『悪女は砂時計をひっくり返す』の主人公・アリア。彼女は過去へとタイムスリップし、周囲の人間に復讐しようと誓います。
よくある逆行系のマンガですね。
しかし、ただのn番煎じではありません。主人公の悪女っぷりが凄まじく、さらに他キャラも相当なゲスっぷりを見せてくれます。
そこで今回は、1話~3話についてネタバレ感想&考察をまとめました。
目次
『悪女は砂時計をひっくり返す』のあらすじ

主人公・アリアは売春婦の娘。母親に似て、美しい顔をした少女です。
幼少期は貧しい暮らしでしたが、母親が伯爵と結婚したため貴族の一員となり、アリアの生活は一変します。
美しいドレスを纏い、豪華な屋敷で贅沢な暮らしをしていましたが…
1話のネタバレ
アリアと処刑台
気づいた時、アリアは処刑台にいました。
粗末な灰色のロープを着せられ、両手は後ろで縛られ、彼女の体はどこも傷だらけでボロボロ。美しかったその顔は、見る影もありません。
そしてアリアの眼前には、彼女に剣を突きつける義兄・カインがいますが…
アリアは、なぜ自分がこんな目にあっているのか思い出せずにいました。
ミエールの本心
その時、アリアの元に「最後の挨拶がしたい」と言って、優しげで上品な女性が近づいてきます。
彼女はアリアの妹・ミエール。アリアが虐めてきた腹違いの妹です。
アリアは今までに、ミエールを階段から突き落としたり毒を盛ったりして虐めていました。
しかしミエールは「(姉が悪事を働いたのは)私が未熟なせいかもしれない」と言って、最期の挨拶に来てくれたのです。
アリアはすでに声が出せませんでしたが、心の中で「ミエールは悪くない」「全部私がいけないの」と懺悔を繰り返しました。
かすむ視界の中、アリアは何とか顔を上げてミエールの顔を見ようとするのですが…この時アリアは、ミエールの様子がおかしいと気づきます。
ミエールはいつもの優しそうな顔ではなく、とても邪悪な顔をしていたのです。
そしてミエールは、アリアの耳元に顔を寄せて「いい加減、消えてくれない?」と呟きました。
ミエールが明かした、全ての真相
絶句するアリアに、ミエールは真実を伝えます。
アリアは侍女に言われてミエールを虐めましたが、それは全てミエールが命令したこと。
そもそもミエールは、アリアが屋敷に来た時から「殺したい」と思っていて、アリアが苦しむたびに愉悦を感じていたのです。
また、アリアの母親を毒殺したのもミエール自身でした。
何もかも、ミエールが仕組んだことだったのです。
ミエールの本性を知った直後、アリアは義兄・カインによって絶命させられます。
薄れゆく意識の中、アリアは「このままじゃ死ねない」と強く願っているとーーー
目の前に、砂時計が現れます。
その砂時計を見て、アリアは「砂時計のように過去に戻りたい」と願うのでした。
砂時計の力で、アリアはーーー
気づいたとき、アリアは”13歳の少女の姿”で食卓に座っていました。
目の前には母親・養父・ミエールがいたので、アリアは「本当に過去に戻れたんだ」と気づきます。
そしてこの時、悪女になってミエールに復讐することを誓いました。
2話のネタバレ
侍女・ジェシーの登場
アリアは食事中にケガをしてしまい、自室で手当てを受けていました。
手当をしてくれたのは、侍女のジェシー。
1回目の人生を送ったとき、侍女の中で唯一アリアの味方でいてくれた女性ですが…愚かだったアリアは、ジェシーを馬小屋に閉じ込めるなど酷い扱いをしていました。
その事を思い出したアリアは涙ぐみ、心中でジェシーに謝罪をします。
砂時計は神様からのプレゼント?
手当を受けたあと、アリアは自室のベッドで休もうとします。
しかし布団をめくると、そこには壊れた砂時計が置かれていました。
砂時計を見たアリアは「この砂時計は、神様からいただいた慈悲だ」と考えます。罠にかかったアリアを救うため、神様がプレゼントしてくれたのだろうと思ったのです。
アリアは歓喜に震えながら、神様に何度もお礼を言いました。
そして改めて、自分を苦しめた全ての人間に復讐をしようと誓います。
復讐を誓ったアリアの、最初の一歩
翌日の朝、アリアは家族みんなで食卓を囲みました。食卓にはアリアの養父・ロースチェント伯爵をはじめとし、アリアの母親・義兄のカイン・そして義妹のミエールが並んでいます。
ミエールはいつも通り穏やかな顔ですが、義兄のカインは明らかに不機嫌そうな様子。
というのも、カインはアリアと母親を嫌悪していたからです。
朝食まで時間があるので、アリアはロースチェント伯爵のために詩を朗読します。初代伯爵の詩を読んだことで、彼はいたく感心した様子。
しかしそこで、ミエールが口を挟みます。この詩には続きがあると言って、残りの部分を朗読しました。それは言外に、アリアよりも自分の方が優れていると証明するためだったのですが…
ミエールが読んだ詩は、初代伯爵を暗殺しようとした兄弟の詩。
10歳のミエールは詩の内容など理解していないため、読んではいけない詩を堂々と朗読してしまいました。
もちろんこの状況は、アリアによって仕組まれたもの。アリアはミエールに恥をかかせるため、あえて詩の後半を読まなかったのです。
3話のネタバレ
時を戻す前、アリアは礼儀作法を全く知りませんでした。
というのも彼女は、行儀が悪くても顔さえよければ問題ないと思っていたのです。事実アリアは美しいので、最初のころは男性たちに好かれていました。
しかし、顔などすぐに飽きられるもの。アリアの周囲からは、すぐに人がいなくなりました。
だからアリアは、失敗を繰り返さないために礼儀作法を徹底して学ぼうと考えました。
アリアに教育指導をしてくれるのは、ローゼン子爵の1人娘・サラ。
サラは優しく子供好きで、さらに将来は公爵夫人になる女性です。そこでアリアは、サラを利用しようと考えます。
サラに教えを請うた結果、アリアの礼儀作法はみるみるうちに上達しました。なるべく早くミエールを超えるために、アリアは必至だったのです。
アリアは、サラに「刺繍を覚えたい」とねだります。
サラは刺繍が上手で、その腕前は貴族令嬢たちの手本となるほど。そしてこの国では、娘や夫人から始めて受け取ったハンカチを持っていると、病気をせず長生きできるというジンクスもありました。
だからアリアは、刺繍したハンカチを義父・ロースチェント伯爵に渡して好感度をアップさせようと考えます。
もちろん、ミエールに邪魔されないよう内密に。
そして努力の結果、出来上がったのは市販品のように美しい刺繍でした。
感想&考察
キャラの性格&倫理観がヤバイ件について

アリアの「神様ありがとう!私、がんばって皆に復讐しますね!」が衝撃的でした…
ドロドロした復讐劇なのに、こんなに晴れやかで希望に満ちあふれた顔をする主人公はとてもメンタルが強いですね。
悲劇のはずなのに、あまり悲劇らしさを感じないストーリーです。メインキャラの倫理観が崩壊しているせいでしょうか。
アリアは非常にわがままで、メイドの舌を抜くような悪女。
ミエールはいい子のフリをした冷徹人間。アリアを初対面で「よしコロコロしよう」と考えるような子です。
やばい子しかいませんね!
- アリア:わがまま&横暴
- ミエール:倫理観がやばい
- カイン:プライドの高いお坊ちゃん
- 父親:由緒ある伯爵家に、平民の妻を迎えてしまった人。全ての元凶
- 母親:伯爵夫人へと成り上がった超野心家。
ちなみにアリアの母親は、33歳で伯爵夫人と成り上がりました。しかも女手一つでアリアを育てたので、相当タフですね。