『悪女は砂時計をひっくり返す』外伝3・107話のネタバレと感想です。
アリアは隠し部屋にて、ブリスと再会します。そしていつ能力が覚醒したのか質問しますが、彼女は黙り込んでしまいました。
ブリスの目的はいったい何なのでしょうか?ストーリーの続きを読んでみましょう。
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未来編|ブリスに皇族の能力が発現したときの話
アリア視点

未来のアリアはアースとの子供を身ごもりますが、出産時にとても苦しみ命の危機にさらされます。
そして医療スタッフが必死で手術の準備をする中、現場に駆け付けたアースは顔を真っ青にして叫びました
「生かしてくれ!アリアの命だけはどうか!子供を諦めることがあっても…!」
ブリス視点
アリアが苦痛に顔を歪ませている時、まだお腹の中にいたブリスも息が出来ずに苦しんでいました。
それでもブリスは生まれたいと望みます。
(どうか…私を諦めないで。生まれたい。生きたい。お父さん、お母さん)
そしてこの時、ブリスの胸に光が宿ります。ブリスは胎児でありながら、皇族の能力を授かったのです。
現代編|アリアはいつ覚醒したのかブリスに質問する
アリアとブリスの会話
どこで死を経験したの?アリアがそう質問すると、ブリスは悲しげな顔をして答えます。
「私が悪い子だから…それで…」
目に涙を浮かべるブリス。しかしこれでは会話になりません。
そのためアリアは、威圧感を与えるような言い方をしたからブリスが混乱したのかも…と考えて、今度は優しい言い方で質問しました。
「そうね、まず…皇族の能力を持っているのよね?」
その質問にコクコクと頷くブリス。
「それは空間移動の能力?」
しかしこの質問には無反応。そうやって1つずつ整理しながら、アリアは再びいつ能力が覚醒したのか質問します。
するとブリスは、母親のお腹の中にいるとき覚醒したのだと答えました。
「私、体が弱くて生まれないところだったの…その時、覚醒した。でも、私のせいでお母様は…全部私が悪い子だからいけないの。今日もあちこちで問題を起こして…」
アリアはその言葉から状況を推理します。話を聞くに、ブリスの母親は出産後に体をひどく壊したのでしょう。
事件の真相
さらに話を聞けば、今までの事件は全てブリスの犯行だそう。しかし悪意はなく、空間移動をするときに慌てて問題を起こしてしまったのだと言います。


そんなブリスを見て、アリアは思いました。
(どんな理由で、腹違いの姉である私を訪ねてきたのかしら。衰弱した母が亡くなるとか、精神的な虐待を受けたとか?そういう事情がありそうだけど…正直、これ以上知りたくない)
アリアはすんっとした顔で、自分には関係のないことだと判断します。
とはいえブリスは何も知らない子供であり、そもそも行く当てもないのだそう。そこでアリアは、当分は皇居で暮らすよう言いました。
ブリスの事情を詳しくは知らないものの、何か事情があって皇居まで飛んできたのだろうと察したのです。
するとブリスは大喜び。今なら思う存分、母親であるアリアに会えるので嬉しくてたまらないのです。
しかし事情を知らないアリアは、家に帰らなくて済むだけであんなに喜ぶなんて…と同情するのでした。
アース視点|少女の正体を見抜き、その目的に迫る
アースはブリスと再会する
アリアの部屋に行く途中、アースは廊下の向こう側にブリスの姿を見つけます。
侍女に手を引かれながら楽しげに歩くブリス。しかしアースと鉢合わせた瞬間、彼女は慌てふためいて気まずそうに目を逸らしました。父親であるアースに、自分のことをどう説明すべきか分からなかったのです。
とはいえアースは彼女の能力について色々と聞きたかったので、ブリスを預かると別室に連れて行きました。
アースは少女の正体を見抜く
別室で2人きりになると、アースは単刀直入に聞きます。
「能力を使えるなら、私の妻であるアリアと関係のある者か。さっき聞いたた親戚だと言っていたが…」
その質問に対し、ブリスは異母姉妹だと嘘をつきますがーーー彼はその嘘をあっさりと見破りました。
というのもアリアは皇室の血筋ではなく、聖水を通して皇族とつながっただけ。ゆえにブリスが異母姉妹なら、能力をあれほど頻繁に使えるはずありません。それこそアリアのように大きな副作用があるはずです。


おまけにブリスの顔はアリアにそっくりですが、その青い瞳はアースに似ています。そのため彼は、早々に真実を見抜きました。
「ブリス。未来から来た私の娘か?」
図星を刺されたブリスは大慌てで、オウオウオウ(訳:何で分かったの?)と意味不明な言葉を繰り返します。
しかし一方で、アースは冷静そのもの。自分たちの子供なら空間と時間の能力を持っている可能性があり、またアリアのように過去に戻ることもできると分析したのです。
それに何より、これほど妻と自分にそっくりな娘が他人の子供のはずありません。しかし同時に、ブリスが過去に戻って来た『理由』に気付いて血相を変えました。
「まさか未来で悪い事でも起きたのか!?アリアに危険を警告しに来たのなら…!」
すると落ち着きを取り戻したブリスは、微笑を浮かべながら静かな口調で言いました。
「お父様、心配しないで。お母様は死なないよ。そのことを頼みに来たんだから。私を産まないでほしいって…その話をしに来たの」
【まとめ】悪女は砂時計をひっくり返す外伝3・107話のネタバレと感想
外伝3・107話のおさらい

未来のアリアは、ブリスを出産したことで体を壊してしまいます。ブリスの回想によると車イスで移動することもあり、アースはそんな妻を静かに抱きしめていました。
そして同然ながら、その様子を見ていたブリスは心を痛めます。
その結果、ブリスは時空間移動の能力を使って過去のアリアに「私を産まないで」と警告をしに来たのです。
あんなに生きたいと願っていた子が、母親のために自分の存在ごと消そうと考えたのです。悲しい話ですね。
ネタバレ感想|ブリスの心境
ブリスは外伝3・107話の冒頭で、しきりに「私が悪い子だから」と自分を責めています。
彼女は自分が生まれたせいで母親が犠牲になったと思っているようです。5歳の女の子にとって、それがどれだけ辛い事かは想像に難くないでしょう。
あまりに不憫なので、現代のアリアにはしっかりブリスの精神的ケアをしてもらいたいところ。