しようと考えますがーーー
その時、エベリー本人が牢獄へとやって来ます。今までの仕返しとして、夫妻に直接悪口を言いに来たのです。
夫人は謝罪しようとするも、エベリーはそれを拒否して「ラスタがあなた方に似て性悪だから、きっと2番目の娘もそうなのでしょうね」と罵詈雑言を吐きました。
エベリー「親を見れば子が分かると言いましたよね。あなたたちとラスタを見ると、本当にその言葉のとおりだと思います。離れて暮らしていたにもかかわらず、ラスタがあなたたちのように悪人であるのを見るに、おそらくもう一人の娘もあなたたちのようなクズなんでしょうね」
引用元:再婚承認を要求します188話
実娘に拒絶され、夫妻は号泣する
エベリーが去った後、イスクア子爵夫妻は号泣します。しかし、しばらく泣くと夫人は決心しました。
エベリーには、自分たちが親であることを隠す。自分たちのような人間が親だと知れば、きっと苦しむだろうから。
それがイスクア子爵夫妻の出した結論であり、またこの時ラスタを始末しなければと考えました。
恋に悩むマスタス
マスタスは最近元気がなく、他の侍女たちが慰めても回復しません。そのためナビエは『マスタスは本気で兄のことを好きなのでは…』と考えて、夕食中にハインリに相談しますがーーー
浮名を流していたくせに、彼は恋愛については専門外だと答えるので、つい「この猫かぶりが」と口を滑らせるのでした。
再婚承認を要求します・今回のネタバレと感想
ネタバレ感想|こんなのってないよ
188話は頭を抱えたくなる内容でしたね。管理人、エベリーが暴言を吐くたびに心臓からギリギリ音がしそうな心境でした。もう運命が残酷すぎる。
イスクア子爵夫妻、長年探しつづけた実娘をようやく見つけのにゴミ呼ばわりされて・・・いやこの件については夫妻が悪いんですけどね。でも展開が悲しすぎます。
しかしそれ以上に、夫妻の立場だと「あなたたちの2番目の娘もゴミ」という言葉が心に刺さったはず。エベリー本人に自覚がないとはいえ、大事な娘が自分のことを間接的に”ゴミ”と称したのですから。
本当に188話は悲しい…というかエグい展開でした。例えるなら、糸がねじれて絡まって最終的に解けなくなって、ハサミで乱暴に切ったあげく修復不可能になったというか。
エベリーについては本記事だけでは語りきれないので、別記事『エベリー・キャラクター解説』にも所感を載せています。お暇なときに読んで頂けると幸いです。
ここは本当に言葉にならない話ですよね…。
夫妻は確かに自業自得ではあります。
散々暴言を吐いたり嫌がらせをしておいて、実の娘と分かった途端に関係を修復したがる姿に都合が良すぎると思う人もいたと思います。
私もその部分は正直変わり身が早いなと感じましたし。
それに、どれだけ詫びたところでエベリーからすればイスクア子爵夫妻は自分に限らず親のいない孤児を見下してきた嫌味な部分を生涯忘れる事は無いでしょう。
孤児は蔑むのに実の娘なら話は違うと言うのか?となるでしょう。
放たれた言葉の矢は無かった事には出来ないのですから…。
大国の皇后の親という肩書に酔いしれて気が大きくなっていた面もあるのではないでしょうか。
没落した弱小貴族には本来縁が無かった筈の破格の待遇に浮かれて、調子に乗ってしまった…。
ナビエ様のトロビー家のように、国の中枢を担うほどの超名門なら、然るべき教育を受けていて権力への耐性があるでしょうが、ラスタ然り、いきなり降って湧いた絶大な恩恵に対して、その地位に対する義務よりもそれがもたらす栄光に目が眩んでしまう人間は少なくないと思います。
というか、寧ろ教育を受けていても難しいのではないでしょうか。
例としてはクリスタの実家のズメンシア家やその取り巻きだって、非常に権力欲が強く、先王が病弱だったからか、王室に対して随分態度が大きくて調子に乗っている様子が窺えましたし。
なんにせよ、今更真実を知ったところで取り返しのつかないほど夫妻はエベリーを攻撃してきました。
親を持たない孤児を蔑んでいたくせに、実の娘と分かった途端に我が子に対しては違うなんて矛盾した言い分は通用する筈がありません。
子爵夫妻がしたことは、実の親子とか関係無く絶対にやってはいけない事なので、弁明のしようはありません。
でも、あまりにも悲しすぎる結末ですよね…。
探し続けた我が子にあそこまで拒絶され「2番目も娘(エベリー)もゴミ」なんて言わせてしまうほど、自分達は取り返しのつかない事をしたのだと突きつけられ…
もう自分達に親を名乗る資格は無いのだと悟って、真実を墓まで持っていくと覚悟して身を引くのが、娘にしてやれる最後で唯一の愛情だったのでしょうね…。
悲しいですがエベリーへの影響を考えればそれが正解だと思いますし、自分達よりエベリーの気持ちを考えて潔く身を引いたのは立派だったと思うし、我が子への愛情は本物だったんだと胸が締め付けられる思いでした。
ラスタと関わってしまったばかりに…
そういえばナビエ様も東を去る前にルベティに「ラスタに関わらないで」と言っていましたね。
先見の明を持つナビエ様はラスタに関わる事の危険性を感じ取っていたのでしょう。
でも以前にも言いましたが皮肉にもラスタに出会わなければ、きっとエベリーを見つけられなかったでしょうし、本当にどうすれば良かったのでしょうね…。
自業自得でも、もっと他に方法は無かったのかと思ってしまいます…。
罪を犯したことに変わりはないけど、国そのものという大きな力には抗えず、皇帝の体裁を守る為に一番責任があるはずのソビエシュの分の罪まで背負って裁かれなければならないのはロテシュ子爵やイスクア子爵夫妻達が流石に不憫です。
より多くの命と利益を守る為に少数を切り捨てるという、残酷さがよりリアリティを帯びていて一層考えさせられます。
悲痛な運命を辿る事になってしまった夫妻ですが、せめて彼等が愛した娘達には幸せになって欲しいと思わずにはいられません。
コメントありがとうございます。
本当にどうすればよかったのでしょうね。