ピッコマで連載中の『悪女は砂時計をひっくり返す』の74話~75話のネタバレ感想です。
前回ミエールは屋敷を脱出し、イシースと共にクロア王国へやって来ました。そしてアースの能力について報せるため、国王・ローハンに話を聞いてほしいと進言しましたが…
ローハンはどんな反応を見せるのでしょうか?ストーリーと感想をまとめました。
目次
74話のネタバレ|ミエールは国王・ローハンに直訴する
ローハン国王にアースの能力を報せる
アースの能力について知らせるため、ミエールは国王・ローハンのいる執務室を訪ねます。
すると彼は「そんなに畏まらないで」と気さくな態度でミエールを招き入れ、また話を詳しく聞きたいと興味を示しました。
話を聞き終えると、ローハンは言いました。
「僕は一理あると思うんだけど。君はどう思う、ビカ?」
気が付くとミエールの背後には、茶髪の男性――ビカが立っていました。そしてビカもまた、ミエールの話は一理あると進言します。というのも彼は以前、奇妙なほどにアースの移動が速いと感じた記憶があるそうです。
その意見を聞いたローハンは、帝国には自分すら知らない“何か”があるのかも知れないね…と思案します。
そしてミエールに顔を近づけると「私は君の言うことを信じることにするよ」と優しく告げました。
目の前の麗しい顔に、頬を染めるミエール。またこの時、ローハンに昼食に誘われたため彼女はなおさら舞い上がりました。
4人で昼食
しかし昼食は2人きりではなくイシースとビカも一緒だったので、ミエールは内心ガッカリします。
そして何気ない会話をする中、ローハンは突然、帝国がクロア王国のものになったらミエールが欲しいと言い出しました。
その言葉に「光栄です!行きます!」と即答するミエール。顔を赤らめて、感極まった様子です。
一方でイシースは、お望みならいつでもどうぞと微笑んで返事をしますが…
内心では、いったい2人は何の話をしたんだと警戒していました。どうせミエールはもう役立たずなので置いて行けるなら好都合ですが、ローハンが本当に彼女のとんでもない話を信じたのか気になったのです。
しかしイシースはすぐに、彼の笑顔が嘲笑だと気づきます。ミエールのでたらめな言葉が、帝国をあざ笑うネタになるから気に入ったのかもしれない…と、彼女は考えました。
(あの狸のような若き王…しかし、それでも帝国の実権は私が握る)
イシースは徹底的にローハンを利用して、帝国には指一本触れさせないつもりでした。
ローハンの予想外な発言
するとビカは、ローハンとイシースの結婚について話を切り出します。イシースもいるので丁度いい機会だと彼は言いますが…
しかしローハンは、何のことだと怪訝な顔をします。というのも彼は、イシースとすぐに結婚する気は無かったのです。
結婚しようと言い出したのはローハンの方ですが、それはあくまで“帝国を奪えば”という前提付き。だから今は結婚しない。それが彼の言い分でした。
一方でイシースは、予想外の言葉に顔を真っ青にします。それもそのはずで、彼女は書面でのやり取りから『結婚後に帝国を討つ』と思っていたのです。
しかしビカまでもがローハンの言葉に同意するので、イシースは眉間にしわを寄せながらも渋々承諾しました。
ピアスト侯爵の来訪
するとその時、従者から“ピアスト侯爵”が訪問したと連絡が入ります。ローハンによれば、今回の反乱に必要な兵士はすべて彼が用意してくれたそう。
そしてピアスト侯爵も昼食の席に混ざると、彼は「兵力を二倍ほど増やし、いつでも移動できるようにしておきました」とローハンに報告し、さらにイシースが戦争の準備のため帝国に帰還する際、一緒に付いていくと言い出しました。
というのもピアスト侯爵は、帝国に“探し物”があるそう。彼が兵士を支援したのも、それが目的のようです。
アリア視点|ミエールの脱出を知る
「何てこと、本当にミエールが脱出するなんて…」
空っぽの部屋を眺めながら、アリアは腰に手をあてて呟きます。そして背後にいるアースに、イシース公女に付いていくほど貴族派には確実な計画があるみたいですね…と話しかけました。
すると彼は、イシースはクロア国王と結婚をして帝国を討ちに来るだろうと説明します。
この話を聞いたアリアは驚き、やはり戦争が起こるのですか?と心配しますが・・・
アースは余裕たっぷりな顔で、心配する必要はないと答えます。彼によれば、この状況もまた計画の一部に過ぎないそうです。
75話のネタバレ|アースはすでにクーデター対策をしていた
アースの計画
アースによれば、貴族派のクーデターはすでに対策済みとの事。そして彼は、不安そうな顔をするアリアに計画の一部を説明しました。
- イシース公女は間もなく、クロア王国から民間人のフリをした兵士たちと一緒に帝国に帰ってくる
- その兵士たちは貴族派の屋敷に散らばり、決戦の日まで備えるだろう
- 恐らくカインも、ロースチェント邸で兵士たちを保護するはず
「そんな…!結局、戦争が起きるのではありませんか。計画というのは、迎え撃つための兵力を準備しという意味ですか?」
アリアが質問するも、アースは明確な答えをくれません。しかしその代わり、彼はアリアの手をそっと握って言いました。
「一つ言えるのは、あまり心配しなくてもいいという事です」
今はすべての事情を説明できないから、あなたは安全なところで見守っていてほしい。サプライズでも準備するような口調で言うものだから、アリアはそれ以上何も聞きませんでした。
お互いにすべてを共有する必要はないので、アースを信じようと思ったのです。
母親はこっそり〇〇をしていた
ロースチェント家での食事中、カインは食べ終わるとすぐに席を立ちます。伯爵代理としての仕事が忙しいようです。
そのためアリアは、お父様が早く復帰できると良いですね…と声をかけるも、彼は「ロースチェント家の当主は僕だから必要ない!」と豪語しました。
アカデミーを卒業したばかりの若造が自分を過信しているものだから、アリアは呆れます。しかしカインの傲慢さは、アリアと母親にとっては都合がいいものでした。
というのも今の状況を利用して、彼女たちは伯爵家の財産を少しずつ横領しているのです。
それこそカインが気づく頃には、何も残っていないでしょう。
屋敷にクロムの兵士たちが滞在する
ある日、ロースチェント家にたくさんの若者たちが訪れます。そしてカインは使用人たちに、自分の客だから丁重に扱うよう命令しました。
しかし彼らを見て、アリアは疑問に思います。
噂によれば、彼らは傍若無人な態度を取っているそうですが…アリアに対してはみんな紳士的なのです。
(ふぅん。分かった。私が皇太子の恋人だから、顔色を伺っているのね。刺激したら、私が計画を邪魔するかも知れないから)
けれど、これがアースの計画の一部なら彼らを積極的に助けるのが正しい方法でしょう。
それに気付いたアリアは、現状を利用してロースチェント家を叩いておこうと考えます。
そのため若者たちに、お兄様の優しさに甘えて気楽にしていいと思いますよ…と優しく声を掛けて、傍若無人に振る舞うよう誘導します。
結果、若者たちはその日のうちに屋敷内で宴会をはじめました。酒を飲んで大騒ぎするので、出費は相当なものです。
この惨状にカインは顔を青くするも、相手はクロア王国の兵士なので何も言えません。ただ怒りを抑えて耐えるだけでした。
そして数日後、メイドの1人がついにキレました。若者たちは食べる量が多いため食材を調達するのが大変で、おまけに無礼な態度だからです。
するとアリアは天使のような顔で「なら全部お金で解決しましょう」と提案しました。
つまり食料を事前にたくさん購入し、洗濯が大変なら新しい布団を買ってくればいいと言うワケです。しかしそんな事をすれば大金が必要になるため、メイドたちは仰天しますが…
責任は私が追うから大丈夫だとアリアが言えば、メイドたちは喜んで提案に従います。
こうしてアリアは、伯爵家が(財政的に)二度と立ち上がれないほど徹底的に攻撃しました。
ピアスト侯爵の探し人
ピアスト侯爵とビカは、馬車でロースチェント邸へと向かっていました。
というのもピアスト侯爵は、息子・クロイのためにある女性を探していて、ビカの情報によれば彼女はロースチェント邸にいるらしいのです。
そしてロースチェント邸に到着するとアリアの母親が出迎えてくれたので、侯爵とビカはお見舞いに来たと嘘をつきますが…
このとき侯爵はアリアの母親を見て、この女性こそ今まで探していた者に違いないと気づきました。
補足|クロイとアリアの母親の関係
75話のラストが若干わかりにくいので、管理人なりに状況をまとめました。
クロイって誰だっけ?アリアの母親とどんな関係があるの?という人は、以下を参考にしてみてください。
- ピアスト侯爵の息子・クロイは帝国の皇族として育った。ちなみにフレイ(女性裁判官)の弟
- しかしクロイは婚外子のため帝国を追放され(65話参照)、実父のピアスト侯爵に引き取られた
- ピアスト侯爵は、クロイの初恋の相手を探している
- 初恋の相手=アリアの実母
- アリアの容姿はクロイにそっくり
ここまで読んでお察しかと思いますが、恐らくアリアの実父=クロイです。
クロイはアリアの母親と恋に落ち、そして父親そっくりなアリアが生まれたのでしょう。漫画ではまだ断言されていませんが、多分そういう事だと思います。
『悪女は砂時計をひっくり返す』74~75話の感想
74話の感想①ローハンの企みについて
74話では、ローハンの奇妙な行動が目立ちましたね。
ローハンはミエールの奇天烈な話を信じると言い、さらにイシースとの結婚について「今はしない」と手のひらを返します。
結婚の件についてはイシースが勘違いしたのではなく、書面できちんと話をしていたようです。にも関わらず、ローハンはこの期に及んでまだ結婚しないと言い出したのです。
この行動、奇妙ですよね。
結婚の先延ばしについて彼は言い訳をしていましたが、その理由は納得のいかないもの。というか普通は、協定を組んでいる相手にこんな事を言いません。
つまりこの時点で、ローハンは何かを企んでいるとわかりますね。
74話の感想②浮気性なミエール
昼食中にローハンが「ミエールが欲しい」と言い出したシーンについて。この時、ミエールは「行きます!」と即答していましたが…
いや、行きますじゃないんだわ。君には婚約者のオスカーがいるでしょうに。少しは躊躇しなさいよ。
しかもこの会話、イシースの前で行われています。つまり婚約者の姉の前で、ミエールは他の男に付いていくと発言したワケですね。
非常識なんてレベルじゃありません。そしてオスカーが非常に不憫です。