漫画『結婚商売』の55話のネタバレと感想です。
ザカリーが駆け付けると、そこには怯えるビアンカと気絶したイボンヌの姿がありました。まさに修羅場という言葉がふさわしい状況ですがこの後どうなるのでしょうか?
ストーリーの続きを読んでみましょう。
ビアンカの元に、ザカリーと三軍部長が駆け付ける
ザカリーは怒り、ジャコブを詰問する
ザカリーに続き、三軍部長たちも現場に到着します。彼らは悲惨な状況を前にして冷や汗をたらすも、ガスパルはすぐさまイボンヌを助け起こし、ソヴールとロベルは人払いをします。
そして一方、ザカリーは震えるビアンカを抱き締めながら、これは一体どういう事かとジャコブに説明を求めますがーーー
ジャコブは悪びれもせず、無礼な吟遊詩人を処罰しただけだと答えます。また彼は、ビアンカへの点数稼ぎもしたかったのだと言います。
しかしその時、ビアンカは震えながら彼を睨みつけて「私の名前を呼んでいいのは家族だけです」と嫌悪感を露わにしました。
「私をそのように呼ばないでください。私の名前を呼べる人は…私が許した、私の家族だけです」
引用元:結婚商売55話
ビアンカは震えながらもジャコブを拒絶する
“家族”
その言葉を聞いた瞬間、ジャコブは凶悪な顔をします。そして家族の繋がりなど薄っぺらだと、ビアンカの言葉を否定しました。
そして彼は、名前を呼んでいいか許可を求めれば私を受け入れてくれるのか?と尋ねますがーーー
ビアンカはその質問に答えず、ザカリーと共にその場を去ろうとします。そのせいでジャコブはより苛立ち、彼女の背に向って叫びました。
「私は君をあきらめないぞ、ビアンカ! 絶対に!」
部屋に戻ったビアンカは、ザカリーに”あるお願い”をする
ジャコブへの恐怖と、未来への不安
部屋に戻った後、ザカリーはビアンカを介抱します。
ビアンカは自分のせいで皆に迷惑をかけてしまった…と酷く落ち込んでいて、またジャコブのことを気持ち悪がります。
なにせ目の前で人を殺してイボンヌに怪我をさせ、そのくせ笑いながら愛の告白をするのですから。
おまけに彼がこの先どんな悪巧みをするのか分からないので、彼女はさらに悩みます。すると妻の不安に気づいたザカリーは、彼女を慰めますがーーー
この時ビアンカは、泣きそうな顔でとんでもない願いを口にしました。
なんとザカリーに、ジャコブを殺して欲しいと頼んだのです。
結婚商売55話のネタバレと感想|ジャコブの心境について
ネタバレ感想①ジャコブが家族を否定する理由
ジャコブ視点だと、ビアンカの父親は政治のために娘を売った男です。そのため彼女がなぜ父親を家族だと言って大切にするのか分からないのでしょう。
また彼はその生い立ちから、父親に愛されず兄妹からも白い目で見られながら育ってきました。
なお55話にはジャコブの回想(幼少期のはなし)が少しだけ描かれていますが、このシーンを見たところ彼は最初のころ“本当の家族”というものに期待をしていたようです。
時系列的にはちょうど、子爵家を離れて王宮に迎えられたあたりですね。
けれど現実は残酷で、父からも兄妹からも愛情は得られませんでした。そのうえ実母は早々に逝去したので、ジャコブが家族を真っ向から否定するのは無理からぬ事なのかな…と思います。
以下はジャコブがビアンカに告げた台詞ですが、この言葉に彼の気持ちが集約されているように感じました。
「愛していても血が繋がっていても、結局どうにもならないのが家族だよ」
引用元:結婚商売55話
自分がどれだけ家族を想っていても、家族がそれに答えてくれるとは限らない。この台詞はそういう意味なのかなと思います。
ジャコブは狂人的なイメージがありますが、55話を見ていると“歪んでも仕方がない環境にいた人”という印象が強くなりました。
ネタバレ感想②性格の歪みが分かるシーン
ジャコブは「私を受け入れて欲しい」と言いながら、ビアンカがドン引きする行動ばかり取っています。
そもそもの話、せっかくビアンカを助けたのだから紳士的な行動を取って好感度アップを狙えば良かったんですよ。
例えば斬らないで追い払うとか。一旦見逃して後から罰するとか。そうすれば彼女を守れるし、多少は好感度がアップするはずなので一石二鳥です。多分、普通の男性ならそうするでしょう。
ただしジャコブという男は、それをしないんですよね・・・
こういう些細なシーンからも、彼の歪みっぷりが伝わってきます。というかジャコブ、ビアンカが絡むとことごとく冷静さを欠きますね。