この記事では『あなたの心がわかるように』の原作小説についてネタバレしています。
バイオレットとウィンターは体が入れ替わったことで少しずつ互いのことを理解していきますが、最終的に2人の関係はどうなるのでしょうか?
この記事では前半~中盤までのストーリーをまとめました。
目次
『あなたの心がわかるように』あらすじと原作情報
『あなたの心がわかるように』の基本情報
- 日本タイトル:あなたの心がわかるように
- 原題(韓国語):당신의 이해를 돕기 위하여
- 中国タイトル:为了明白你的心
- 原作:Leebora
- 絵:Ocean
- 脚色:Lanyong
- 出版社:SEOUL MEDIA COMICS, INC.
- ジャンル:恋愛・結婚・王様/貴族
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あらすじ
爵位と引き換えに王室の莫大な借金を肩代わりしたウィンター・ブルーミングと、政略結婚した王女バイオレット。 ところが兄のアッシュが王室の解散を宣言したことで、バイオレットはブルーミング家を欺いたという汚名を着せられ地獄のような結婚生活を送ることになる。 自分には見向きもせず仕事に没頭するウィンターを見ながらバイオレットは思う… 「私が死んだら葬式には来てくれるだろうか?」 惨めな人生を終わりにしようとしたその時…ウィンターと身体が入れ替わってしまう!? すれ違ってばかりの夫婦が真にお互いを理解するまでを描いたロマンスファンタジー。
引用元:ピッコマ『あなたの心がわかるように』
王女であるバイオレットは資産家の夫と結婚するも、そこに待ち受けていたのは地獄のような日々。それでも3年間耐えましたが、結局は心が壊れてしまいこの世を去ろうと決意しました。
しかし目覚めると、夫・ウィンターと体が入れ替わっていたのです。
前半|体の入れ替わりにより、ウィンターは妻の苦悩を知る
ウィンターは妻の苦悩に気付く
バイオレットはこの3年間、義理の父母(ウィンターの養父母)にいじめられたり実兄・アッシュに財産を奪い摂られたり、おまけに社交界でも貴族たちに無視されたりと散々な目にあってきました。
何度もウィンターに助けを求めましたが、彼は仕事ばかりで話すら聞いてくれません。
しかし2人の体が入れ替わるようになったことで、ウィンターは彼女がどれだけ苦労していたかを知ります。
事実バイオレットは心身ともに疲弊しており、もはや限界でした。
それでもウィンターは、お金さえあればやり直せると信じていました。バイオレットを幸せにし、夫婦関係も修復できると思っていたのです。なぜなら彼が今まで出会った人々は養父母を含め、お金さえあれば皆ウィンターに優しくしてくれたから。
愛情を与えらずに生きてきた彼にとっては、お金を与えることだけが愛情表現だったのです。
だからこそウィンターはひたすら仕事に打ち込みます。それに彼はバイオレットを愛しているので、彼女を手放す気など全くなかったのです。
「念のために言っておくが、君が逃げ出しても俺は必ず探し出す。そして指1本動くのも監視する。君は絶対に俺から離れることは出来ない。忘れるな。俺は君がどこに逃げたとしても探し出す」
「俺は既にこの結婚で多くの物を失った。そして残ったのが君だ。君だけは失いたくない」
『バイオレットがいないならいっそのこと死んだ方がマシだ』
引用元:『あなたの心がわかるように』43話より
またウィンターはバイオレットとホテルに一泊した時、彼女が自分に一目惚れしていたことを知ります。てっきり借金を返して私有財産もあげたから喜んでいるものだとばかり思っていたのに、妻は心から結婚を喜んでいたのです。
それを知ったウィンターは、これからは上手くやっていけるだろうと彼女に告げますが―――もう何もかもが手遅れでした。
バイオレットは体を入れ替える方法を明かす
バイオレットは永遠の眠りを選ぶほどに疲弊していて、それが叶わぬのならウィンターと離れて生きるしかないと考えていたのです。
またバイオレットは、自分が去ればウィンターが心から愛する人を見つけて幸せになれると考えていました。自分がいる限り彼の浪費と不幸は終わらないけれど、もし彼が幸せになれれば、そのとき初めて自分も幸せになれると思ったのです。
「私は幼い頃から強い物に憧れていたの。(略)だからあなたとの結婚話が出て、話を聞いただけでもドキドキした。あなたに会った時、想像よりもずっと立派で本当にうれしかったの。ウィンターのことをすごく気に入り、初めて会った時に一目ぼれしたと。私言ったでしょう。あなたに会えて幸運だったって。本当にあなたが気に入って…一目惚れだったの…
たとえ私たちがお金と爵位によって出会ったのだとしても、きっとしあわせになれると信じていた。いつか私を大切にしてくれるって…もう全て手遅れだけど」引用元:『あなたの心がわかるように』43話より
そしてバイオレットは、体を入れ替える方法を明かします。
ウィンターの目の前で、自分の頭を銃で撃ったのです。その結果、いつものように2人の体は入れ替わります。
ウィンターは真実を知るも現実を受け入れられず、これは悪夢だと自分に言い聞かせます。
しかしバイオレットはこれが現実であることを彼に突きつけ、今までの経緯――つまり義母のパーティーから逃げ出して薬を飲んだことや、義母にクローゼットに閉じ込められて銃で頭を打ちぬいたことなどを明かしました。
ウィンターはそれでも「金銭よりもバイオレットのほうが大事だ」と言って必死で彼女にすがります。しかしバイオレットの決意は固く、彼を抱き締めて今までのお礼を告げると去って行きました。
ウィンターはバイオレットに捨てられてもぬけの殻になるも、希望を捨てずにいました。きっと気が済んだら、いつか自分のもとに帰って来てくれるだろうと淡い期待を抱いていたのです。
中盤|バイオレットは自国を離れ、半島の村で暮らし始める
バイオレットは田舎で一人暮らしをする
ウィンターのもとを去った後、バイオレットはドス公国にある半島の村・キーロンに引っ越します。この村ならウインターの勢力が及ばないので、彼と関わらずに生きていけると思ったのです。
王女であるバイオレットが古い家で1人暮らしをするのは大変でしたが、村人の手助けを借りながら何とか生活をします。
そして1年が経ち、バイオレットが村に馴染んできた頃―――
市街地で買い物をしている際、偶然にもウィンターの使用人フリップと秘書のハエルに遭遇しました。
ハエルによれば、ウィンターはバイオレットと離れ離れになって以来ずっとホテル事業の拡張を繰り返しているそう。そのため現在は、会社が傾きそうになっているのだと言います。
そこでハエルは、バイオレットに戻って来て欲しいとお願いしますが…彼女は今が幸せなので、もう不幸な時代には戻りたくないと断りました。
妻が戻らないと知り絶望する
ある日ウィンターは、ハエルと副代表の話を立ち聞きしてしまいます。ハエルによれば、恐らくバイオレットはもう二度と戻って来ないとの事。
それを知ったウィンターは絶望します。いつか彼女が戻って来てくれることを信じて待ち続けたけれど、もうそれは叶わぬ願いだと思い知ったのです。
そしてウィンターは部屋のバルコニーに出ると、そこから飛び降りますがーーー
気が付くと、再びバイオレットの体と入れ替わっていました。そして一方、城壁の下で倒れていたウィンターの体にはバイオレットの意識が入っていたのです。
ネタバレ解説|分かり合えない夫婦のすれ違いについて
管理人のネタバレ感想
バイオレットとウィンターは体が入れ替わったことで距離感が縮まります。けれど結局のところ全てが手遅れ。バイオレットは彼のもとを去ってしまいます。それでもウィンターは淡い期待を抱き、妻の帰りを待ち続けました。
二度と夫のもとに戻る気はない妻。そして妻の帰りを信じて待ち続ける夫。2人とも愛情はあるのに、気持ちが通っていないのが悲しいですね。
しかしウィンターはある日、部下の話を立ち聞きしてバイオレットが二度と帰って来ないことを知ります。何よりも大切な妻を失い、絶望したウィンター。そのため命を捨てようとするも、気が付いたら再び体が入れ替わっていました。
かつて逝きたくても逝けなかったバイオレットの苦痛を、ウィンターはここに来てようやく痛感します。まさにタイトルどおり『あなたの心がわかるように』なったのです。