ピッコマで連載中の『今世は当主になります』の49話~50話のネタバレ感想です。
前回ルーラックは、皇帝と2人きりで話をしました。そして次々とアンゲナスの不正を告発しますが、彼はいったい何を企んでいるのでしょうか?
感想を交えながら、ストーリーを簡単にまとめました。
49話の概要|フィレンティアからペレスへの贈り物
ペレスへの贈り物
廃墟の中でルーラックの帰りを待つ間、フィレンティアは持ってきた大きな袋からあれこれ取り出してペレスに渡しました。
新しいメルコーン薬・あめ・時計・コインなどなど。これらは全て、不自由な暮らしをするペレスへの贈り物です。
さらに袋の中から、黒いキツネの毛で作ったマフラーを出してペレスの首に巻いてあげると、彼は「温かい…やわらかい…」と嬉しそうに呟きました。
「…これ、全部俺にくれるために準備したの?」
ペレスの質問に、フィレンティアは頷きます。
「今度来るとき、役に立つものをあげると言ったじゃない。そしたら思い出すたびに増えちゃって…」
ペレスが彼女を思うように、彼女もまたペレスを思っていたのです。それを知ったペレスは、嬉しい…と愛らしく微笑みました。
木刀と剣術指南書もプレゼント
ペレスの愛らしさに、目を奪われるフィレンティア。なぜ男の子がこんなに可愛いの!?と思いながらも、無理やり笑顔を作ってごまかします。
そして今度は袋の中から、鞘のついた木刀を取り出してペレスに渡しました。
これはトリバーの木で作った木刀なので、丈夫で壊れにくいという特徴があります。
とはいえペレスが剣術で頭角を現わすのは、アカデミーで教育を受けた後。現時点では、剣術はここに来る前の2カ月間しか習っていないそう。
そのため彼女は『ブラウン剣術書』という本も渡しました。
『ブラウン剣術書』の表紙をじっと見つめるペレス。歴史を学ぶ機会のなかった彼にとって、馴染みのないタイトルのようです。
「その本をたくさん読んで研究して、書かれている内容を全部自分のものにしてみて。けど、後で必要とする人が現れたらその人に渡してね」
しかしフィレンティアがそう告げた瞬間。ペレスはやだ!と言って本を抱き締めました。さっきまで大人しかったのに、急に駄々をこね始めたのです。
ペレスの独占欲
フィレンティアはわけがわからずにペレスを宥めるも、彼は本を放しません。
そのため彼女は「後でもっといいものを買ってあげるから。約束よ」と言って小指を差し出すと、彼はしぶしぶと自身の小指をからめました。
本心を言えばペレスは納得しておらず、彼女がくれる物は何であれ渡したくないと思っていましたが…
フィレンティアがそんな風に言うから、断れなかったのです。
プレゼントをすべて渡した後、フィレンティアは廃墟のベッドで横になって眠ってしまいます。朝早くに屋敷を出たため、寝不足だったのです。
するとペレスもまたベッドに寝転がり、フィレンティアの寝顔をじっと見つめます。
「本当に…また来たんだね。約束を守ってくれた」
そして彼はフィレンティアの髪に触れると、その一房をつかんだまま目を閉じました。
廃墟を訪れた男女2人
「まだ子供なのに辛い記憶がある分、気をつけて接してあげてください」
そう話しながら、廃墟の中を歩く女性。隣にいる男性は、その言葉に相槌を打ちながら部屋の扉を開けますがーーー
次の瞬間、木刀を持った少年に攻撃されました。
男は鎧を着ていたため腕で防ぎましたが、それでも強い衝撃があったため驚きます。
そして少年ーーーペレスは男女2人から距離をとると、真っ赤な瞳で彼らを見つめながら「お前らは誰だ」と尋ねました。
50話の概要|ペレスに宮殿が与えられる
侵入者の正体
フィレンティアが目覚めると、目の前では奇妙な光景が広がっていました。ペレスが木刀を持って、王宮からの使者を脅しているではありませんか。
しかも使者のほうは困惑しており、この方を止めて下さい!と助けを求めてきます。
そこで男性使者を開放してから、ケイトリンに事情を聞きます。
彼女によれば、ペレスが正式に第2皇子として認められて宮殿が与えられたため2人が迎えに来たそう。
またこれからはケイトリンが第2皇子の侍女長となり、隣にいる男性カイラス・へリングが侍従長としてペレスの世話をするのだと言います。
ペレスに与えられた宮殿
そして使者2人は、ペレスとフィレンティアを新宮へと案内しまが・・・
新宮に到着すると、フィレンティアはあんぐりと口を開けました。
というのもペレスに与えられた宮殿は、ポイラック宮殿。皇居で3番目に大きい宮殿なのです。
いざ宮殿内に入ってみるとどこもかしこも豪華で、使用人たちも勢ぞろい。そのためフィレンティアは、あちこちを見回しますが・・・
なぜかペレスは先ほどから無言です。
木刀を握りしめながら、黙ってフィレンティアの後ろをついて来ます。
(なんでペレスは一言も言わないのかな。自分が住む場所なのに。まだ実感がわかないのかな?)
この時の彼女は、ペレスの心情に全く気付いていませんでした。
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食事中、ペレスの挙動がおかしい
その後、ペレスとフィレンティアは食事をするためダイニングへと案内されます。すると目の前に広がっていたのは、大きなテーブルにずらりと並べられた豪華な料理。
ケイトリンによると、ペレスを歓迎するために用意してくれたそうです。
そして食事の席に着くと、フィレンティアは美味しそうに食事をしますが…
隣にいるペレスを見ると、彼は食事に口を付けていません。それどころか、スプーンを持つその手はプルプルと震えて様子がおかしいです。
それを見たフィレンティアは、ペレスが怖がっているのだと気付きました。
(そうだ…この子は怖いんだ。たくさんの使用人がいることも、誰かに見られている状況も。そして、他人が作った食事を食べることも)
今まで周囲にいたのは皇后側の人間だけで、食事はすべて毒入り。怖くて当然でしょう。ペレスの生い立ちを情報として知っていたのに、フィレンティアは彼を理解していなかったのです。
だからフィレンティアは、そっと手を伸ばしてペレスの手に重ねて言います。
「大丈夫。ケイトリン様とカイラス卿は『私たち』の味方なの」
そして小さなパンを手に取ってペレスに差し出し、私を信じて…と告げると彼はようやく食べてくれました。
「どう?おいしいでしょ?」
フィレンティアが微笑むと、ペレスはパンを頬張りながら頷きます。その頬はうっすらと染まっていました。
『今世は当主になります』49~50話のネタバレ感想
49話の感想|ペレス、剣術は素人って嘘だよね?
ペレスは廃墟生活をする前に、2カ月ほど剣術を習ったことがあるそうです。つまり素人同然というワケですが・・・
49話のラストでは、フィレンティアから貰った木刀をつかって男に1発食らわせています。
しかもペレスの攻撃は、的確に男の顔面を狙っていました。そして攻撃が弾かれたときも、ちゃんと受け身をとって距離を取りつつ地面に着地。
2カ月習っただけの素人がこの動きですよ。このシーンから、ペレスの剣術の才能が抜きんでているとわかりますね。
50話の感想|
ペレスがようやく第2皇子として認められましたね。ルーラックが直々に皇帝と交渉しただけあり、豪華な宮殿が与えられました。
なお侍女長のケイトリンも侍従長のカイラスも、ロンバルディ側の人間です。今まで皇后側の人間に囲まれていたペレスにとっては、安心できる人選でしょう。
とはいえペレスは過去のトラウマから、まだ周囲を警戒している様子。使用人たちの視線を怖がったり他人の出した食事に怯えたりと、かわいそうな状況が続いています。
これから徐々に慣れていくでしょうしケイトリンがいるなら大丈夫だとは思いますが、早く傷口が癒えるといいですね。