マンガ版『悪女は砂時計をひっくり返す』の93話のネタバレと感想です。
93話では前回に引き続き、サラの結婚式へと向かうアリア御一行が描かれますがーー厄介者のミエールは、パーティーに参加しても大丈夫なのでしょうか?
ストーリーをまとめたので、続きを見てみましょう。
目次
ミエール視点|サラの結婚パーティーに参加する
サラの結婚式が盛大に開かれる
アニーたちは一足先に、教会の庭で開かれているパーティー会場に到着します。
会場は美しい音楽・豪華な花々・たくさんのご馳走があふれていて、すでに多くの人たちが集まっています。
そんな中、アニーとミエールが軽い口喧嘩をしていると、周囲の貴族たちがザワザワと騒ぎ始めました。
「なんとまあ、 あの馬車をちょっと見て」
「あれは…」
人々の視線の先にいたのは、馬車から降りて来たアリアとアース。絵画のように美しい2人を見て、誰もが感嘆の声をあげます。
するとその様子を見ていたミエールは、アリアと隣のアニーを見比べてぽつりと言いました。
「…同じ平民なのに、全然違うわね」
ミエールの言葉に、さすがのアニーも激怒します。大勢の人がいるのに、アニーはつい怒鳴りました。
「どうしてそんなことが言えるの!当然、お嬢様は私より何千倍も優れてるわよ!!」
アニーが大声で叫んだため傍にいたボブーン男爵はギョッとし、周囲の参加者たちもアニーの方を見ます。
するとその時、誰かが言いました。
「あれ?あの人…ロースチェント・ミエール?」
その言葉をきっかけに、貴族たちはミエールの存在に気付きます。
そして彼女を白い目で見ながら、ヒソヒソと悪口を言い出しました。
「親も国も裏切って図々しく生きている悪女め」
「お祝いの席になぜ来たの?」
軽蔑的な視線にさらされたミエールは怯えて冷や汗をたらし、アニーも顔を青くしますがーー罪人を庇う人などいるはずなく、状況は悪化するばかりでした。
アリア視点|優しい姉のフリをするためミエールを庇う
ミエールを連れて来た理由
貴族たちから責められるミエールを、アリアは遠巻きに眺めながら思います。
(あら…元々は私の馬車で一緒に降りて視線を集める予定だったけど、私が直々に手を出すまでも無かったわね)
アリアはそんな事を考えながら、優しい姉のフリをするためミエールの元へと駆け寄ります。そして周囲から庇う様に、怯えるミエールを馬車の中へと避難させました。
・・・
「ミエール、ここで少し休んでいて。結婚式が終わったらすぐ屋敷に帰りましょうね」
アリアはそう告げると、ミエールを薄暗い馬車の中に放置して再びパーティー会場に戻ります。
1人だけ置き去りにされたミエールは、ただ呆然と姉の背を見つめることしかできませんでした。
ティアラの贈呈
会場に戻ったアリアは、屋敷の中にいるサラの元へと向かいます。
「サラ、なんて綺麗なの!」
美しい花嫁衣装に身を包んだサラは、いつもと同じ明るい笑顔でアリアを迎えてくれます。どうやら彼女はアリアを待っていたらしく、ティアラを差し出すと“お願い事”があると言いました。
「このティアラを私に乗せて、花嫁衣裳を完成させてください」
サラの言葉に、目を丸くするアリア。
というのもティアラの贈呈は、本来なら花嫁の母親がすべき事。しかしサラは、アリアとずっと仲良しの友人でいたいから…と言って、アリアにその役目を任せたのです。
アリアはサラの願いを受け入れ、彼女の頭にティアラを載せます。するとサラは嬉しそうに笑いながら、アリアに抱き着きました。
誓いの指輪
教会の鐘が鳴る中、皆に祝福されながらサラの結婚式が行われます。
誓いの指輪を交換し、幸せそうに微笑むサラとヴィンセント公爵。そんな2人を客席から見ていると、アースがぽつりと質問しました。
「アリアお嬢様は…どんな色がお好きですか?」
その質問にアリアは、アースの瞳の色が好きだと答えます。というのも以前、屋敷の階段でミエールに罪をなすりつけられた時。アースが駆け付けてくれて嬉しかったのです。
「指輪の宝石がアース様の瞳に似た色なら、いつも傍にいられる気がするので…」
アリアがそう告げると、アースは微笑んで彼女の手をそっと握りました。
ミエール視点|馬車の中で1人ぼっちになった後
悪いのは誰?
ミエールは馬車の中から、パーティーの様子を見つめます。そして幸せそうに踊るサラと公爵の姿に、かつて貴族だった頃の自分を重ねていました。
するとその時、アニーが食事を持って来てくれますがーーー
アニーが去った後、ミエールはその食事を一口も食べず地面に捨ててしまいます。そして膝を抱えながら、虚ろな目で呟きました。
「アニーなんかに同情されるなんて…わざと私を虐めているくせに…自分こそも身の程知らずのくせに…」
そして男爵と楽しそうに踊るアニーに視線を移すと、暗い声で言いました。
「私の幸せを奪う悪女を…放っておいてはダメよね」
『悪女は砂時計をひっくり返す』93話のネタバレと感想
ネタバレ感想①93話は予想通りの展開に
サラの結婚式にやって来たアリア一行。しかし罪人のミエールも一緒なので、当然ながら一波乱あります。
哀れなミエールは会場に到着して間もなく、貴族たちから大バッシングされました。
まあ当然の流れですよね。
そもそもミエールがパーティーに来たところで、白い目で見られるのは確定なんですよ。だって国家に歯向かった反逆者ですから。
そんな状況下で、パーティーを楽しむ事などできないでしょう。ミエール自身も、それは薄々勘付いていたはずです。なのにミエールは、誘惑に負けてパーティーに来てしまいます。
自制心のない子ですね。
しかもミエールの怒りはアニーへと向かいます。完全な八つ当たり。
今回の出来事をきっかけに、ミエールはいい加減に反省すれば良かったのですけどね。もう元の生活には戻れないのだと、自分は罪人で許されないのだと、客観視すべきでした。
でもミエールという人間は、ことごとく事実を受け入れません。自分が悪いと認めたくないから、他人を攻撃する。多分、この性格は一生治らないのかなと思います。
ネタバレ感想②ミエールの顔芸
93話の最後では、ミエールが虚ろな顔でアニーに恨み言を言っています。このシーンのミエール、かなり怖い顔をしているのでぜひ漫画版でご覧ください。ゾッとする顔をしています。
今までのミエールは復讐を考えるたびに憎悪に満ちた顔をしていますが、今回のミエールは瞳に光すらありません。虚ろな顔というか闇落ちしたというか。
もうこの子は、正気じゃないんだな…という感じの顔でした。絵師様が本当に良い仕事をしています。