小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝48 野望(2)』の概要をまとめました。
前回ついに、モテはシシと再会しました。シシは現在、皇帝の娘(仮)という特殊な立場にありますが…この先どうなるのでしょうか?
管理人の感想を添えつつ、ストーリーを簡単に紹介します。
目次
シシ視点|モテとの再会を喜び、自分の近況を話す
モテとシシの再会
シシは驚きながらも、モテがすぐそばに近付くと嬉しそうに跳び上がります。シシが以前よりも幸せそうに見えたので、モテはやっと安心しました。
そして世間話をしながら、シシはヴェルディ子爵夫人の屋敷へとモテを案内します。
本当はソビエシュとの関係もモテに話したいのですがーーその部分は秘密にしました。
というのもソビエシュから、事実を隠すように頼まれていたのです。もしラスタの娘だと周囲にバレれば、シシが虐げられるかもしれませんから。
とはいえ子爵夫人のことを教えてくれたのはモテなので、シシは申し訳なくなります。そのため躊躇いながらも、近いうちに詳しい事情を話すと約束しました。
モテ視点|シシから全ての事情を聞く
シシからの招待状
旅館に戻ってまもなくすると、シシからの使者がやって来ました。使者はシシからの招待状をモテに渡すと、馬車に乗るよう指示します。
そしてモテは馬車の中で手紙を読むと、そこには『来たら全部話すから、驚かないでね』と書かれていました。その字が喜びでいっぱいなので、モテはほっとします。
馬車が到着したので降りると、そこには真珠色のドレスを着たシシが立っていました。
「他の人には内緒だよ。でもモテにだけは話したかったの」
シシはそう告げるも、モテは言葉の意味がわかりません。するとその時、あの子がお前の友達か?と低くて暗い声が聞こえてきました。
シシの”お父様”と対面する
声が聞こえたので、モテは慌てて帽子を目深にかぶります。
シシは彼のことを”お父様”と呼び、モテに帽子を脱いで挨拶するよう言いますが、その言葉にモテは躊躇いました。
シシの父ならばモテの父である可能性が高いので、顔を見せても良いものか悩んだのです。
しかし父親の顔は気になるので、ゆっくり帽子を下ろして頭を上げるとーーーモテとソビエシュは、両者ともに目を見開きました。
モテはその人が東大帝国の皇帝であることに、ソビエシュは子供がラスタそっくりなことに驚いたのです。
パルアン侯爵視点|カイを狙った犯人を追いかける
犯人は何者かと密会していた
その時、パルアン侯爵は犯人を追いかけていました。そして廃墟に到着すると、犯人の気配を感じてそこに忍び込み、柱に隠れます。
すると犯人と覆面の男がやって来て、会話をしはじめました。
「カイ王子が皇居にいるらしいが、なぜ任務に失敗したんだ?」
「ナイフで刺したのに、刺した感触がしなかったのです」
すると覆面の男は、そんな事はあり得ないしカイ王子は魔法の腕が悪いだろうと反論しますが・・・それを聞いたパルアン侯爵は、笑いを堪えられず肩を震わせました。
なぜならカイの能力は水で、特技は自分の体の一部を一瞬だけ水に変えることだから。
そんな優れた子に魔法の腕が悪いだなんて言うので、マヌケな連中だと思ったのです。
「すみません大公様、もう一度チャンスを…」
しかし犯人が告げるや否や、血の匂いが漂ってきます。そしてパルアン侯爵は、犯人を殺したもう1人の犯人を追いますが・・・
犯人は逃走経路を用意していたため、見失ってしまいました。
犯人はリルテアン大公か?
パルアン侯爵は宮殿に戻ると、カイにこのことを知らせます。
犯人は“大公”と言っていたので、恐らくリルテアン大公が黒幕。そして犯人の狙いは、カイだけのようです。
それらを伝えると、カイはソビエシュにも伝えるため東宮へと向かいました。
ソビエシュ視点|ラスタによく似た子供に出会う
モテの顔を見た結果
ソビエシュは一瞬「グローリエム」と名前を呼びそうになるも、表情を引き締めました。
というのも目の前の子供を見て、ラスタの第一子である“アン”だと思ったのです。
ソビエシュは空しく震える心を抑え切れません。“アン”を見ていると、シシはグローリエムでないような気がしたのです。
そして2人の子供の話し声を聞きながら、彼は目を閉じて手で目尻を覆いました。
モテ視点|自分こそが”悲運の王女”だと気付く
実父について思うこと
モテが驚いていると、シシはにやりと笑って囁きます。
「正確に王女じゃないの。”悲運の王女”のことは知ってるでしょ?」
モテはその話を聞きながら、木の根元に座り込んだソビエシュを横目に見ます。そして複雑な気持ちになりました。
シシが自分の席にいるのなら、恐らく本当の”悲運の王女”は自分だろう。ソビエシュが実父かどうか不明だが、彼は実母を廃位させて塔に閉じ込めた男だ。
シシは今さら、実母にも実父にも愛情がわきません。
結局モテは、彼にならい自分も口をつぐみます。その方が、みんなにとって良い事だと思ったのです。そして頭が痛いからと言って、1人旅館に戻りました。
私は廃位になったお姫様ですか?
そして旅館に戻るや否や、モテは荷造りをします。そして帰ってきたケルドリックに、私は廃位されたお姫様だったんですか?と淡々と質問しました。
すると彼は驚いて後ずさりますが、モテは荷造りしたカバンを背負って笑います。
「シシは元気でしたよ。幸せそうに見えました。私は養父母を愛しているから、今はシシの席に執着はありません。」
モテはそう告げると、旅館を出て行きました。皇帝に顔を見られたので、ケルドリックの用事が終わるまで隣街で過ごすことにしたのです。
そして馬に乗り、整備された道を駆け抜ける最中。モテは今までずっと堪えていた涙を流しました。
【補足】ソビエシュが意外と冷静だった件
シシが娘でない可能性も考えていた
ソビエシュについての補足ですが、彼は最初からシシが娘でない可能性も考慮していたようです。
そして、もし本当の娘でなくてもシシに優しくしてあげる予定でした。盲目的にシシを娘だと信じていたワケではありません。
さらに今回モテに会ったことで「やはりシシは自分の娘じゃないのかも」と考えてしまい、虚しさが込み上げてきたようです。
頭では理解していても、いざ現実を突きつけられると辛かったのでしょうね。
『再婚承認を要求します』外伝48野望(2)のネタバレ感想
感想①モテの悲しい選択
48話にしてようやく、モテは自分の出自を知りました。
悲運のお姫様・グローリエム。廃位された皇后の娘。それが自分の正体だと気づくも、モテは何も言いません。実父のソビエシュに会っても黙り込むだけでした。
義理の両親への愛情だとかシシの幸せだとか、いろいろと考えた結果、黙秘という選択をしたようです。
けれど寂しかったのか、最後のシーンでモテは泣いていましたね。本当にこの子の境遇は複雑です。
一方でソビエシュですが、彼も意外と冷静でしたね。
モテを見たら騒ぎ出すかと思いきや、ただ黙って目元を抑えるだけでした。客観的な情報からモテ=アンだと判断し、また同時にシシは娘でないという考えに至ったようです。
感想②カイが無傷だった理由が判明
カイの魔法能力が判明しましたね。彼は補助魔法に長けていて、魔力を細かく調節して応用するのが得意らしいです。
そんなカイの特技は、体の一部を水に変化させること。これを使ったおかげで、ナイフに刺されても平気だったのです。
魔力量はラリのほうが上ですが、技術力はカイが上回っている感じですね。
今まで”カイが刺された”という描写があるのに本人はピンピンしてるので、何でかなーと思っていたのですが・・・ようやく謎が解けました。
翻訳ミスかと思いましたが、カイが魔法を使っていたんですね。