この記事では『再婚承認を要求します外伝・ソビエシュの回帰』について管理人の考察を紹介しています。
とくに最終回については、ソビエシュは現実世界に戻ったのか。なぜ懐中時計が途中で止まったのか。いろいろと疑問が残るストーリーでした。
本記事ではこれらの疑問について管理人なりの答えを出したので、暇つぶしがてら読んでもらえれば嬉しいです。
はじめに|外伝のストーリーは全て繋がっている

『ソビエシュの回帰』について考察する前に、まず本作の『前提』についてお話しておきます。この前提を無視するとストーリーを読み解けないと思うので、少しお付き合いください。
前提①外伝は全て繋がっている
これは読者全員が感じたと思いますが、『ソビエシュの回帰』は単体だとストーリーを読み解くのが難しい作品です。
恐らく本作で生じた謎は、次回以降の外伝で明かされるのかなと思います。
前回の『もしラスタがナビエに送られたら』で生じた謎(つまりラスタが見ていた夢は何だったのか)について、パラレルワールドだとわかったのが本作。となると本作の疑問については次回の外伝で明らかになるのでしょう。
つまり外伝のストーリーは繋がっていて、全て読まないと話の全貌が分からない。そういうタイプの作品なのだと思います。

なのでこの先紹介する内容は、あくまで管理人なりの解釈。情報不足の中、頭をこねくりまわして考えた1つの可能性。その点を踏まえたうえでお読みいただければ幸いです。
前提②この世界の仕組み
次にソビエシュが回帰した理由と、彼がパラレルワールドに残るための条件について復習しておきましょう。本記事では以下の5点を前提としたうえで、ラストシーンにまつわる謎を1つずつ考察していきます。
- この世界はパラレルワールドである
- ソビエシュを回帰させたのは例の懐中時計
- 過去に留まり続けるには、自身の願いを叶える必要がある
- それができなければ現実世界に戻るしかない
- 彼の願いとは、ナビエの許しと愛情を得ること
長くなりましたが、ここまでが前提です。以下、管理人なりの考察をまとめました。
ソビエシュの回帰・考察|最終回にまつわる4つの謎
考察①なぜ懐中時計が動き出した?

12話でラスタのお見舞いに行った後。ソビエシュはナビエに拒絶され、そのとき止まっていた懐中時計が動き出しました。
急に時計が動きだしたのは、ソビエシュの願いが叶わないと確定したからでしょう。
言い換えれば、ナビエの愛情を得られる可能性が完全に消えた。もう運命が確定して修正できなくなった。
もっと簡単に言うなら、ナビエに拒絶されたとき現実世界に戻る条件が整ってしまったのでしょう。
学園長も『ソビエシュの願いが叶わなければ現実に戻るしかない』と言っていましたから。懐中時計が動き出したということは、そういう事だと思います。
考察②なぜナビエに触れた瞬間、秒針が止まったのか
現実世界に戻される前に、ソビエシュはナビエに会うためトロビー公爵家に向かいました。最初は居留守を使われましたが、最終的にナビエは姿を現して彼の手を取ってくれます。
そして不思議なことに、彼女に触れたとき秒針の音が止まります。タイムリミットまで1分を切っていたのに、急に音が消えたのです。
このシーンは不思議でしたよね。
もしかすると懐中時計が最後にボーナスタイムを与えてくれた……と解釈することもできますが、『再婚承認を要求します』という作品の傾向を考えるならそんなご都合展開は起きないでしょう。
となれば秒針が止まったことには、何か理由があるはずです。
じゃあその理由とは何なのか?
これは色々考えたのですが、ソビエシュの願いが『半分』叶ったから一瞬だけ時計の針が止まったのかな?と思いました。
つまりこういう事↓かと。
- 12話冒頭で『ナビエの愛情を得る』という願いは破綻した
- だから懐中時計が動き出した
- けれどもう1つの願いである『ナビエの許しを得る』はまだ破綻していない
- 最後にナビエが庭に現れてソビエシュの手に触れたとき、ナビエは彼を許していた。
- つまり願いが半分だけ叶った状態。だから時計が一瞬止まった。
考えて考えて、たどり着いたのがこの結論です。
きっと全ての出来事には理由があって、それらは全て繋がっている。そう考えたうえでこの解釈になりました。
考察③結局のところ現実世界に戻ったのか
とはいえナビエの愛情は得られなかったので、最終的にソビエシュは現実世界に戻ったはずです。
そうじゃないと学園長の話(つまり1章の前提)と矛盾しますから。逆に帰還してないとおかしい。
ただソビエシュが過去で行った努力すべてが無駄になったかと聞かれれば、そうじゃないと思います。
なぜなら最後のシーンで、ナビエは彼の手を握っていましたから。
補足に書きましたが、ストーリー全体を見ると『手を握る』という行動には重要な意味が込められている気がします(※)
それにナビエの態度を見るに、仕方がなく握ったとはいえ恨みや嫌悪を抱いているようには思えません。もしかすると現実のナビエはすでにソビエシュを許しているのかもしれませんね。
つまり『ナビエに許してほしい』という願いは、最初から半分叶っていた。それが本作のオチなのかなと。
その度に彼は触れる事すらできずに手を降ろしてきましたが、最後にその手を取ってもらえた。この行動には深い意味がある気がするのです。
考察④ナビエのセリフについて
12話の最後で、ソビエシュとナビエの会話シーンがありましたよね。
この時ナビエは「あなたは10年前から私の手を掴もうとするけど~」と言っていたので、彼は随分と長い間眠っていたのかもしれません。
それこそパラレルワールドで過ごしたのは数日間だけだけど、現実世界では10年の時が経っていた。そんな浦島太郎のような状態に陥っていた可能性もあります。
その場合、ナビエの年齢は50代(または60代?)くらいでしょうか。年を取ったナビエもきっと素敵でしょうね。
まとめ|回帰によりソビエシュは少しだけ救われた
ラストシーンの解釈

ナビエの愛情が欲しい。ソビエシュのその切実な願いは叶いませんでしたが、もう一つの『ナビエに許されたい』という願いは叶ったように見えます。
だから現実世界に戻る直前、少しだけ秒針の音が止まって彼女と言葉を交わす時間が得られたのでしょう。管理人はそのように解釈しました。
情報が少ないので正しく読み解けているか自信がありませんが、こういう展開であればいいな……と思っています。
この物語はバッドエンドではない
その上で『ソビエシュの回帰』を1つの物語として評価するなら、ハッピーエンドではないけれどバッドエンドでもないという印象です。
回帰したことで、ソビエシュの気持ちは多少救われたのではないでしょうか。もちろん後悔は残っているけれど、無慈悲な結末ではないはず。
それこそ1話目感想で書いたとおり、少しだけ癒しを得たのかな…という印象です。