小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝37 栄光(2)』の概要をまとめています。
14年の歳月が立ち、成長した子供たち。しかしモテは姿を隠しながらもどかしい日々を送っており、さらにベルディ子爵夫人は今もなお彼女を探し続けています。
また一波乱起こりそうですが、今後はどうなるのでしょうか?管理人の感想を添えつつ、ストーリーを簡単に紹介します。
モテ視点|夢を叶えるため、両親に悩みを打ち明ける
両親のもとを訪れる
貴婦人が追い出された後、モテは予定どおり両親(プチョン夫妻)のもとを訪ねます。
しかしテントの入り口を叩いて呼ぶや否や、なぜか母親が驚いた顔で飛び出してきました。 何か悪いことでもあったかのように。
モテは何かあったの?と質問するも、母親はぎこちなく笑ってごまかすだけ。けれど「外で騒いでいる貴婦人のせい?」と聞けば、母親は表情が暗くなりました。
その事にモテは舌打ちをするも、それはそれ。用事があると告げると、母親は緊張しながらモテをテントに招き入れ、さらに浴室にいた夫まで呼び出しました。
(いや、私が何を言うと思ってあんなに緊張するの?)
モテはおかしいと思いながらも、決意して表情を硬くします。すると両親も緊張しながらモテを見つめますが…
「僕も見習い騎士になりたいです」
どうしたことか、両親はその言葉に肩の力を抜きました。あ、そっち?という表情で。
だからモテは思ったより大した事じゃないのかな?と考えて、日頃の葛藤を伝えました。仮面も脱ぎたいし、ちゃんと昇進ルートに乗りたいのです。
願い叶わず
茂みの前で、モテは膝を抱えて泣いていました。結局のところモテの提案は両親に断られ、理由すら教えてもらえなかったのです。
するとそこにシシが現れ、大人びた様子で告げました。
「あなたの両親もひどいわ。毎日顔も実力も隠させて」
モテは理由があるのだろうと呟くも、彼女は理由があるなら言わないと!と腹を立てます。そして何気ない会話をする中、モテは先ほどの貴婦人についてシシに話しました。
というのもシシは銀髪で14歳。貴婦人の探している娘と、ちょうど条件が同じだったのです。
すると話を聞いたシシは、希望に目を輝かせます。
なぜなら彼女は、自分が捨て子であり貴族の娘だと知っていたのです。さらに彼女は剣術に興味がないので、里親に拾われたことをいつも不満を感じてました。
「本当のお母さんが、私を探しに来たのかも」
ついにここから脱出する方法ができたと、シシは喜びます。するとモテは少し心配になり、例の貴婦人は正気じゃないかもと指摘しますが…
それでもシシは、関係ないと言いました。貴婦人は娘が必要で、シシは盗賊じゃない親が必要。それなら自分が本物であれ偽物であれ関係ないと考えたのです。
14歳で銀髪の女の子。モテに気がある様子。それと上手く翻訳できなかったのですが、プチョン夫妻がモテの存在を隠すために連れて来た子のようです。
シシ視点|例の貴婦人に会いに行くが…
シシの心情
シシは貴婦人の話を聞いて以来、毎晩、村の入口付近にしゃがんで貴婦人が来るのを待ち続けました。
実の母親なら、弟が出来ても自分に無関心にならないだろう…と考えながら。
例の貴婦人がやって来る
そして数日後の深夜。
村に1台の馬車がやって来ます。シシは茂みの間からその様子を覗いていると、馬車から顔色の悪い貴婦人が出て来て、警備兵に哀願しました。
一度だけ見逃して下さい。私の娘がここにいるかもしれません。
しかし警備兵は冷淡に断ります。そのいざこざを見た後、シシは先回りをして馬車の帰り道で待ち伏せしますが…
向かってきた馬車は、シシを通り過ぎてしまったのでショックを受けます。走って馬車を追いかけるも途中で転んだため、彼女は耐えきれずに涙を流しました。
するとその瞬間。
馬車が止まり、先ほどの貴婦人が降りて来て「大丈夫?」とシシに優しく尋ねます。
そこでシシは、このチャンスを逃すまいと貴婦人の元に駆け寄って言いました。
「お母さん!私を探しに来たんでしょう?」
ナビエ視点|東大帝国の後継者問題について
ハインリ?に声をかけるが…
たくさんの植物が植えられた温室。その中で羽ばたく金色の鳥に、ナビエは「ハインリ」と声をかけますが…
その時、背後からブツブツと声が聞こえます。振り返るとしょんぼりしたハインリが立っていたので、ナビエは申し訳なくなりました。
子供を甘やかさないで!
子供たちを甘やかしすぎないよう、ナビエは苦言を呈します。するとハインリはナビエの顔色をうかがった後、笑って彼女の腰を抱き寄せました。
「ラリはあなたと顔が似ていて、カイは話し方があなたのようで、怒りにくいのです」
彼はそう告げるも、ラリが天井に上がったことを聞くと意気消沈しますが…それでも、ちゃんと叱るとは言いません。いつも彼はこうなのです。
東大帝国の後継者問題
そしてナビエは、ソビエシュから親書が来たことを告げます。
手紙を渡すとハインリは眉を吊り上げるも、後継者問題のためだと言えば慎重な表情で封筒を開けます。
そして彼は手紙を読み終えると、来るべきものが来ましたね…とため息をつきました。
ナビエは子供たちに意見を聞くため、2人の子供を夕食に誘います。そして食事中、ラリとカイに率直に質問しました。
ソビエシュ皇帝が2人のうちどちらかを後継者にしたがっているけど、あなたたちはどう思う?と。
『再婚承認を要求します』外伝37のネタバレ感想
感想①モテにまつわる考察
モテは顔を隠して、実力さえも認められない生活を送っています。さぞかし悔しいでしょうね。
自分より実力の劣る子たちが見習い騎士になり出世ルートに乗っているのに、モテはずっと置いてけぼりですから。
そしてとうとう両親に「見習い騎士になりたい」と長年の葛藤を打ち明けるも、その提案は断られてしまいました。
読者視点だと、モテの正体を知っているので「まあ仕方がないよね」という心境ですが…
モテは理由を一切知らないので、理不尽に苦しんでいるはずです。本来なら十分に得られたはずの待遇を、彼女だけが得られないのですから。
世の中には理不尽なことが数多くありますが、モテはまだ14歳なので理不尽を受け入れるには幼すぎると思うんですよ。
そう考えると、泣きながらも「両親には何か理由があるんだろう」と自分に言い聞かせるモテは、聞き分けがよく親の気持ちがわかる子なんだろうなと思いました。
自分勝手なラスタとは真逆ですね。
感想②シシの将来が不安
新キャラ・シシが登場しましたね。
彼女は里親に恵まれず、ずっと村を出たいと考えていました。そしてヴェルディ子爵夫人の存在を知ると、これ幸いと「私があなたの娘です!」とアピールしますが…
夫人が正気なら、すぐにグローリエムではないと気づくでしょう。天使のような外見の子供と、ごく普通の子供。さすがに見間違えないはずです。
ただし本文を読んだ限りでは、夫人はやや錯乱しているように見えます。そう考えると、本心では違うと気づきながらもシシを受け入れてしまう…という展開も考えられるのかなと思いました。
けれどその場合、シシは幸せにはなれないでしょう。嘘をついて他人に成り済ました子が、幸せになれるはずありませんから。
それこそ、アレイシアがいい例です。
いつも更新を楽しみにしております。
また新キャラが出てきて混乱の様相を呈してきましたね。
今回14~15年後のふたりが出てきて、仲良さそうだけど昔とまったく力関係が変わってないのに笑ってしまいました。
まだエンジェルからのプレゼントのクイーンにそっくりな目の色だけ違う偽物も元気なようで、エンジェルもまたどこかで出てくるんでしょうね。
ハインリは親バカになると思ってましたが案の定でした。
東の後継者の件は、双子で東西治めるのか~と単純に考えてましたが
よく考えてみると母親の前の配偶者の後継者になるって子供的にはどうなの?と思います。
ナビエ様はソビエシュへの未練などないしドライなので割り切ってそうですが、私がハインリなら因縁の有るソビエシュに大事な我が子を預けたくないですね。
そういえばトゥアニア夫人のスキャンダルの時に出てきた親子検査の話、昔双子の検査でそれぞれの父親が違うと判定したことがあるという記述があって、その判定で信頼度は落ちたらしいのですが、双子かぶり設定がちょっと気になっています。ラリカイは早産で産まれてますしね。
ソビエシュをいまだに信用してはいないので、悪用フラグだったら嫌だな~と。
これがまた伏線と思わせたトラップで、私がまんまと深読みし過ぎて引っかかっていたら笑ってくださいませ。
>マリさんへ
コメントありがとうございます!
実は私も、ナビエとハインリの力関係が変わっていないことで笑いました。きっと意思疎通ができない点なども、変わっていないのかなと思います。
本当にこの夫婦はかわいいです。安定と安心の嫁優位。あとハインリが子煩悩なのもかわいい。