マンガ版『悪女は砂時計をひっくり返す』の92話のネタバレと感想です。
前回ミエールは被害者ぶって「アニーが私をいじめるのです!」とアリアに告げ口していましたね。しかもメイド達を全員クビにしようと企んでいるのだから困ったものです。
そんな彼女に対してアリアは、サラの結婚式に一緒に行こうと誘いますがーーこの先どうなるのでしょうか?
誘惑に抗えず、ミエールは結婚式への参加を決意する
貴族社会への未練を捨てきれず・・・
サラの結婚式に行こうと誘われて、ミエールは戸惑います。
参加者のほとんどが皇太子派でしょうから、貴族派だったミエールを歓迎する人がいるとは思えません。ミエールが行ったところで、アリアの言うような気分転換にはならないでしょう。
が、しかし。
その迷いを見抜いたのか、アリアはミエールを誘惑しました。
「でも、パーティーじゃない?心地よい香りに囲まれて、キレイな照明が輝くでしょうね」
ミエールはその言葉を聞くと瞳を輝かせ、その結果、パーティーに行きますと返事をしてしまいました。
・・・
(行かずに耐えるかと思ったけど…やっぱり、まだ以前の生活への未練を捨てきれないみたいね)
室内で1人きりになったアリアは、ミエールの心情とその本質について考えます。
アニーは『ミエールは幼さゆえに過ちを犯した』と思っているようですが、アリアはそうは思いません。大人になったミエールも結局は性根が残酷なままだと、身をもって知っていますから。
ミエールとアニーの会話
翌日。ミエールは窓ふきの最中にミスをし、アニーや他のメイドたちに文句を言われながらも何とか掃除を終わらせます。そして仕事の後、庭で1人ぼっちの昼食を食べているとーー
そこにジェシーが現れて、クッキー(アリアからの差し入れ)を手渡しました。ミエールはそのクッキーを食べながら、隣に腰掛けたジェシーに愚痴を言います。
「アニーに対する態度、ジェシーも知ってるでしょう?私のやる事にいつも難癖をつけるの。きっと私の身分が低くなったから虐めるんだわ」
するとジェシーは優しく微笑みながら「そんな事ないわ。みんないい人だから」と励ましますがーー
その輝くような笑顔とは対照的に、ミエールは顔を曇らせました。
(言葉が通じない人ね。そういえばジェシーは平民と付き合ってるらしいし…これ以上接したところでレベルが合わないわ)
言葉にこそ出しませんが、ミエールは内心でジェシーのことを嘲りました。
ついにサラの結婚式の日が訪れる
アリアとアニーのドレス
そして数日後、サラの結婚式の日。
アースから贈られた青色のドレスを身にまとったアリアは、とても美しくメイド達も見惚れるほど。
そしてアニーもまた、ボブーン男爵から贈られた品の良いドレスを着ています。
「似合っているわね。ボブーン男爵はセンスが良いわ」
アリアが褒めると、アニーは照れ笑いしながら「これも全てお嬢様のおかげです!」と嬉しそうにお礼を言います。
そしてその背後では、他のメイドたちが悔しそうにアニーを見ていました。
アースの出迎え
その後、豪華な馬車に乗ったアースが迎えに来ます。そして彼はアリアを見ると、うっとりしながら彼女の美しさを褒め称えました。
「空から降ってきたのかと思いました」
「そうですよ。飛ばないように掴んでいて下さいね」
相変わらず仲睦まじい2人。
そしてアリアは微笑みながら、ミエールも一緒に連れて行きたいとアースに頼みますがーーー
次の瞬間、アースの表情が固まります。そして数秒後、寂しそうな顔で訴えました。
「お嬢様、僕は…あなたと2人きりで馬車で散歩をしたいのですが…」
恋人のかわいい態度に、アリアの胸はキュンと高鳴ります。もちろん彼の願いを断れるはずありません。
その結果、ミエールのことをアニーに押し付けて、アリアとアースは2人きりで馬車に乗って式場に向かいました。
ミエールのせいでアニーの計画が台無しに!
アリアが去った後。ミエールの世話を任されたアニーは、心底嫌そうな顔をします。
せっかくボブーン男爵と2人きりになれる機会なのに、邪魔者を押し付けられたのだから無理もありません。
そしてボブーン男爵が迎えに来ると、アニーとミエールは彼の馬車に乗りますがーー式場に到着するまでの間、馬車の中には静寂だけが漂いました。
『悪女は砂時計をひっくり返す』92話のネタバレと補足
ネタバレ補足①ミエールの邪悪さ
アニーとジェシーは、ミエールの世話をよく焼いているようです。
ミエールはまだ幼いので、これから正しく導けば真っ当な人間になれるはず・・・と2人は信じているのでしょう。
でも2人の苦労は、きっと徒労に終わります。どれだけ時を重ねようとミエールは悪女のままで、善人にはならないでしょう。
なにせアリアが過去に処刑された時、ミエールは大人になっても傲慢で残酷で、しかも笑いながらアリアに暴言を浴びせていましたから。
笑いながら人を死地に送るって、もう根っからの悪女ですよ。多分ミエールの性格は、一生治らないかと思います。
ネタバレ補足②メイドたちの誤算
アニーが男爵からもらったドレスを見て、他のメイドたちは羨ましがっていましたね。アニーは平民から貴族に成り上がったので、待望の的なのでしょう。
そんなアニーがボブーン男爵と恋仲になれたのは、ひとえにアリアのおかげ。そのためメイドたちは、あわよくばアリアに気に入られて『第二のアニー』になろうと企んでいますがーーー
多分、メイド達の願いは一生叶いません。だって彼女たちは、過去のアリアにいじわるをした面々ですから。
メイド達がどれだけ頑張って仕事をしても、アリアからの恩恵は受けられないでしょう。アリアは自分にいじわるをした人の顔を、今でもしっかり覚えているのです。