漫画『今世は当主になります』の73話のネタバレと感想です。
ペレスは雨の中、治療薬に必要な『ボムニアの花』を採ってロンバルディ邸まで届けに来てくれました。フィレンティアのために、第2皇子自ら駆け付けてくれたのです。
これで薬の材料はそろいましたが、ギャラハンは無事に助かるのでしょうか?続きを読んでみましょう。
ペレスのおかげで、トレンブルー病の治療薬が完成する
ボムニアの花を入手する
フィレンティアは屋敷の中にペレスを招き入れると、ずぶ濡れになった彼の体をタオルで拭いてあげます。すると心配する彼女に、ペレスは微笑みながら言いました。
「残りのボムニアの花が、雨のせいで散りそうだったから…この花があれば、ティアのお父さんが治るんだろ」
ペレスがさも当然のように言うので、彼女は嬉しさと呆れが混ざったような複雑な顔をするのでした。
治療薬が完成する
ペレスがボムニアの花を持って来てくれたおかげで、エスティラの治療薬が完成します。
その後ギャラハンに治療薬を飲ませますが、効果が現れるのは数時間後なので、その間フィレンティアはペレスと一緒に待つことにしました。
彼は雨のなか馬で走ってきたため風邪気味なので、面倒を見なければと思ったのです。
俺はお前の役に立てた?
パチパチと燃える暖炉の前で、フィレンティアとペレスは毛布を被りながら温まります。その最中、彼女はペレスに聞きました。
「花は…どうやって持ってきたの?そもそも何本もなかったはずなのに。あなたまさか、私の手紙を受け取ってからすぐにあの広いポイラック宮殿の庭園を全部調べたんじゃないの?」
ぽつぽつと喋る彼女は、涙を堪えているように見えます。
ペレスは帝国の第2皇子なのに、わざわざ素手で地面を掘って雨のなか馬を走らせて、フィレンティアのもとに駆け付けたのです。
けれど、もしその最中に事故でも起こったらどうする気だったのかと彼女は言及しますがーーーその時、ペレスは言いました。
「ティア…俺は、君の役に立てた?」
その言葉に、フィレンティアは顔をくしゃりと歪ませて「すごく」と答えます。するとペレスは、それで十分だと言って微笑みました。
ギャラハンに薬の効果が現れるまで、不安に駆られる
不安のなか眠りにつく
その後フィレンティアはペレスと一緒にベッドで横になりますが、その間もずっと不安に駆られていました。
もし治療薬の材料がボムニアの花でなく別のものなら、父の心臓が止まる前にそれを見つけ出せるのか。そんな意地悪な声が、心の片隅で響いていたのです。
ギャラハンの安否
侍女のラウリルに呼ばれて目を覚ますと、フィレンティアは飛び起きてギャラハンのいる部屋まで走ります。
そして焦りと不安の混じった顔で扉をあけると、ベッドの周りには大人たちが集まっていたので恐る恐る近づくとーーー
「ティア…!」
ベッドの上には笑顔のギャラハンがいました。おまけに彼は、動かなかったはずの右腕でフィレンティアを支えます。
彼によれば、エスティラが作った治療薬のおかげで飲んでから数時間も経たないうちに腕の感覚が戻り始めたそう。
「ティア、お父さんはもう大丈夫だと思う。本当に、大丈夫だよ」
その言葉に安心しきったのか、フィレンティアはぼろぼろと涙をこぼしながらギャラハンに抱き着きました。
『今世は当主になります』73話のネタバレと感想
73話のネタバレ感想①ギャラハン復活おめでとう!
73話にしてようやく、ギャラハンの病気が回復しました。
今回の出来事はフィレンティアにとって大きな節目になるでしょう。なにせ父を助けるのは、彼女が今世で叶えたかった願いの1つですから。
ここに来て、未来が大きく変わった印象です。
ちなみにエスティラがトレンブルー病を治療したことで、オマリー博士の立場も危うくなりそうですね。
現状、誰かがギャラハンの病気について情報を漏らしたのは明らか。そして状況的に、オマリー博士は責任を追及されるでしょう。ルーラックが彼を許すとは思えませんから。
73話のネタバレ感想②2人の関係性
そして今回、フィレンティアとペレスの関係も変わりましたね。今まではフィレンティアが世話を焼く一方でしたが、今回ペレスは自分の身を削って彼女に尽くしました。
ペレスの立場上、自分で花を探さなくても部下たちに探すよう命じて届けさせることも出来ます。雨の中馬を走らせるなんて危険なことをしなくても、どうにか出来たはずなんですよ。
それでもペレスが部下に頼らず自分でボムニアの花を探したのは、フィレンティアの役に立ちたいという一心から。
ペレスきっと、彼女のためなら何でもしてあげたいのでしょうね。
そしてこの出来事により、フィレンティアの心象も変わったはず。ペレスはただの子供から『信頼できる相手』に昇格したのかなと思います。
パートナーと呼ぶにはまだ拙い関係ですが、一歩それに近づいたイメージです。