漫画『今世は当主になります』の65話のネタバレと感想です。
ヨバネス皇帝からの親書には、フィレンティアをペレスの従者に任命すると書かれていました。この申し出を受ければ、ロンバルディ家は第1皇子派と第2皇子派に分かれるでしょう。
この先どうなるのでしょうか?ストーリーの続きをまとめました。
ギャラハンは親書を届けるため、ルーラックのもとを訪れる
ギャラハンとルーラックの会話
ギャラハンが先ほどあった出来事――ーペレスが親書を破ったことを伝えると、ルーラックは窓の外を眺めながら厳かな表情で言いました。
「フィレンティアが困っているという理由一つで、躊躇なく破ったか。何一つ気に入らない奴だが、それだけは気に入ったな」
とはいえ現時点だと、第2皇子のペレスは非力な存在です。かたや第1皇子の母親であるラビニは正当な皇后であるため、滅多なことでは地位が揺らがないでしょう。
しかしペレスは先ほど言っていました。フィレンティアを困らせる物なら、それが何であれ自分も望まないと。
ギャラハンはその言葉が本心だと確信したからこそ「第2皇子は何があってもフィレンティアを優先して守ってくれるだろう」と思ったのです。
そして彼はルーラックに頼みました。
「ティアの力になるものなら、それが何であれ一つでも多く用意してあげたいのです」
つまりヨバネス皇帝の要望を受け入れて、フィレンティアをペレスの従者にしたいと言うのです。
するとルーラックは眉間にしわを寄せながらも、息子の願いを受け入れます。そしてギャラハンの肩をぽんと叩いて言いました。
「ヨバネスへの返答とフィレンティアの宮殿行きの準備は私が行おう。だからお前はもう何も考えずに、病気を治すことにだけ集中するんだ。帝国屈指の医師たちをかき集めれば、病気の治療くらいできるだろう」
その言葉を聞いたギャラハンは、瞳をうるませてお礼を述べるのでした。
オマリー博士とビエーゼの会話
その日の夜。
オマリー博士はビエーゼ(ルーラックの長兄)に会いに行き、ギャラハンがトレンブルー病を患ったことを伝えました。
するとビエーゼは口元を抑えながら「そんな、ギャラハンが…?」と言い淀みます。
それを見たオマリー博士は、彼が動揺しているのだと思いました。いくら仲が悪いとはいえ、実弟が不治の病を患ったのだから落ち込むはず。
だからビエーゼを慰めようと、先日アカデミーにて病気の進行を遅らせる研究が発表されたことを伝えますがーーー
その瞬間、ビエーゼは大笑いしました。
「ハハ、ハハハ!そうか、トレンブルー!ハハハ、いいな!すばらしい!天は私に再度チャンスをくださった!」
そしてビエーゼは博士の肩をガシッと掴むと、狂気にそまった笑みを浮かべて言いました。
「病気の進行を遅らせるなんて話にならない。聞け、オマリー博士。 トレンブルーはとても苦しい病気だよな?兄である私が、愛する弟のそんな姿を見ることができるだろうか!いや無理だ!」
つまりビエーゼは、ギャラハンの病気を治療するなと脅しているのです。
その狂った言動を聞いたオマリー博士は、顔を青くしながら咎めますがーーー
ビエーゼが忠告を聞くはず無く、それどころか「ロンバルディでずっと働きたければ、誰に付くか考えることだな」とさらに博士を脅しました。
フィレンティアは父の病気について、ペレスにも説明する
ペレスに真実を明かす
フィレンティアはその日、ペレスに庭園の案内をしていました。しかし父親の病気のことが気がかりで彼女は上の空。ペレスに名前も呼ばれても、ボーっとして反応が遅れるほどです。
そんな彼女の心境を察したのか、ペレスは質問しました。
「(ギャラハンの容態は)そんなに良くないの?俺に手伝えることはある?」
ペレスはギャラハンが『トレンブルー』を患ったと知りません。というのもその事実を知っている人には緘口令が出されたからです。
しかしペレスはギャラハンが倒れた現場を見ていたので、彼の容態がよくないと気付いたのでしょう。
そこでフィレンティアは、ペレスに真実を話すことにします。
ペレスは気が利いて頭もいい子なので、中途半端にごまかすよりは素直に話した方がいいと思ったのです。
「あなたなら誰にも言わないと信じるから言うね。トレンブルー。お父様の病気はトレンブルーだよ」
病名を聞くや否や、ペレスは動揺します。しかし一方で、彼女は確固たる瞳で言いました。
「でも心配しないで。私は治療剤を作れる人を知ってるから。今頃、私の手紙を読んでロンバルディ邸に向っているはずだよ。だからお父様は大丈夫。ちゃんと治るよ」
迷いなく告げるその姿に、ペレスは『ある人物』を重ねるのでした。
ペレスの気遣い
ペレスは話を聞き終えると、懐からチョコクッキーを取り出してフィレンティアに渡します。
元気のない彼女を慰めるため、ペレスが自分でクッキーを焼いてきたそう。しかも食べてみると非常に美味しいので、フィレンティアはべた褒めしました。
フィレンティアが喜ぶと、ペレスも嬉しそうに微笑みます。
その顔があまりに美しいので、彼女は「ペレス、顔を怪我しないようにね」と真剣な表情で言いました。この国宝級の美貌に傷がつくなど、到底耐えられないと思ったのです。
しかしペレスからすれば、フィレンティアの方がずっと美しいのです。そのことを伝えると彼女は「からかっているの?」と言いますが、ペレスは本気です。
だから彼女の耳元で、もう一度言いました。
「きれいだよ、フィレンティア」
『今世は当主になります』65話のネタバレ感想および補足
65話補足①病気について緘口令が敷かれた理由
ギャラハンの病気について知っているのは一部の人たちだけです。病気が判明するや否や、すぐに緘口令が敷かれました。
彼は『ギャラハン衣服店』を経営しているため、巨大事業のオーナーが不治の病を患ったなどと周囲に知られる訳にはいかないのです。
65話補足②ルーラック、ブチ切れる
65話の冒頭にはルーラックの足元だけが描かれるシーンがあり、彼は『破れた紙』を踏みつけていました。
この紙は、恐らく例の親書でしょう。
親書の内容がアレなので仕方がないのですが、足で踏みつけるほど怒るって相当ですよ。
ネタバレ感想①ギャラハン視点での話
ギャラハンは親書を受け取った後、ルーラックと交渉して親書を受け入れることにしました。
つまりフィレンティアは、今回からペレスの従者に任命されたのです。これからは会う機会も多くなるでしょう。
なおギャラハンが皇帝に従ったのは、娘のフィレンティアを守るため。
言い換えれば、第2皇子であるペレスに娘を守ってもらおうと思ったのです。
ペレスが親書をビリビリに破いたのを見て、彼なら娘を大切にしてどんな時でも優先的に守ってくれる!と思ったようです。
フィレンティアを愛する者同士、通じる部分があったのかもしれません。
ネタバレ感想②酷すぎる長兄について
次にビエーゼについて。もともと利己的な男性でしたが、65話ではいつも以上に最低なことをしていますね。
保身のために笑いながら弟を見捨てました。
しかもオマリー博士には、ギャラハンの延命治療をするなと脅します。ギャラハンを治療したら解雇するぞと、完全にアウトなことを言っていましたね。現代なら罪に問われますよ。