ピッコマで連載中の『今世は当主になります』の47話~48話のネタバレ感想です。
前回フィレンティアは、第2皇子・ペレスとの再会を果たしました。しかし2人を引き合わせたルーラックは、私の孫娘から離れなさいと言ってペレスを遠ざけようとします。
この先、ペレスは無事に救出されるのでしょうか?ストーリーの続きを見てみましょう。
47話の概要|ペレスを劣悪な環境から救い出す
ペレスの第一印象

薄汚れた格好のペレスを見下ろしながら、ルーラックは淡々と告げました。
「貴様、先代に似ているな。髪の色も瞳の色も…何より、その傲慢不遜な眼差し。弱虫なヨバネスの奴とは似ても似つかない」
ルーラックの推測によれば、ペレスは先代皇帝に似ているせいで現皇帝から煙たがられたそう。おまけに彼は、ペレスを見て「今の姿はまるでドブネズミだ」とまで言う始末。
その結果、2人の間には険悪なムードが漂います。
フィレンティアはこの雰囲気を何とかすべく、足が痛いです!と言って話題を変えようとしますがーールーラックは優しく微笑み、先に屋敷で休んでいるよう告げるだけ。
祖父はどうしてもペレスと2人きりで話がしたいらしく、意志は固いようです。
そのため彼女は仕方がなく、先に1人で屋敷の中へと入りました。去り際には「上手くやってよ!」と、視線だけでペレスに圧をかけて。


一方でルーラックは、ペレスと2人きりになると再び冷たい顔に戻って言いました。
「お前をどうやって“処理”すべきか」と。
フィレンティアは会話を盗み聞きする
フィレンティアが屋敷の中に入ると、そこは酷い有様でした。真っ暗で家具も何もなく、天井には蜘蛛の巣がかかっています。
そして2人の会話が気になってドアの隙間から覗き見ると、何やら熱心に話している様子。ルーラックが声を出して笑っているので、先ほどよりは穏やかな雰囲気に見えますが…
その瞬間。
ペレスは自身へと延ばされたルーラックの手を、ぺしっと払いのけました。
(ちょっと何で!気に入ってもらわなきゃならないのに何やってるのよ!)
さらにペレスは、なぜか屋敷の方に歩いてきます。そしてドアの前まで来ると、フィレンティアの存在に気付いて言いました。
「君のおじいさんが俺を助けてくれるって。それと行く所があるから、2人で待ってろだって…」
ペレスが救出されると聞いて、パアッと顔を輝かせるフィレンティア。
ペレスの手を握り、よかったね!と満面の笑みを浮かべます。すると彼は眩しいものでも見るような目で、フィレンティアを見つめました。


ルーラックとペレスの会話

ルーラックは淡々とた様子で、ペレスの乳母が数日前に遺体で発見されたことを告げます。また同時に、ペレスが命を落としても悲しむ人がいなくなったと指摘しました。
その事実に、ペレスは拳をギュッと握りしめて黙り込みます。
するとルーラックが「私の一言で、お前は生きられる。れっきとした皇子としての待遇も得られるだろう」と言うので、ペレスはハッとしますが…
ルーラックは同時に「皇族としての品位がないお前を生かしておく理由は何なのか、自分で言ってみろ」とペレスに残酷な言葉を投げかけます。
するとペレスは殺気を飛ばして睨みつけたので、ルーラックは大笑いして「お前を助けてやろう」と告げました。
48話の概要|ルーラックは皇帝に進言する
ペレス視点
ペレスがルーラックの手を取れば、ただ生き延びるだけでなく母親の敵討ちもできるでしょう。
しかしペレスは、ルーラックの言葉に裏がある――つまり目的があって自分を助けるのだろうと気づいています。
そこで率直に「俺への望みは何?」と質問すれば、ルーラックは隠すことなく答えました。
「私は君を利用して、皇后に傷を付けたいんだ。だから幼い皇子よ…この瞬間から、君の首輪はロンバルディの手にあることを肝に銘じなさい」


ルーラックと皇帝の会話
その後ルーラックは宮廷に向かい、許可なく執務室に入って皇帝を待ちます。すると執務室にやって来た皇帝は、険しい顔をしました。


ルーラックは客席に座ったまま、ラビニ皇后がペレスに毒を飲ませ続けたことを皇帝に伝えます。
すると皇帝は、皇室の家庭内事情にまで干渉する気か!と反論しますが・・・次の瞬間、告げられた言葉に冷や汗をたらしました。
「貴族院が税金を納める時、アンゲナスが領地の収益を半分以上少なく申告したことは知っていますか?」
ルーラックによれば、皇后の家門であるアンゲナスは税金をごまかしたそう。
またその際、税金の内訳書に怪しさを感じた担当者が上層部に報告するも、黙殺されて閑職に追いやられたのだとか。
それを聞いた皇帝はさすがに焦ってすぐに調査をすると言い出しますが、ルーラックの話にはまだ続きがありました。
というのも先日、サーベス川の下流にある銅山の所有者が変わっていたのです。銅山を入札したのはバラポート家。アンゲナスの側近にあたる家門です。
そしてこの銅鉱山は単なる皇室資産でなく、実は軍用資産の鉄鉱が埋もれている場所でもあります。
言い換えれば、アンゲナスは鉄鉱を入手して“個人的な武力を所有したい”と考えているのです。


その事実を知った皇帝は、顔を青くします。
さらにルーラックは静かな顔で、アンゲナスがこれほど暴れ出したのは陛下の責任でしょうと皇帝を責めます。
その言葉に、皇帝はますます狼狽えました。
アンゲナスへの抑止力
ルーラックは皇帝に進言します。
「ロンバルディを牽制するためにアンゲナスを重用するのは悪くない手段でした。しかし、あまりにも多く与えすぎました。これからは首輪をつけないといけません」
幸いにも第2皇子・ペレスが生きているので、その存在自体が不遜な者たちへの抑止力になるでしょう。
すると図星を言い当てられた皇帝は目を逸らしながらも、突然態度を変えたら他の家臣たちが不安に思わないだろうか…と心配そうな顔をします。
その姿を見たルーラックは浅はかな男だと内心であざ笑いますが、もちろん口には出しません。そして自分の提案を通すため、微笑んで告げました。
「陛下は何もなさる必要はありません。私が喜んで悪役となりましょう」
『今世は当主になります』47~48話のネタバレ感想
47話の感想|ルーラックの間違い

フィレンティアには優しいルーラックですが、ペレスに対してはかなり辛辣ですね。2人きりで会話した時も「お前の死を悲しむ人はもういない」と残酷なことを言っていました。子供にとっては厳しい言葉だったでしょう。
けれどこの言葉は間違っています。ペレスが命を落とした場合、1人だけ悲しむ人が残っているんですよ。
はいそうです。フィレンティアです。
彼女はペレスに同情的ですし、かなり感情移入しています。もしペレスに何かあれば、確実に悲しむでしょう。
多分、ペレスもそれに気付いたのかなと思います。なにせ彼の救出が決まった時、フィレンティアは満面の笑みで喜んでいましたから。
だからあのシーンで、ペレスは無表情ながらも感極まったような目をしていたのかな…と思います。