小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝44 龍はなぜ鳥を愛するのか(4)』の概要をまとめました。
前回モテは、泥棒を追いかけて宮殿の庭に侵入します。しかし結局、騎士たちに見つかって追いかけられる羽目になりました。
あの後、モテはどうなったのでしょうか?管理人の感想を添えつつ、ストーリーを簡単に紹介します。
目次
モテ視点|騎士に捕まり、連行されそうになる
騎士たちに追いかけられる
モテは走って逃げたものの、騎士の人数が多すぎて結局捕まってしまいます。
何者だと問い詰められたので「泥棒を見て追いかけてきました」と説明するも、騎士たちはモテの言葉を全く信じません。そのため連行されそうになりますが…
その時、何を騒いでいるんだと暗い声が聞こえます。視線をやると、そこには黒髪の美男子が立っていました。
ソビエシュ皇帝との初対面
「陛下、泥棒を捕まえました」
”陛下”という言葉に、モテは目を大きく開けます。しかし今は感心している場合ではないと慌てて正気に戻り、大声で叫びました。
「陛下の命令で宝石を運んだ人と同行しました!」
ケルドリックの名前を出すのは気が引けるので、遠回しに伝えます。宝石の回収を命じた皇帝ならば、これで意味が通じるでしょう。
すると予想どおり、皇帝は騎士に目で合図してモテを解放させます。
そしてモテは立ち上がると、泥棒が木の下に何かーー恐らく例の宝石ーーを埋めていたことを説明しました。
木の下に埋められていた物
騎士が土を掘り起こすと、そこから小さなポケット出てきます。皇帝はそれを受け取ると、中身を探ってから淡々と告げました。
「この子の言う通りだ」
皇帝が信じてくれたので、モテはようやく安心してため息をつきます。
しかしその後、名前や住所などを聞かれたので、顔を見せろと言われるのではないかとビクビクしました。
するとその時。
ラリが様子を見に来たので、ずっと暗かった皇帝が笑顔になります。そしてラリが一緒に食事がしたいと言うと、皇帝は振り向きもせずラリの後をついて行きました。
そして残された騎士たちはつっけんどんに「消えろ」と言うので、モテは返事をせずにトボトボと歩いて出て行きます。
そして力なく旅館に帰ると、モテは妙に目じりが熱くなりました。
ソビエシュ視点|リルテアン大公の次男は”暴政の種”
暴政の種
食事が終わった後。ラリとカイが手をつないで食堂を出て行く姿を見て、ソビエシュはかすかに笑いました。
(利口な子供たちだ。どちらが後を継いでも安心できる。なのにリルテアン大公の次男ときたら…)
ソビエシュの眉間にシワが寄ります。
というのもリルテアン大公の次男は、頭が悪く優柔不断で権力欲が大きく、自分が皇帝になると信じています。
そのためソビエシュは、次男のことを「暴政の種」だと考えていました。
ケルドリック視点|モテのおかげで難を逃れる
すげ替えられた宝石
ケルドリックは旅館に戻った後、ラリを夜市に連れて行きました。しかしモテは心ここに有らずで、彼は眉をひそめます。
・・・
数時間前。
皇帝に謁見したケルドリックは、自分が持ってきた宝石を皇帝がすでに持っていたので困惑しました。そして皇帝から事情を聞くと、今度は驚いて足を震わせます。
というのも彼の持つ宝石は、泥棒によって「呪われた宝石」とすげ替えられていたのです。
何にせよ、問題がうまく解決したのは全てモテのおかげでした。そのためケルドリックは、お礼にモテを夜市へと連れて来たのですが…
モテはずっと落ち込んでいて、理由を聞いてもお腹が空いただけだと答えるのです。
モテ視点|彼女が失望した理由
モテはひどく落ち込む
ケルドリックがソーセージを買いに行っている間、モテは噴水台に腰を下ろします。憂鬱な顔を見せてはいけないと思うものの、元気が出ないのです。
するとその時。
人だかりの中にまたシシの姿を見つけたので、モテは追いかけます。しかし人が多いせいで捕まえられず、迷路コーナーの中で見失いました。
真っ暗な迷路に迷い込む
いくら歩いても迷路のゴールは見えず、進むほど辺りが暗くなっていきます。
そして行き止まりの真っ暗な空間にたどり着くと、モテの頭の中には宮殿からの帰り道に感じていた失望感が再び沸いてきます。
そのためモテは、涙を流しました。
ラリが西大帝国の皇女なら、モテは彼女の騎士になれません。きっと養父母やケルドリックは反対するでしょう。頑張って生きてきたのに、世の中はいつもモテの邪魔をするのです。
するとその時、モテの前にホタルのようなものが浮かび上がります。まるで慰めるような光が次々に現れ、彼女の周囲は小さな光でいっぱいになりました。
そしてその光をくぐり、ラリが近づいてきます。
「なぜ泣いているの?」
モテはラリを見つめながら、涙を吞み込もうとします。しかし耐えきれず、自分の気持ちを吐き出しました。
「僕をここから連れ出してくれませんか?」
カイ視点|夜市でラリと待ち合わせするが…
待ち合わせ場所にラリが来ない
夜市に来たカイは、ラリを探して周囲を見回していました。噴水台で2人きりで会う予定だったのに、彼女が来ないのです。
そして5分ほどイスに座った後、ラリを探さなければと立ち上りますが・・・
その瞬間、鋭い何かがカイのわき腹に突っ込んできました。
『再婚承認を要求します』外伝44のネタバレ感想
感想①カイが何者かに刺された?
外伝44のラストで、カイは何者かにナイフで刺されたようです。
最後のシーンは翻訳に自信がないのですが、原文に「鋭い何かが脇腹に突っ込んできた」とあるので、多分カイは避けきれずに刺されたのでしょう。
そして、なぜカイが刺されたのかという話ですが…
今までの伏線を考慮するなら、犯人はリルテアン大公からの刺客かなと思います。
カイに危害を加えて得をする相手で、殺意満々な相手…となると、やはり大公でしょう。カイが心配ですね。普通に考えれば、ナイフで刺されたのだから重体のはず。
となると治療魔術師の出番なので、ここらでエベリーかダルタが格好良く登場してカイを救ってほしいところ。
個人的には、立派な治療魔術師になったダルタを見てみたい。
感想②モテから見たソビエシュの姿
モテ視点だと、ソビエシュのことが相当な美男子に見えたようです。
モテは今までコシャールのことを一番イケメンだと思っていましたが、ソビエシュのほうが僅差で格好よく見えたそう。
良かったねソビエシュ、娘に好かれてるよ!
感想③シシはモテから逃げている?
考えすぎかもしれませんが、シシはモテから逃げているように見えます。
あれだけモテが呼びかけても反応せず、さらに夜市ではモテを撒くように迷路コーナーに入ってしまいました。
こういう反応を見ると、モテ(というか常時泉の関係者)と関わらないように逃げ回っている気がするんですよ。
なにせシシは現在、キレイな服を着せられて貴族令嬢として生活していますから。
当然ながら昔のような生活には戻りたくないし、周囲の人にも自分の過去を知られたくないはずです。だからモテのことを避けているんじゃないかな…と思ったのですが、深読みしすぎでしょうか。
カイが無事だと良いのですが。
カイが刺された事は、たとえ軽傷で済んだとしても、東側の人間に西大帝国の皇子が暗殺されそうになったことで国家的大問題に発展しないでしょうか?
双子のひとりを東の継承者にというソビエシュの考えのせいで起きた出来事なので、これが明るみになったら西国民感情としては99%ナビエ様のせいで、西の大事な後継者が狙われたと考え、責められるのでは?
エルギ公爵が以前ラスタの結婚式の晩にナビエ様に、人はたいてい最後のことしか覚えていない、
最後が気に入らなければ過去の実績は忘れる的な事を言っていましたが、これがナビエ様の身に起きたらつらいです。
>マリさんへ
言われみればそうですね!
確かにカイが負傷したら、ナビエが西国民にバッシングされそうです。私、その辺については全く考えてませんでした・・・
毎回鋭いご指摘で、勉強なります。