小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は「外伝15 ふたりは(1)」の概要をまとめました。
今回は”常時泉”サイドのストーリーが語られます。常時泉は本編に登場していた盗賊集団ですが、彼らはその後どうなったのでしょうか?内容を簡単にまとめました。
常時泉のとある日常~ダルタ視点~
ダルタの前に、銀髪の赤ん坊が現れる
”常時泉”の中でも、屈指の実力者である女性・ヴィンセル。そしてダルタは、彼女に育てられた孤児でした。
そんなある日、隣に住むプチョン夫婦が突然「自分たちの娘だ」と言って赤ちゃんを抱いて現れます。
その赤ちゃんは銀髪と黒い瞳をもった天使のような姿。あまりの愛らしさに、ダルダは「天使を誘拐したの?」と疑うほどでした。
そして赤ちゃんは”モテ”と名付けられ、以降ダルタはモテの世話をしながら過ごすようになります。
母親・ヴィンセルが命の危機に瀕する
ある日、母親・ヴィンセルが担架で運ばれてきます。すぐ医者に見せたものの、彼女は腹部に致命傷を負っていました。
プチョンによれば、母親をこのような目に合わせたのは帝国騎士団と地下騎士団だと言います。また隣にいた常時泉の盗賊たちも舌打ちしながら呟きます。
「コシャールは華大陸に渡っても追いかけてくる奴だ」
「ヴィンセルの負傷はマスタスの仕業じゃないのか」
重体の母親を治せるのは、この国で最も優れた治療魔術師のエベリーくらいでしょう。それほど深刻なケガだったのです。
(ーーマスタス。母を刺した人)
仇(かたき)の名前がダルタの脳に刻まれ、同時に怒りが沸き上がります。
するとその時。
意識を取り戻したヴィンセルが、自身の腕輪を差し出します。しかし、ダルダはそれを投げつけて号泣しました。遺品などいらないから母親に生きていて欲しかったのです。
そんな中、ヴィンセルは語ります。
ダルタには姉妹がいるそう。最初は2人とも孤児院に置いてきたけれど、ダルタが「ママ」と呼びながら追いかけてくるので彼女だけ引き取ったとの事。
そして「妹に会いたいなら探してみて」と孤児院の名前を言いかけますがーー吐血によりその先は言えませんでした。
その様子に、泣きながら初めて神に祈るダルタ。するとその瞬間、ヴィンセルの体がふっと光に包まれーーー彼女は突然、元気になって体を起こしました。
ダルタが治療魔術師として覚醒したため、ヴィンセルの怪我が治ったのです。
マスタスとコシャールの恋愛
「わあ!マスタスが常時泉の悪名高い盗賊を退治したそうです!」
マスタスからの手紙を読みながら、はしゃぐローズ。しかし一方で、ジュベール伯爵夫人は舌打ちをします。
なぜ盗賊たちは撃ち抜けるのに、コシャール卿の心は撃ち抜けないのか…と。
というのもジュベール伯爵夫人は、2人が非公式の恋人なので心配しているのです。
非公式の恋人であれば相手への責任感が減るため、些細な喧嘩が別れに直結する…というのが彼女の見解です。
するとローラは両手で口元を覆い、ナビエを見つめて「ああ、それで…」と呟きました。
ダルタの決断
成人してから魔術師として覚醒するケースはごく稀で、魔法の腕を磨くためにはアカデミーに通う必要があります。
しかしダルタは身分が無いため、東大帝国に行けば密入国者として追放されるでしょう。そのため周囲の大人たちは、相談し合いますが…
そんな中、ダルタは挙手をして提案しました。「西大帝国の皇后を尋ねるのはどうですか?」と。
『再婚承認を要求します』外伝14のネタバレ感想
考察①赤ん坊・モテの正体
外伝15で登場した、赤ん坊のモテ。原文によれば、銀髪と黒目をもった天使のような娘らしいですが…
多分モテ坊は、ラスタの娘・グローリエムでしょう。
確か小説の202話だったと思いますが、グローリエムの乗っている馬車が”常時泉”に襲撃されています。本来ならグローリエムは捨て置かれるはずでしたが、盗賊の1人が子供を欲しがっていたので彼に引き取られました。
その時の盗賊が、外伝15で登場したプチョン氏でしょう。
本編ではグローリエムの安否がわからないため不安でしたが、無事に生き延びていて良かったですね。親がどんな人間だろうと、その罪は子供に関係ありませんから。
考察②ダルタとエベリーの関係
今回のメインキャラ・ダルタ。
彼女もまた、幼いころ常時泉に引き取られた子供です。そして彼女には姉妹がいて、その子は孤児院で育ったようですが…
ストーリーを読んだところ、ダルタの姉妹はエベリーなのかなと思います。
まだ孤児院の名前すら出ていないので、何とも言えませんが…
今回これだけエベリーの名前が出ていて、さらにダルタはエベリーと同じ治療系の魔法使い。そしてエベリーはデローズ孤児院出身。
ここまで条件がそろっていると、2人が姉妹の可能性は高いと思います。
次回のストーリー予想
外伝15のラストで、ダルタがとんでもない提案をしましたね。魔法を学ぶために、西大帝国の皇后ーーつまりナビエを頼ると言い出しました。
常時泉はコシャールにあれだけボコボコにされているのに、その妹であるナビエを頼るってすごい発想ですよ。
確かにナビエは、出自で人を判断しない人ですが…いやでも、さすがに身元不明の人間(しかも成人)は受け入れられないと思うんですよ。
というか周囲がそれを許さないはず。あまりに危険ですから。
いつもありがとうございます。
盗賊団目線だからいい話的になってますが、そもそも盗賊団の常時泉て、極悪非道集団でエベリーの実の両親を襲ってその結果子供を奪って孤児院にエベリー達を入れたんじゃなかったでしたっけ?
グローリーエムも結局常時泉に馬車を襲われて奪われたんですし。
エベリーの両親はラスタの偽親で、エベリーが実の娘だと知っても名乗らずに財産を残してあげてからソビエシュに死刑にされましたよね。
知らないこととはいえエベリーは自分の実の両親を死刑にしたソビエシュの元にいて、その姉妹が元凶となった盗賊団に育てられ、そこにまたラスタの子がいる。そしてその両親はソビエシュのせいで母が悲しい立場に押し出されたエルギがつれてきている。
複雑な関係ですね。
本編でエベリーの治癒魔法がエルギのお母さんを治癒できるかもとハインリが提示した件はエルギは立場的に結局断ったのなら、このエベリーの姉妹の治癒魔法がエルギ母に役にたつようになったら良いのかな?
エルギもいつも魔法のネックレスを持っているのでエルギ自体も本当は身体が弱かったりするのかも知れないですし。
でも悪人でも育ての親だし結局悪人のもとへ帰ってしまう未来しか見えないですね。
実の親をソビエシュが死刑にしたことを知ったエベリーが東を離れて西に来てブルーボヘアンのエルギ母を治癒してくれたら一番良いのにと思ってしまいます。(ソビエシュ嫌いすぎでしょうか?)
>複雑ですねさんへ
コメントありがとうございます!
私も同意見で、外伝を読みながら「良い話だけど、常時泉はそもそも元凶だよね?」と複雑な心境でした。
そしてダルタの治癒魔法が、エルギと彼の母を救えるならベストですよね。ストーリー的には、その展開も十分あり得ると思っていますしそうであれと願っています笑