『再婚承認を要求します』原作小説179話のネタバレと感想です。
ラスタの奴隷売買証書が見つかったので、あとは親子検査をしてグローリエムとの血縁関係を証明できればいい。これがソビエシュ視点における前回までのストーリーでした。
しかし波乱続きのこの状況下で、果たして無事に検査が終わるのでしょうか?
目次
ハインリ視点|ホワイトモンドに政略結婚を提案される
シャーレット姫、現る
ハインリは先日、ナビエの助言に従ってホワイトモンドの大使に「両国間で侵入不可協定を作ろう」と和解案を示しました。
すると後日、ホワイトモンドの王女・シャーレット姫が西大帝国を訪問します。王女自らの来訪となれば良い答えが聞けるのだろうと、みんな期待していました。
私と政略結婚をしてください!
シャーレット姫を招くため、ハインリは“星の間”に案内します。なお彼女が持ってきた回答は予想以上に良いものでした。
というのも西大帝国の貿易品にホワイトモンドの特産品を加えるほか、商団がルイフトを訪ねるときは貿易船を提供すると言ってくれたのです。そのため貴族たちは機会を作ってくれたナビエを称賛しますがーーー彼女の話には続きがありました。
なんとシャーレット姫は、政略結婚をするよう国王に言われて来たのだそう。
そのため全員が黙り込み、じっとハインリを見つめました。
ナビエ視点|王女の来訪に、情緒をかき乱される
ナビエは話を聞き、胸を痛める
シャーレット姫は政略結婚を望んでいる。騎士のユニムからそう伝え聞いたナビエは、状況を把握するため自ら星の間に向かいます。
当然ながらナビエは夫に側室を作ってほしくないので、このとき心臓がドキドキして苦しさも感じていました。そして星の間に到着すると、ナビエは無理に笑顔を作ってシャーレット姫と対面しますがーーー
ナビエの不安は杞憂に終わりました。というのもシャーレット姫は、ナビエの兄・コシャールと結婚したいと言い出したのです。
ラスタ視点|グローリエムとの親子検査を行う
みんなが検査に注目する
親子検査の当日。人々はイスクア子爵夫妻がいなくなったと知り不審に思いますが、それほど騒ぎにはなりませんでした。
今問題なのは、皇女がソビエシュの実子かどうか。それが一番重要なことですから。
検査のため、ラスタは神殿を訪れる
そして当事者であるラスタは、親子検査をするため神殿を訪れます。もちろん彼女は、検査の結果に自信がありました。
グローリエムは皇帝の娘なので、もし自分が廃位になってもいつか助けてくれるだろう。そう思っていたのです。
親子検査の結果
検査場所に到着すると、すでにソビエシュとグローリエムがいました。娘と目が合ったため手で挨拶すると、グローリエムは声をあげて笑うのでラスタは目頭が熱くなります。
そして3人は自分の血を少量ずつ採ると、1つの皿に入れて混ぜます。娘が2人の実子ならば血は消滅し、違うなら血はいつまでも残るという仕組みですがーーー
しばらくすると神官は「姫様は、陛下の実子ではない!」と叫びました。
再婚承認を要求します・179話のネタバレと感想
ネタバレ感想①衝撃の検査結果
待ちに待った親子検査。なんとグローリエムは皇帝の娘ではないという検査結果が出ました。
このシーンは『再婚承認を要求します』の中でもトップクラスで衝撃的な印象があります。原作サイト様をリアルタイムで読んでいた時も、開いた口が塞がりませんでした。きっと他の読者様も、じゃあ父親は誰?と不思議に思っていることでしょう。
このシーンについては色々と語りたいことがありますが、検査シーンが全て終わってからまとめて感想を書きたいと思います。感想欄でうっかりネタバレしたくないので。全読者様にもハラハラしながら読んで頂きたい。
ネタバレ感想②ナビエの気持ち
ナビエは再婚したばかりの頃、ハインリが側室を作っても受け入れるつもりでした。
けれど今のナビエは、彼が側室を作るかもしれないと想像しただけで胸を痛めています。
いつの間にかハインリの存在が心のなかに深く根付いていたのです。ナビエの心情の変化がわかる話はたくさんありますが、179話ではそのことが如実に表されている気がします。
ナビエ、その勢いのままハインリに告白しちゃえ!
ネタバレ感想③まぎらわしい王女様
シャーレット姫、まぎらわしいよ!!!
いや確かに、皇帝の側室になりたいとは言ってませんけどね。最初からこのお姫様は「政略結婚をするよう言われてきた」としか言っていません。
でも王女様から政略結婚したいと言われたら、誰でも皇帝が相手だと思うでしょう。そもそも身分的に釣り合うのは皇帝しかいませんし。
ついに作中屈指の衝撃の親子検査の回…
子供には何の罪もないけど、子供が親の業に巻き込まれて不幸になるのは現実でもよくある事なので複雑ですよね。
ソビエシュとラスタが自分達で招いた事なのに。
ラスタの廃位にされても娘がいつか助けに来てくれるという考えは確かに甘いですよね。
グローリエムだって皇帝が父親とはいえ、母親は何の後ろ盾も持たないとなると皇族といえど必然的に立場が弱くなるでしょう。
それどころか普通の皇女ならまだしも、次期皇帝となると周りの目も厳しくなるはずです。
ソビエシュもそのあたりをもっと考慮するべきだったと思います。
重要なのは自分の血を引いている事だと言っていましたが、周囲はそう簡単にはいかないでしょう。
子供を性別や血筋で判断しないという見方をすれば平民の身分であれば良い父親なのかもしれませんが、皇帝としてはその考えではマズイと思います。
ソビエシュ自身がそれで良くても、周りはそうは思えないでしょう。
父親だけでなく母親の血筋と人格もセットで子供を値踏みするはずです。
将来国を背負う立場になる以上、奴隷という身分を差し引いてもラスタのような素行の悪い親の性格を受け継いでいないか不安になると思います。
母親が奴隷云々の前に、グローリエムは生まれてくる前から、優秀な皇后を追い出して生まれてきた不貞の子というレッテルを背負う事が確定しているようなもの
表立って言われなくても影で不満を抱く貴族は多かった事でしょう。
忠実な側近であるカルル侯爵ですら女の子であった事に落胆していたのですから。
その上で女帝にするとなれば、周囲から一生完璧以上を求められる人生になってしまうと思います。
間違いなくスタートラインから既に圧倒的不利で普通の皇子以上の努力を強いられ続けるでしょう。
出来なければ母親の出生や、完璧だったナビエ様を追い出して生まれてきた事を引き合いに出されて嫌味を言われたり、出来ても皇帝になるなら当たり前だと言われるような人生しか想像出来ません。
ソビエシュは娘は賢い筈だから出来るはずだと考えていますが、子供はどうしたって思い通りには育ちませんし、そうなった場合の未来は考えていたのか?と思ってしまいます。
それならばグローリエムに固執せず、別の新皇后を迎えて継承権で揉めないように皇子を産ませて、グローリエムは権力争いや周囲からの評価を気にしなくて済む環境を整えて穏やかな人生を送らせてあげれば良かったのではと個人的には思ってしまいます。
結局は娘の為と言うよりはソビエシュのエゴで、グローリエムを女帝にしたいのも、皇后はナビエ様がいいというのも、ソビエシュの独り善がりなんだと思わずにはいられません。
ソビエシュに対してかなり辛辣な意見を述べてしまいましたが、あくまで個人的な主観なのでご気分を害されたら申し訳ありません(汗)
話が逸れてしまいましたが、ナビエ様がハインリを始めとする周囲に助けられたのは、ナビエ様が日頃から周りに思いやりを持って大切にして人望を得ていたからであって、それを一切してこなかったラスタが都合よく助けて貰える筈がないのですよね…。
むしろせき止められていた不満や恨みが刃となってラスタに牙を剥く事になると思います。
結末を知っているとはいえ、物語の一番の盛り上がりともいえる展開に入ってきたことで続きが楽しみです!
コメントありがとうございます!
匿名さんの『完璧以上を求められる人生』という言葉に、今更ですがゾッとしました。
グローリエムは普通の人であれば耐えられない状況下に置かれているんだな・・・と改めて思い知らされます。
今後の展開は承知していますが、親子検査が否定されたのは東大帝国一面記事(下手すると号外)は確定ですね。
グローリーエムがソビエシュと同じ髪と目の色(黒髪黒目?)であれば、親子検査なんて誰も言い出さなかったでしょうに。
グローリーエムは何一つ悪くないのに、ナビエが妊娠した途端ソビエシュから「自分の子じゃないかも」なんて言われて可愛がってもらえなくなったり、ラスタが他の男との間に作った子だなんて思われるなんてかわいそうにもほどがあります。
ラスタはグローリーエムに助けてもらえるなんて言っていますが、ラスタ自身が娘を助けてくれなかった酷い親に振り回された人生で父親を恨んでいるのに、グローリーエムがラスタを哀れんだり助けてくれるなんて都合が良いと思います。
グローリーエムが親子検査を合格したとしても、奴隷の噂があって平民の側室から廃位になり、皇后だった時に不倫や男好きなゴシップのあるラスタの子でちっともソビエシュに似ていないと周囲からどれだけ攻撃されるかなんて想像に容易いです。
月齢の近い西大帝国のナビエの子は両親共に立派な血筋の子で、東大帝国の貴族がこぞって比較するでしょうし、比較されると今度はソビエシュが躍起になって「ハインリなんかの子に負けるな!」とグローリーエムを立派な女帝にすることに固執しただろうなと。
ソビエシュは立場上側室を持つことは仕方無かったとして、ナビエが不妊と思うなら不妊治療をしっかりとしていけば若くして夫婦になったのだからまだまだ子を作れる見込みはありましたよね。
側室が先に妊娠したからナビエを廃位にして側室の子を皇帝にしようなんて安直にもほどがありますし、少なくともその計画はナビエに相談してから行うべきだったと思います。
事後報告で「1年経ったらまた再婚してあげるから怒らないで、他の男と再婚しないで」なんていう権利はソビエシュに無いし、ラスタにも期限付きの皇后だと言わず最初から廃位にするつもりだったなんて、とにかくソビエシュは……悪い所が色々と親に似たのだろうなと思います。
皇帝は暴君じゃないのだから、道理の通らないことを続ければ国民からも他国からも嫌われるばかりなのに。
なのでソビエシュの今後については何一つ同情の余地はないです。
しかしシャーレット姫の結婚問題、ナビエにとって側室を持つことは立場上仕方ないとはいえ、トラウマになっているのが胸が痛いです。
ただ、ナビエは妊娠しているので側室より先に子を産める可能性が高いので東大帝国のようなことにはならないし、何よりハインリがナビエを第一に愛するのを隠さないのでこの二人は心配していないですw
スヌさん、コメントありがとうございます!
ナビエにとって側室問題がトラウマになっている件、私も胸が痛みました。
読者視点だと「ハインリが側室?ないない!」という心境なんですけどね。