小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝47 野望(1)』の概要をまとめました。
前回、マッケナのファーストキスの相手が火龍であると判明しました。さらに彼は、そのことが書かれた日記帳を探し回りますが…日記帳は現在、ラリの手元にあります。
マッケナの受難はいつ終わるのでしょうか?管理人の感想を添えつつ、ストーリーを簡単に紹介します。
マッケナの日記パート4|龍の谷の最終試験
マッケナは最終試験を受ける
日付: X月X日
昨日の夜明け、いよいよ最後の試験を受けることになった。
「最後の試験は、あの下にある洞窟に下りて結晶を持ってこい」
巨人が指さした先には、溶岩が流れていた。あんな所に入ったら、いくら強い者でも死ぬだろうが!
他の参加者たちも同じ考えなのか、大半はここで諦めた。けれど私が躊躇っていると、少し親しくなった参加者たちが近づいてきて「諦めろ」と私を説得する。彼らによれば、2年に1回試験があるのでまた受けられるらしいが…
しかし私は皇帝の最側近であり、何年も挑戦し続けることはできない。
その時。ふと非常識な考えが浮かんで、ここ数日間ずっと避けていた火龍を訪ねて提案した。
「溶岩を突き破って結晶を持ってくることはできますか?出来れば宝石をたくさんあげます」
しかし火龍は、宝石はいらないからキスが欲しいと言う。
私はじっくり考えてからそれを承諾する。試験に合格しても、あの女性と付き合える可能性はほとんどないだろうから。
すると火龍は、すぐ溶岩の中に入って結晶を持ってきた。
・・・
そして私は約束を守り、火龍の頬に力いっぱいキスをした。しかし火龍はふざけるなとイライラして私の口を引いて…
太陽のような女性が私の告白を受け入れてくれたらどうしよう? 絶対に秘密にしないと。
龍の長老に願い事を告げる
日付: X月XX日
初日に会ったおばあさんに呼ばれて付いて行ったら、巨大な絶壁の奥に空地があるではないか。その絶壁には龍たちがぶら下がっていて、中には人の姿で集まった者もいた。
そして中央にある魔法陣のような場所に立つと、龍の長老が近づいてきて願い事を言えという。
「愛する龍がいます。 その龍に私の真心を伝えたいです」
しかし龍の長老はダメだと断った。というのも、愛を口実にして龍の力を利用しようとする人が多いかららしい。
けれど、それでは試験を受けた意味がない。そう抗議すると、長老は龍と恋をするにはもう1つ試験を受けなければならないと告げた。魔法陣の中央に立ち、内面の奥深くにある本音と実体が明らかにするそうだ。
そして長老は私を魔法陣に立たせると、長い杖で魔法陣の端を叩く。すると私の周囲が光りーーー
突然視界が変わった。私は小さくなり、周りが大きくなったのだ。
驚いて辺りを見回せば、長老も私を見て驚いている。
さらにその時。寒気を感じて背後を振り向くと、なぜかドルシが両手を広げていた。悲鳴をあげて逃げようとするも、すでにドルシに捕まっていた。
「君が直接来てくれたんだ、私の青い鳥!私の愛がほしくて試験まで受けるなんて!」
お前じゃない!と叫ぶが、なぜか体は鳥になっていてピーピーという声しか出ない。
それでも必死に羽ばたいて逃げようとした瞬間、ドルシは巨大な青い龍に変身する。それを最後に、私の記憶は途絶えた。
・・・
目が覚めると空き家のベッドに横たわっていて、ベッド脇には太陽のような女性が座って微笑んでいた。
私は先ほどの出来事を思い出し、悔しくなって泣きながら「一番嫌いな龍が、私が自分のために試験を受けた戯言を言うんです!」と訴えるが…
すると彼女は私を抱き締めて、私がその龍だよと囁いた。さらに彼女は、私の頭をなでながら続ける。
「元気が出たら、一緒に鳥かごを選びに行こう。私の小さくて大切な青い鳥。 死ぬまで可愛がってあげよう」
その後、私は日記を持って逃げて…今は皇居に戻って隠れている。涙が止まらない。太陽に似た女性が、不吉な龍だなんて…
ラリ&カイ視点|カイを狙った犯人を突き止める
日記を読んだラリの反応
ラリは戸惑いました。日記にはケンカした内容しか書かれていないのです。
するとその時、ラリの部屋にカイがやって来ます。
カイによれば追跡魔法薬が効いているらしく、カイの持つ”対の魔法薬”を飲めば1日中犯人の居場所を感じられるそう。
そこで2人は対の魔法薬を飲んで犯人を追いかけようとしますがーー護衛に見つかって止められます。
なので代わりにパルアン侯爵を呼んで、犯人を追跡するよう頼みました。
事情を聞いたパルアンは、犯人の位置を感じながら慌てて宮殿の外へ出ます。ところが門を抜け出してすぐにケルドリックと鉢合わせたので、盗賊が宮殿に出入りするなんてな…と皮肉を言ってその場を通り過ぎました。
モテ視点|ケルドリックと共に宮殿に向かう
ケルドリックはモテを気遣うが…
いきなり盗賊と言われたケルドリックは、事実なのに気分が悪くなってパルアンの背中を睨みます。
そして咳ばらいをすると、一緒に来ていたモテに「退屈だったら遊びに行くか旅館に先に戻っていろ」と告げて宮殿へと入っていきました。
皇帝はモテにお礼がしたいと言いましたが、モテを連れては行けないのでケルドリックは申し訳なさそうに謝ります。
するとモテは何度も大丈夫だと言って、彼をなだめました。数日前なら寂しかったかもしれませんが、今はもう平気です。なぜなら夜市でラリ皇女に会ったから。
再びシシを発見する
ケルドリックが宮殿の中に入った後。モテは近くで買い食いをしながら、今回は本当の騎士になれるかも…とニヤリと笑います。
するとその時、またシシを見つけます。黄色いドレスと帽子をかぶっていますが、間違いなくシシです。
そこでモテは大声で呼びかけると、シシは立ち止まってモテの方を振り返りました。
『再婚承認を要求します』外伝47のネタバレ感想
感想①マッケナ、試験合格おめでとう!
ようやくマッケナは、龍谷の最終試験をクリアしました!龍たちには反則だろうと陰口を叩かれていましたが、合格は合格です。
そして龍の長老に願いを聞かれた時、マッケナは「愛する龍に真心を伝えたい」と答えます。付き合いたいとは言わず、あくまで真心を伝えるだけ。
この辺に、マッケナの純粋さを感じますね。本当にいい男ですよ。鳥一族は全体的にかっこいい男性が多いイメージです。
そしてこの後、マッケナは太陽のような女性=ドルシだと事実を知りますが・・・ドルシが非常に猟奇的ですね。”一緒に鳥かごを選びに行こう”は怖すぎました。
というか読めば読むほど、あの状態からどうやって仲良し夫婦になったのか謎。
感想②カイが優秀さを発揮する
宣言どおり、カイは犯人の居場所を突き止めました。
追跡用の魔法薬だけでなく、居場所がわかる魔法薬も準備しているという用意周到っぷり。優秀ですね。敵に回すと怖いのは、ラリよりもカイの方かもしれません。
そしてカイのこういう一面を見ると、彼もまた皇帝の素質があるとわかります。やはり西か東のどちらかは、彼が継承したほうが良さそうな気がします。
そして相変わらず振り回されるパルアン、お疲れ様です。