漫画『今世は当主になります』の56話のネタバレと感想です。
建国祭がはじまり、フィレンティアとペレスは3年ぶりの再会を果たします。さらに前回のラストでは、ギャラハンが表彰されて役職まで与えられましたね。
この先どうなるのでしょうか?以下にストーリーの続きをまとめました。
ギャラハンは勲章だけでなく領地まで与えられる
領主に任命される
「ギャラハンを本日付で、チュサユ地域の領主に任命する」
なんと皇帝は、ギャラハンに勲章だけでなく領地まで与えます。
建国祭での勲章は特別なものですが、勲章は勲章。あくまで名誉にしか過ぎません。しかし今回、重役でもないギャラハンが領地を与えられたのです。
そのため貴族たちは一様に驚き、またギャラハン自身も困惑しました。
叔母・サーシャウ夫人と出会う
表彰が終わると、ギャラハンはげっそりした様子でフィレンティアの元に戻ってきます。
「ティア、お父さん…こんなに良いものを貰ってどうしよう…」
困惑のあまり、彼は青い顔をしています。
するとそこに、豪華なアクセサリーと品の良いドレスを身に着けた老婦人がやって来て言いました。
「どうしようも何も、感謝して生きていけばいいのよ」
この老婦人は、ギャラハンの叔母・サーシャウ夫人。
帝国一の穀倉地帯であり織物生産地でもある土地の領主。さらにフィレンティアの祖母・ナタリアと同じ家門の出身です。
突然現れた叔母に驚くギャラハン。
一方でフィレンティアは、サーシャウ夫人を観察しながらも淑女らしく挨拶をしました。
「こんにちはサーシャウ夫人。フィレンティア・ロンバルディと申します」
4代大家門の当主なら自尊心が高いはず。そのためフィレンティアは、親族として気安く接するよりも公的な呼称で呼ぶほうが好まれるだろうと推測します。
その考えは当たったらしく、サーシャウ夫人はわずかに表情を緩めました。
『女当主』としての手本
サーシャウ夫人とギャラハンが会話をしている間、フィレンティアはサーシャウ夫人を観察します。
というのもサーシャウ夫人は、帝国内では珍しい女当主。
彼女は夫と子供を早くに失くしたため当主になることが認められ、その後、家門の権利を渡せという親族の要求を自身の実力で黙らせてから今の地位を固めたのです。
(『女当主』としてロンバルディを導くためには、サーシャウ夫人をロールモデルにした方がいいかもしれない)
サーシャウ夫人は手本となる存在なので、フィレンティアは目を輝かせながら彼女を見つめました。
フィレンティアのドレスが注目される
サーシャウ夫人はギャラハンに小言を言い終えると、フィレンティアのドレスを褒めました。
「なんてきれいな服なのかしら。これもギャラハン衣服店の服なのでしょう?」
「はい!父が作った服に、私が直接飾りをつけてみました」
するとサーシャウ夫人はドレスのスカート部分に触れながら、サーシャウ産のシルクをこのように活用するなんて…と興味深そうに観察します。
そしてギャラハンに目を向けると、商談を持ちかけました。
「どうかしら、ギャラハン。あなたの娘の腕前だけ見ても、私たちのサーシャウ産シルクとあなたの既製服はとても相性が良いみたいだけど…」
するとその時、ちょっと待った!と第三者の声が響きます。そして老紳士と褐色肌の男がギャラハンの元にやって来て、猛抗議を始めました。
「その服の宝石はうちのアイバン鉱山から採掘したエメラルドです」
「レースは東部の特産品ですよ」
彼らもギャラハンと手を組みたがっているので、サーシャウ夫人に先を越されてなるものかと割り込んできたのです。
その結果、貴族たちに囲まれたギャラハンは大慌て。
それを見たフィレンティアは、みんなエサに食いついたわね…とほくそ笑むのでした。
【回想】フィレンティアの真の狙いとは?
今朝の出来事
今朝、ロンバルディ邸での出来事。フィレンティアの豪華なドレスを見て、侍女のラウリルは感激しました。
「お嬢様、最高です!今日のパーティーでお嬢様ほど素敵なドレスを着た女性はいないでしょう!」
最初フィレンティアのドレスは装飾品のないシンプルなものでしたが、フィレンティアは自分の手で様々な装飾品を飾り付けたのです。
そのためラウリルは、こんなにも綺麗な服に生まれ変わるなんてと感心しますがーーその一方で、なぜこんなに手間をかけたのかと不思議そうな顔をします。
わざわざ自分で飾り付けずとも、最初から仕立て屋に注文しておけば、もっと早くに完成したはずですから。
そのセリフを聞くと、フィレンティアは「ラウリルは何も知らないのね」という顔をします。
というのもこのドレスは、フィレンティアが今回のパーティーに出席する「一番の理由」だったのです。
『今世は当主になります』56話のネタバレと感想
56話のネタバレ感想|サーシャウ夫人について
今回登場したサーシャウ夫人は、珍しい女当主。帝国法では女性が当主となることを禁止していませんが、実際の女当主はレアケースなのです。
つまり女当主を目指すフィレンティアにとって、サーシャウ夫人は先輩となる存在。
本編によると、サーシャウ夫人は当主の座を継承する際に、反対する身内を全員実力で黙らせたそうですから。フィレンティアが目指す強い女性像に近いので、いいお手本になるでしょう。