『再婚承認を要求します』に登場するクリスタ。
元王妃であり民衆から好かれる女性でしたが、ある事件をきっかけに評判が地に落ちて最後は自ら王宮を去りました。
この記事ではクリスタのキャラクター設定に触れつつ、彼女がどんな最期を迎えたのか感想を交えながら解説します。
クリスタ・キャラ解説|元王妃でありながら義弟に恋をする
クリスタの立場
クリスタは西王国の元王妃です。先代国王が亡くなったため、若くして皇后の席を降りることになりました。
元王妃はコンプシャの宮殿に引っ越すのが慣例ですが、クリスタはそれをせず王宮に残り続けます。
そのためナビエは西王国に来たばかりの時、使用人から「クリスタ様こそ本当の王妃です!」と言われたり、侍女を選ぶにも難航したりといらぬ苦労をしました。
「ですが、あなたはずっと王妃の役割を果たしてきたじゃありませんか!それに新しい王妃様は外国人でしょう。私たちにとっては、クリスタ様こそ本当の王妃です!」
引用元:『再婚承認を要求します』86話・侍女の台詞
義弟・ハインリに恋をする
クリスタは穏やかで慎ましやかな性格ですが、権力欲はあるため皇后の座に執着します。
また彼女はハインリを愛しています。
ナビエに対して悪い感情は持っていないものの、王妃の席だけでなく愛するハインリまで奪っていった相手なので複雑な心境のようです。
(数日前まではお互いに似た立場の人だと思っていたけど、ナビエさんがそこから抜け出すために奪っていったのが私のいた王妃の席で、よりによって…)
引用元:再婚承認を要求します・クリスタの台詞
悲惨すぎる最後|側室に志願するがハインリに拒絶される
ハインリとの密会により評判が地に落ちる
それまで支持率の高かったクリスタですが、ある事件をきっかけに評判がガタ落ちします。
というのもナビエの結婚式の後、クリスタとハインリが逢引していたという醜聞が広まったのです。
- クリスタは義弟のハインリを愛している
- カフメンは人の心が読めるため、彼女と会ったときにこの事実を知ってしまう
- その後カフメンは恋の妙薬を使った計画を思い付き、その際にハインリがクリスタに恋するよう仕向ける(130話参照)
- 計画が実行された時、クリスタは倒れたハインリを介抱する
- この状況を令嬢たちに目撃され、さらに密会だと噂される
元王妃のクリスタが、現国王と密会していた。しかも彼は義弟であり結婚式をあげたばかりの新郎。この噂はたちまち広がり、多くの貴族令嬢がナビエの味方になりました。
ハインリの側室になりたいと言い出す
その後、貞淑なイメージが崩れたクリスタはいっそこの醜聞を利用しようと考えます。
ハインリの側室にしてほしいと願い出たのです。
もちろん彼は断りますが、クリスタは「私たちは一夜を共にしてしまったから」と嘘をつき、さらに側室にしてくれたら自身も家門もハインリの繁栄を手助けをすると条件を出しました。
関連:『再婚承認を要求します・考察|ソビエシュとラスタの運命の相手は誰?』
最後は自ら王宮を去る
その後クリスタを側室にするか閣議が行われて、彼女は不利な立場に立たされます。
カフメン大公が嘘の証言をしてハインリを庇い、その際にクリスタの父親・ズメンシア老公爵も仕方がなく彼女を見捨てたからです。
その結果、閣議の翌日にクリスタは自分から王宮を出て行き、コンプシャの宮殿に移りました。
コンプシャに引っ越したその後
ハインリはクリスタがまた余計なことをしないか心配だったので、彼女とその侍女たちがコンプシャの宮殿に引っ越した直後、出入り口をすべて塞いで閉じ込めます。
その結果、クリスタは最後に自ら命を絶ちました。
再婚承認を要求します・ネタバレ感想|タブーに触れた元王妃
タブーに触れた、心優しき元王妃
『再婚承認を要求します』の世界には何個かタブーがあり、破った人はみんな悲惨な最後を迎えています。
そのうちの1つが他人の家庭に入ってはいけないというもので、クリスタは側室に志願したことでタブーに触れてしまいました。
ただし悪女ではない
とはいえクリスタは悪女ではありません。むしろ優しく慕われるタイプの女性です。この点については作中でナビエも評価しています。
(クリスタは頼み事をしながらも卑屈ではなかったし、その頼みも自分のためではなく侍女のためだった。このような人柄だけは高く評価できる。権力をめぐって競争すべき関係でなければ、仲良くなれたかもしれない)
引用元:再婚承認を要求します・ナビエの台詞96話
悪人ではないがタブーを犯したせいで厳しい罰を受け、悲惨な最後を迎えます。ソビエシュやカフメン同様、愛のせいで愚かな選択をしたキャラクターの1人だと言えるでしょう。
愛のせいで判断を間違えた女性
クリスタが悲惨な最後を迎えたのは、以下の2つが原因だと思われます。
- 考え方が若すぎる
- ハインリへの恋心を抑えきれなかった
慣例に従いさっさとコンプシャに行くべきだったのに、世代交代を渋ったのは若さゆえの過ちでしょう。
そしてハインリへの恋心を抑えられなかったのも災難でしたね。恋心を捨てろとは言いませんが、表に出してはいけない感情でした。
そして結局、本作におけるタブーに触れてしまいます。
周囲からの信頼を失って、父親にも見捨てられ、最後は逃げるように王宮を去るも軟禁されて、しかも軟禁したのは愛するハインリで・・・
悲惨な人生ですね。最後には自ら命を絶つのですから、彼女がどんな思いで余生を過ごしたのか想像に難くないでしょう。