ジャコブの母親は、セブラン国の第二王妃でした。故人のため『結婚商売』の本編にはほぼ登場しませんが、一体どんな女性だったのでしょうか?
本記事では第二王妃にまつわる設定と、そこから考察できる彼女の生涯についてまとめました。
解説|ジャコブの母親は手段を選ばない人だった
ジャコブの母親はどんな人?
ジャコブの母親はセブラン国の第二王妃でした。
故人のため本編にはほぼ登場しませんが、漫画版26話にてビアンカの父・グスタフが彼女の人物像について語っています。
グスタフによれば、第二王妃は自分の願いを叶えるためなら手段を選ばない人で息子のジャコブは彼女にそっくりなのだとか。
以下、彼女について分かる限りの情報をまとめました。
- ジャコブの母親(当時は未婚だった)は、第1王妃の親戚であり親友だった。
- しかし第1王妃が国王・ビクトルと結婚したとき、彼を見て一目惚れしてしまう(当時のビクトルは美男子だった)
- ビクトルと第1王妃は相思相愛だったが、それでも諦めなかった。
- その後ジャコブの母親は理由をつけて王城に滞在し、ビクトルが泥酔した日にベッドに侵入して関係を持つ
- つまり親友の夫を奪おうとした
- この件について彼は「酔っていたため記憶がない」と主張するが、第1王妃に信じてもらえなかった。またジャコブの母親は生娘だったので、彼はより困った立場に立たされる。
- ビクトルは第1王妃を愛していたので、結局のところジャコブ母は拒絶されて子爵家に嫁がされる。
- しかしジャコブ母はすでに妊娠しており、嫁いだ後にジャコブを出産する。そのため子供は私生児として育てられた。
- その後、第一王妃が逝去したためジャコブの母親は第2王妃として迎えられる。もちろん子爵とは離婚し、ジャコブも王子として認められる。
- しかし第2王妃になった後もビクトルに愛してもらえず、目も合わせてもらえなかった。
- その結果、彼女は耐えられなくなり息子のジャコブを放置し、最終的には自害してその生涯を終えた。
「結果的に第二王妃は陛下のそばに留まることが出来たが、陛下の愛は最後まで得られなかった。そして望むものを決して得られないと気付いた時、息子だけを残してこの世を去った」
引用元:結婚商売26話グスタフの台詞
関連:【結婚商売・考察】ジャコブはなぜ主人公に執着したのか?
『結婚商売』のマンガ版と原作小説を照らし合わせて確認したところ、第二王妃はこのような人生を歩んだと考えられます。とても情熱的で過激な女性ですね。
ちなみに彼女は第一王妃の親戚なので、ビアンカから見ると遠い親戚にあたります(ビアンカの母は第一王妃の血縁のため)
結婚商売・マンガ版26話
結婚商売・原作小説94話
考察|第二王妃は執着心が強く、傲慢なタイプの美人だった
考察①寝室への侵入事件について
第二王妃はビクトルの寝室に侵入していますが、これは計画的犯行なのか魔が差しただけなのか。それによって話が変わってきますが、恐らく前者でしょう。
原作小説によれば第二王妃はビクトルに一目惚れした後、気品を学びたいと言い訳して王城に滞在しています。となれば最初から彼と親密になる機会を狙っていた…と考えるのが妥当です。
また国王の寝室であれば、警備がガチガチで容易には侵入できないはず。そこに忍び込むとなると、事前に準備が必要になるでしょう(例えば警備の人を買収するとか)
そもそもジャコブそっくりな母親となれば、事前に計画して手を回して、そうして犯行に及んだ可能性が高いのかなと思います。
考察②傲慢なタイプの美人だった
息子によく似た美人か?
とはいえ普通の令嬢なら、恋い焦がれた相手とはいえ不法侵入なんてしないはず。
それでも第二王妃が計画を実行したのなら、自分に相当自信があった可能性があります。ジャコブが母親似であの容姿なら、彼女もまた美人でしょうから。
案外、息子と同じで傲慢なタイプの美人だったのかもしれませんね。
追記:マンガ版88話で初登場!
マンガ版88話ではじめて第二王妃が登場しました。さらりとした長い金髪にジャコブそっくりな顔。やはり美人です。女版ジャコブという印象。
因みにこのシーンで彼女は、ジャコブに心中を持ち掛けています。しかし逃げられたので結局1人でこの世を去りました。
「愛するジャコブ。お母さんと一緒に死んでてくれる?」
引用元:結婚商売88話
考察③大貴族の令嬢である
第一王妃と親戚だったという情報から、第二王妃は大貴族の娘だと予想されます。
当時の世情的に、第一王妃になるには家柄が重視されたはず。高貴な女性の親戚であり親友ならば、第二王妃もまた良い家柄の令嬢だったと考えるのが自然でしょう。
そして1章で説明したととり、グスタフによれば第二王妃は『自分の望みを叶えるためなら手段を選ばない人』だったそう。
大貴族の令嬢で、自分のワガママを貫き通す性格。となれば彼女は昔から、望んだ物をすべて手に入れてきた可能性があります。
だからこそ大人になっても、その悪癖が治らなかったのかもしれません。
なぜ処罰されず、子爵家に嫁ぐだけで済んだのか
第二王妃が処罰されなかった理由
第二王妃が犯した罪を考えれば、本来は厳しい罰を課されてもおかしくありません。しかし彼女が罰されたという記述はなく、本編には「子爵家に嫁がされた」とだけ書かれていました。
この点について管理人なりに考察したのですが、恐らく大貴族の令嬢ゆえに国王ですら下手に処罰できなかったからだと推測します。
しかし嫁ぎ先が子爵家であることから、ビクトルがこの件について怒っているのは明白。貴族と言っても序列があり、子爵の階級は4番目。つまり下から2番目です。
第二王妃が大貴族の娘だと仮定するなら、彼女は格下の相手に嫁がされたと言えます。
これが当時のビクトルにできる最大限の処罰だったのでしょう。
その後、社会的な制裁を受ける
とはいえビクトルが処罰せずとも、彼女は十分な罰を受けています。
その内の1つが社会的な制裁です。
ジャコブは漫画版76話にて、母親のことを「国王に捨てられた女」と称していました。息子でさえこの言い様ですから、社会的な評価も同じでしょう。
格下の相手に嫁がされて周囲からは哀れな女に見られ、そのような状況下で辛くないはずありません。
そして第二王妃に迎えられた後もビクトルに愛してもらえず自ら命を絶ったのですから、ある意味で罰はちゃんと当たっています。