マンガ版『悪女は砂時計をひっくり返す』の90話のネタバレと感想です。
前回はプレデリック公爵家が全員退場し、オスカーも辺境へと追いやられましたね。そして今回は刑務所に送られたミエール視点で話が進みます。
今後、彼女はどうなるのでしょうか?感想を交えつつ、続きを読んでみましょう。
侍女のアニーが、ミエールの保護者に選ばれる
ミエールは監獄から解放される
保護者となったアニーに連れられ、ミエールはようやく監獄の外に出ます。すると豪華な白い馬車が止められていたので、顔を輝かせますがーーー
アニーから御者の隣に座るよう指示されたので、ミエールは屈辱のあまり顔を歪ませました。
ミエールは囚人服を着ていて、さらに御者の隣に座っているので非常に目立ちます。そのため馬車が街中を移動する際、人々はヒソヒソと陰口を言いました。
「ロースチェント・ミエールだわ」
「アリア様が助けてくれたんだって?幼いのに前科があるなんて」
その声を聞いたミエールは耐えられなくなり、もっと早く馬車を走らせるよう御者に怒鳴りつけます。
すると周囲の人々から「本当に厚かましい」とさらに罵倒されたので、ミエールは唇を噛みしめました。
アニーが保護者になった理由
アニーは馬車の中で、アリアに言われた言葉を思い出します。
『アニーがミエールの保護者になってあげて。あなたなら、あの子の面倒をよく見てくれると思うの。それにアニーはもうすぐ男爵の妻になるから、メイドの使い方を知っておくのも良いでしょう?』
ミエールはこの先、平民として生きなければなりません。
だから保護者になったアニーは、ミエールに平民として分相応に生きる方法を教えようと考えていました。
屋敷に戻ると、厳しい現実が待ち受けていた
ミエールの誤算
屋敷に到着すると、アリアが優しい笑顔を浮かべて2人を出迎えます。するとミエールは瞳をうるうるさせながら姉の元へと駆け寄りますがーー
その瞬間、アニーが間に入ってミエールを止めました。
「ちょっと待って!そんな恰好でお嬢様に近付かないで!匂いでも移ったらどうするの!」
まるで汚い物のように扱われたので、眉を吊り上げて抗議するミエール。しかしその怒りは、すぐさま不安に変わりました。
というのもアリアから、ミエールの保護者は今後もアニーに任せると言われたのです。
「アニーは私と一緒にいてくれた利口な子だから。保護者として遜色ないでしょう」
てっきりアリアが保護者だと思っていたので、ミエールは絶句します。
さらにアニーに連れられて風呂場へと移動する途中、メイドたちはミエールを見ながら小声で話しをするのです。
「これからは同じ立場だから、お嬢さんと呼べないわね…」
その会話を聞いたミエールは、ますます不安になりました。
平民として生きるには
「あれは…どういう意味?みんな、まるで私がここの使用人みたいに言ってたけど…」
風呂場に到着するなり質問するミエール。するとアニーは当然だという顔で答えました。
「ここで暮らすなら使用人として働くしかないでしょ。カリン様があなたを雇うことにしたの。ありがたく思ってよね」
カリンという名前に、疑問符を浮かべるミエール。しかしすぐに母親のことだと気づき、思った言葉をそのまま口にしました。
「そういえば…あの売春婦がそんな名前だったわね」
すると次の瞬間、ミエールは頭から水をかけられました。アニーが桶(おけ)に入った冷たい水をぶちまけたのです。
そしてアニーは厳しい口調で言いました。
「いい加減にしなさい!あなたは貴族階級ではなく平民よ。平民は働かなければ飢え死にするしかないの!」
するとミエールは怒りに震え、何てことをするの!と抗議します。しかしアニーは怯むことなく、一層強い口調で注意しました。
「ロースチェント・ミエール!あんたはこれから、こうやって生き方を学ぶしかないの!」
ミエールはようやく自分の置かれた状況を知る
兄妹3人で夕食をとる
使用人として働くことになったミエール。そして兄・カインもまた、王城で雇われて使用人として働くことになります。
それから数日後。
アリアに招待されて、ロースチェント家の兄妹たちは屋敷で一緒に夕食をとります。その際にカインは一連の件についてアリアに感謝の言葉を告げた後、父親の医療費について話しました。
「ミエールも数年後には成人するから、そうやってお父様の面倒を見れば費用負担も少なくて済むだろうし…とにかく、2人で働けば何とかなるだろう」
しかし兄の言葉を聞いたミエールは、目を丸くします。
「どういうことですか?まるでお父様の借金を私たちが一生働いて返さなければならないように聞こえますが…?」
ミエールはこの期に及んで、使用人として働くのは一時的なことだと思っていたのです。
なぜ私たちが仕事をする必要があるのか。お金が無いなら父と母が再婚すればいい。彼女はそう抗議します。
しかしカインの方は、カリンが他国の貴族と再婚することを知っていたので困った顔をします。
そして一方でアリアは、2人の様子を見てただ微笑みました。
(いくら何も知らないとはいえ、お母様にあんな扱いをしておいてなぜ自分に都合よく考えられるの?本当に…あなたがそういう人でよかったわ。ミエール)
ミエールが愚かで良かったと、アリアは幸せそうな笑顔を浮かべるのでした。
『悪女は砂時計をひっくり返す』90話のネタバレと感想
90話のおさらい
ミエールとカインは平民に降格し、使用人として働いています。
さらに父親は動けないため入院中なので、2人はその入院費も稼がなければなりません。かなり厳しい状況ですね。
ネタバレ感想
90話ではミエールの甘さが炸裂していましたね。
ミエールは甘やかされて育ち、乳母のエマからもずっと「あなたは特別な存在です」と言われてきました。
だからこそ平民になった今も、自分を特別な存在だと思っています。根っからのお嬢様ですね。
とはいえ平民になった以上、働かないと生きていけないし周囲は甘やかしてくれません。けれどミエールはそれを理解していないのです。
その事もあり、アニーは厳しく注意していました。
ミエールからすれば「無礼者!」って感じでしょうけど、あれはアニーの優しさですよ。保護者役を任されたから、アニーなりに責任をもって平民としての処世術を教えているのでしょう。
管理人さん、いつもありがとうございます(^^)
ミエールはきっと、義姉の保護下にて優雅な貴族生活を送れると思っていたんでしょうね…。
全てを自分の都合の良い方にばかり解釈する女の子ですから…。
>もみじさん
コメントありがとうございます!
多分そうだと思います。ミエールはそういう子ですから。