『悪女は砂時計をひっくり返す』の外伝17(121話)のネタバレと感想です。
『治癒の湖』の存在を知ったアリアは、ティアランを通じてその湖を手に入れようと考えます。しかしこれが最善策であると知りながらも、どこか自分の行動に違和感を覚えるのでした。
湖の水は無事に手に入るのでしょうか?ストーリーの続きをまとめました。
アリアは『治癒の湖』についてアースにも情報を共有する
脅された結果、ティアランは命令に従う

アリアは“治癒の湖”を手に入れるため、ティアランに故郷の人たちを説得するよう命令します。
ティアランは戸惑ったものの結局は命令に従い、すぐさま馬で故郷の村に向かいました。
アースが執務室にこもる理由
アリアは夜遅くに、アースのいる執務室を訪れます。このごろ彼は寝室に来る時間が遅いので、様子を見に来たのです。
しかし彼のデスクを見てみると、そこに並んでいたのは仕事の書類ではなく医療関係者の履歴書。
アリアが出産時に体を壊さないよう、アースは優れた医療関係者を探していたのです。
そして彼はクマのできた顔で、今日も先に眠っていてほしいと言いますがーーーその言葉を遮り、アリアは「良い方法が見つかりました」と微笑みかけました。
“治癒の湖”のはなし
アースを連れて寝室に戻ると、アリアは『治癒の湖』のことを伝えます。
とても信じがたい話ですが、アースはあっさり信じてくれました。
というのも言い伝えに登場する“高貴な人”とやらが皇族の能力を持っていたと仮定すれば、あり得る話だと考えたのです。
そして2人は「私たちに神様がもう一度恩寵を与えてくださったのでしょう」と手を取り合って喜びました。


1週間後、ティアランは湖の水をアリアのもとに持ち帰る
ティアランの帰還
一週間後、ティアランがようやく城に帰還したのでアリアはすぐに彼女を執務室に呼び付けます。そして淡々とした表情で「村人の説得は成功したの?」と聞きました。
「それで、説得はうまくいったの?村の人たちが神聖視しているから大変だろうけど、私が望んだのは湖の水一袋ではなく、湖そのものよ」
引用元:悪女は砂時計をひっくり返す外伝17 アリアの台詞


するとティアランは神妙な顔で、まずは『治癒の湖』の効果を証明すると言いー――次の瞬間、ナイフで自らの腕を切りつけます。
彼女の腕からはボタボタと血が流れるも、手に持っていた水筒(中には“治癒の湖”の水が入っている)を口にした瞬間、ティアランの傷は一瞬で治りました。まるで何事もなかったかのように傷跡一つ残っていません。
その奇跡的な光景を見て、アリアは眉をひそめます。まるで『神への疑いを捨ててただ畏敬の念を抱け』と言われている気がしたのです
まとめ|悪女は砂時計をひっくり返す外伝17・121話のネタバレと感想
外伝17のネタバレ感想|ティアランはなぜ命令に従った?

ティアランはアリアに脅されて治癒の湖の水を取りに行きましたが、ただ怯えて従ったのではなく彼女なりの信念があったようです。
その裏付けとして外伝17のラストで自分の腕を切りつけた時、彼女は次のセリフを言っていました。
「私と私の村の未来をすべて…あなたに捧げますから、私の信義をどうか覚えておいてください。お願いします。皇太子妃殿下」
引用元:悪女は砂時計をひっくり返す外伝17 ティアランの台詞
恐らくティアランは、アリアになら“治癒の湖”の所有権を渡しても良いと思ったのでしょう。
というのもこの湖、どんな病気や傷も治せるという万能薬なので悪用されたらとんでもない事になります。最悪、この湖をめぐって人々が戦争するというパターンも考えられるのです。
だから彼女の故郷の人々は、誰かに悪用されないよう今まで湖の存在そのものを秘匿したのでしょう。
けれど、もし“治癒の湖”を正しく使える人がいるなら話は別です。
みんなに平等に、必要としている人たちに湖の水を与えてあげる。そんな聖人がいるなら、その人に湖を託して正しく使うのが最善でしょう。
そしてアリアならその役目を十分に果たしてくれると考えたからこそ、ティアランは「私の信義を覚えて(略)」というセリフを言ったのかなと思います。
アリアが貴族も平民も平等に扱ってきたからこそ、この結果に繋がったとも言えますね。
補足|結局ブリスは祭りに行けなかった
補足ですが、ブリスは結局お祭りに行けませんでした。
前回倒れてしまったので、現在はベッドの上で療養生活を余儀なくされています(ただし祭りに行きたいと言って駄々をこねていますが…)
なおリッペは、ブリスだけ置いていくのが可哀想で自主的に城に残りました。リッペもお祭りを楽しみにしていたのに、姉のために我慢して残ったのです。この子、本当に優しい子ですね。