マンガ版『再婚承認を要求します』のネタバレと感想です。
94話の時点で、ラスタは幸せの絶頂にいますね。皇帝の第一子を身ごもり、結婚を控え、さらに偽親・イスクア子爵夫妻との仲も良好。前回イスクア子爵が役職についた時もラスタは大喜びでした。
そして今回、子爵の就任祝いとしてティーパーティーを開きますがーーその最中、予期せぬことが起こります。
ラスタ視点|イスクア子爵夫妻のために着任パーティーを開く
皇居の庭でティーパーティーを開く
「本当におめでとうございます、ラスタさん」
ティーパーティーに招待された貴族たちは、しきりにラスタを称賛します。そんな中、ラスタはテーブルの上座に座りながら満足げに自分のお腹をなでました。
(貴族の両親がふさわしい役職を得て、みんなが仰ぐ場所にラスタが座っている。それにお腹の中には、将来皇位を継ぐ赤ちゃんが入っていて…)
まさにバラ色の人生。残る問題は、ロテシュ一家を処分することだけ。ラスタがそんな事を考えていると、うぅっ…と涙ぐむ声が聞こえました。
見ればイスクア子爵夫人が、涙を流しているではありませんか。
不思議に思っていると、若い貴族男性が困りながら事情を説明しました。
「申し訳ございません。私が失言を…行方不明のお嬢様2人のうち、1人でも見つかって良かったと…」
どうやらこの男性が娘2人のことを話題に出し、そのせいで夫人は娘が恋しくなり泣いてしまったようです。
そして他の招待客たちは、ラスタの反応をじっと窺っています。
(見たところ、みんなラスタが「生みの親」を慰める姿を見たいようね。あの夫婦の娘はラスタの妹でも何でもないけど、疑われないためには…)
考えた結果、ラスタは夫人の元へと歩み寄ります。そして優しい微笑みを浮かべながら言いました。
「ラスタが軽率でしたね、お母様。妹を先に探すべきだったのに…心配しないでください。ラスタが必ず妹を探してあげます」
その言葉を聞き、ようやく泣き止む夫人。
しかしラスタは内心、不愉快に感じていました。普通に頼んでくれれば聞き入れたのに、よりによって茶会の最中に泣いて騒ぎ立てたのですから。
こんなことなら、ラント男爵が連れてきた夫婦を親にすればよかった…とすら思ったのです。
エルギ公爵への想い
お茶会が終わり、自室に戻った後。ラスタの元に、先ほどの若い貴族男性がやって来て謝りました。
というのも彼はあの後、エルギ公爵から怒られたそうです。
「祝いの席であんな事を言うのは、子爵夫妻だけでなくラスタ様にも失礼でした。繰り返しお詫び致します」
貴族男性はとても反省している様子。そのためラスタは、心が痛んだだけなので大丈夫ですよと微笑みかけました。
そしてラスタは内心、この宮廷内で信じられるのはエルギ公爵1人だけね…と自分の気持ちを再確認します。
またこの時、貴族男性に「エルギ公爵様はラスタ様をとてもお好きなようですね」と言われたので、ラスタはいっそう笑みを深めました。
・・・
自室で1人きりになった後、ラスタは部屋の中をウロウロしながらエルギ公爵のことを考えます。
思えば彼は、ラスタが宮廷に来たばかりの頃から良くしてくれました。大金を貸してくれたり、皇后になれるよう助けてくれたり、何度か好意を示してくれたり···
エルギ公爵のことを思い出しながら、ラスタはうっとりと頬を赤らめました。
ナビエ視点|脳裏に浮かぶのは、昨夜のハインリの姿
結婚式の準備
その頃ナビエは、ハインリとの結婚式について考えていました。
侍女・ローズによれば、ハインリは自分で結婚式の準備をしつつ、また早急に式を挙げるために急いでいるそう。とはいえ彼は忙しい立場なので、ナビエは一度直接会って結婚式の話をしなければと思いますが・・・
ハインリのことを考えるたび、昨夜の水浴びシーンを思い出して恥ずかしくなるのです。
しかし避け続けるワケにもいかないので、そろそろ彼と会話をしようと考えますが・・・
執務室を通りがかると、そこで元王妃・クリスタと遭遇します。どうやら彼女はハインリに用事があって来たようです。
またその時、ハインリがちょうど執務室から出てきます。彼は「なぜ2人一緒に?」と驚きながらも、彼女たちをひとまず執務室へと招き入れました。
関連:『ミステリと言う勿れ』電子書籍レンタルが安いサイトはこちら
クリスタの用事
執務室に入ると、クリスタは何の前触れもなく結婚式のことを切り出します。殿下がご自身で結婚式の準備すると聞きましたが、それは本当ですか?と。
それをハインリが肯定すると、彼女はなぜか不満そうな顔をしてーーー
次の瞬間、キッパリした口調で告げました。
「殿下、よろしければ結婚式の準備は私に任せてもらえませんか?」
『再婚承認を要求します』95話のネタバレと感想
94話の感想①クリスタの言動が不穏
というわけで『再婚承認を要求します』94話の感想です。
今回のラストで、クリスタが結婚式の準備を任せてほしいと言い出しましたね。本来ならこれは彼女の役割なので、別におかしい提案ではありません。
しかしそれを許可すれば、クリスタはますます王宮内で力をつけるでしょう。だからこそハインリは、結婚式の準備を自分で進めているワケで。
クリスタは元王妃なので、さすがにその辺の事情は理解しているでしょう。
にも関わらず、クリスタは結婚式の準備を任せて欲しいと提案しました。つまり、まだ隠居する気はないという事でしょう。不穏ですね。
94話の感想②イスクア子爵夫妻
ラスタの偽親・イスクア子爵夫妻。彼らは以前盗賊に襲撃され、その際に愛娘2人を失ったかわいそうな貴族夫婦です。
今までの夫妻は、娘を心配する優しい貴族というイメージでしたが・・・
94話では、自分本位な性格が顔を出しましたね。ラスタが開催した着任パーティーで、娘を探して欲しいと泣き出してしまいました。
しかも皆が見ているので、ラスタはその願いを断れません。イスクア子爵夫妻に悪気はないとはいえ、この行動はかなり悪質ですね。
そもそもラスタ視点だと現状、ロテシュ子爵には金をたかられイスクアア子爵夫妻には娘探しを要求されて・・・という状況。皆にせびられて大変です。