マンガ版『悪女は砂時計をひっくり返す』の102話のネタバレと感想です。
前回アリアが家族の愛情について考えていると、ミエールの幻影が現れて「お姉様は悪女なのに」と囁きかけました。
アリアはこの幻影にどう立ち向かうのでしょうか?続きを読んでみましょう。
目次
ミエールの幻影が現れ、アリアに現実を突き付ける
お姉様は悪女でしょう?
ミエールの幻影は、優しげな顔でアリアに囁きかけます。
「アリアお姉様は、私に劣らない悪女ではありませんか。悪女でありながら何を望んでいるんですか。暖かな情?永遠の愛?無限の関心?お姉様がそんなものを享受する資格があると思うのですか?」
出身が少し良くなったところで貴族たちは依然としてアリアをよく思わず、また彼女を慕う平民ですら、アリアが小さなミスをすれば疑惑の目を向けるでしょう。
ミエールの幻影はそう指摘しますが、アリアは彼女の手を払い除けて言いました。
「…あなたにそんな言葉を言われずとも、私が悪女であることは誰よりも私が一番よく知ってるわ」
さらにアリアは、もし自分の本性が明らかになったらその時に処理すれば良いことだと言います。
復讐を終えたアリアは、過去から離れて新しい未来へと向かっているのです。親族への情を感じるようになれたのも、その影響だろうと考えていました。
それでもミエールの幻影は微笑を崩さずに、なおもアリアのことを悪女だと言い続けますが・・・
アリアは面と向かって言いました。
「あなたが何と言おうと構わないわ。生き残った者だけが人生を謳歌できるのだから」
そう言い返すと、ミエールの幻影は微笑を浮かべたまま姿を消しました。
幻影の正体
ミエールの幻影が消えた後、アリアの前にバラで埋め尽くされた棺が現れます。ただしそこに眠っているのはミエールではなく、前世で処刑された時のアリアでした。
その哀れな自分の姿を見て、アリアは呟きます。
「このまま消えて永遠に現れなければいいのに‥‥そうもいかないわね。ミエールの仮面をかぶった、私の不安」
先ほどまでアリアを責め立てていたのは、ミエール本人ではなく彼女の姿を借りたアリア自身だったのです。
そしてアリアは棺の中にいる自身の顔をなでると、あなたを永遠に忘れることはできないでしょうね…と小さく笑いました。
アリアは初めて、祖母・バイオレットとまともに会話をする
バイオレットに会いに行く
その後アリアは、ローハンにお礼を言って別れてからバイオレットの元へと向かいます。そして夕日の中でたたずむバイオレットを見つけると、彼女に声をかけました。
「侯爵夫人、一緒に散歩をしてもいいですか?」
その一言がよほど嬉しかったのか、バイオレットはうっすらと涙を浮かべて笑うのでした。
祖母の悲しい本音
初めてバイオレットと向かい合って会話をすると、彼女は寂しげな顔で自らの心情を明かしました。
クロイが外に出られないのもフレイが結婚しなかったのも、バイオレットは自分の離婚問題のせいだと思っているようです。
だからこそ彼女は、立派に育ったアリアを見たときに心を慰められたのだと言います。
自分の血が流れていても、ちゃんと幸せになれる子供がいるのだと。アリアを通して、自分にかかった呪いが解けた気がして嬉しかったのです。
「こんな気持ちを感じたのは一体いつぶりか分かりません。言葉までかけてくれてありがとう」
そう言って穏やかに微笑むバイオレット。また同時に、アリアの幸せが自分の幸せだとも言いますがーーー
よくよく聞けば、彼女はちゃっかり”幸せになってね”とアリアに圧をかけています。どうやら恋のケンカに巻き込まれただけの純粋な人ではないようです。
それに気付いたアリアは冷や汗をたらしながらも「もちろんです」と自分にできる最善の答えを告げるのでした。
アリアは家族の愛情をまだ理解できませんが、とにかく自分がこの家の子供だということはよく分かったのです。
母・カリンと父・クロイの結婚式が行われる
幸せな結婚式
数日後、アリアの母・カリンと父・クロイの結婚式が盛大に行われます。
そして結婚式が終わった後、アリアは成人式があるのでそろそろ帝国に戻らなければと話を切り出しますがーーー
クロイが成人式もクロア王国で行えばいいと言い出し、バイオレットとカリンもそれに賛同します。
その結果アリアは断り切れず、成人式の後で帝国に帰ることになります。なおアリアの帰還が遅れると手紙で知らされたアースは、ショックのあまり呆然とするのでした。
『悪女は砂時計をひっくり返す』102話のネタバレと感想
102話のネタバレ感想①ミエールの幻影について
ミエールの幻影が登場しましたが、その正体はアリアの『不安』でした。
つまり将来への不安や後ろめたさが、ミエールの姿を借りてアリアに語り掛けていたのです。
言い換えれば、ミエールの幻影が言っていた言葉はすべてアリアの本心。
現在のアリアは聖女だと言われていますが、アリア本人は自分が悪女であることを自覚し、そのことを忘れる気はないようです。
つまりこの先もずっと、犯した罪を忘れることなく生きていくのでしょう。
とはいえ一方で、アリアが新しい未来に向かって歩き出したことも事実。まだ家族の愛情は理解できなくても、そういったことを考える余裕も出てきました。
なので不安を感じつつも、アリアはちゃんと将来に進んでいけるのかなと思います。
102話のネタバレ感想②アリアの覚悟について
生き残るために仕方がなかったとはいえ、アリアは何人も破滅させています。しかしそれについて一切言い訳をせず、悪女であることを受け入れて生きていく。これがアリアの決断です。
アリアのこういった性格は、ミエールと対照的ですね。
ミエールは何もかもを人のせいにして自分を正当化しましたが、一方でアリアは、理由があろうと罪は罪だと割り切っているイメージです。
簡単に言えば、罪を忘れないことで自分を戒めているというか…上手く表現できませんが、そこがアリアの強さなのかなと思います。
母親のカリンもそうですが、2人とも芯の強い女性ですね。
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