マンガ版『悪女は砂時計をひっくり返す』の86話のネタバレと感想です。
前回アリアは、ミエールからの信頼を得ることに成功しました。そして今回ついに、謀反人たちの処刑日を迎えます。
イシースやミエールはどうなるのでしょうか?続きを解説します。
目次
アリアと母親は、使用人を連れて引っ越す
新居での様子
伯爵との離婚が済んだので、アリアと母親のカリンはロースチェント邸を出て別の屋敷へと引っ越します。
その際にロースチェント家の使用人を全員連れて行って再雇用したので、みんな2人に感謝ました。
「他所の使用人たちは、退職金もなく追い出されて大騒ぎなのに…」
「待遇もロースチェント邸にいた時よりずっといいわね!」
メイドたちは口々にアリアを褒めました。
アリアが褒められるものだから、ジェシーとアニーも大喜び。
特にアニーは、メイドたちが感謝しているという話をかれこれ百回以上しています。また彼女にれば、みんなアリアと母親のことを聖女と褒め称えているそう。
その話を聞きながら、アリアは思いました。
(みんなが勝手に聖女と呼んだところで気にしないけど…それでも悪女として死ぬよりはずっと良い響きね)
今こうして過ごせるのは、砂時計のおかげ。しかしまだ安心はできません。この砂時計を必要としなくなった時こそ、アリアはようやく幸せを享受できるのでしょう。
今日はついに断罪の日。広場には謀反人が集められる
断罪の日
アリアは母親と一緒に、街の広場に向かいます。アリアは控えめなドレスを着ていますが、母親のドレスは豪華でパーティーにでも行くかのよう。
それを指摘すると、母親は「こんな状況ならむしろ、派手に着飾るのが最高だわ!」と笑いました。
というのも今日は、謀反人たちが処刑される日なのです。
そのため広場には、大きなギロチンが1台置かれていました。
・・・
アリアと母親が広場に到着すると、そこで予期せぬ人物と遭遇します。クロア王国に帰ったはずのローハンがいたのです。
さらにローハンの後ろにはアリアにそっくりな美しい男性が立っており、彼は切なげな表情でアリアを見つめています。
(私に似た美しい人…·誰かしら…?)
目の前の男が実父・クロエだと知らないので、アリアは戸惑います。
そもそも現状、クロエの正体を知らないのはアリアだけ。さらにタイミング悪くアースもやって来て、彼らは口々に弁解をしました。
「ごめんねアリア、私が先に話すべきだったのに…」と焦る母親。
「いやカリン、僕がこうして来たのがいけないんだ」と彼女をかばうクロエ。
「お嬢様を騙したワケではないのです!」と慌てるアース。
しかし皆が慌てる中、当事者のアリアだけは冷静でした。そして状況をすぐに把握すると、実父の話は後にしてまずは移動しましょう…と場を収めました。
罪人が到着する
その後、広場には捕らえられた貴族たちがやって来ます。
その中にはイシース・ミエール・カインの姿もあり、粗末なボロ服を着せられて手枷と足枷を付けられていました。
「悪党が!」
「お前らのせいで!」
民衆は容赦なく、囚人たちを罵倒します。さらに酔っ払った男が、イシースをドンっ!と突き飛ばしますがーーー
イシースが鋭い眼光で睨みつけると、男は怯んで黙り込みました。
さらにイシースは、上座の特別席に座っているアリアのことも睨みます。その視線は恨みに満ちていて、まるで『下賤な者がよくも私を見下ろせたものね』と言っているよう。
するとアリアの隣に座っていたローハンは、イシースをここに連れてくるよう部下に命令しました。
イシースを呼び出して”真実”を伝える
ローハンは真実を伝える
ローハンの前に連れて来られたイシースは、眉を吊り上げながら言います。
「何ですか、ローハン王。あの下賤な者の前で、私に恥をかかせて媚びるつもりですか?」
今から断罪されると言うのに、ふてぶてしい態度のイシース。しかし彼は怒ることなく、いつもどおりの飄々とした顔で、真実を語りました。
まずローハンが告げたのは、アリアの父親がピアスト侯爵の息子であること。また同時に、彼女が皇室と繋がりがあることも伝えます。
それを聞いたイシースはあり得ない!と反論するも、ローハンは事実だと言います。
さらに彼は、イシースの耳元でこっそりと「皇室と繋がりがる人はごく稀に、特別な能力を発揮するそうだよ」と囁きました。
ミエールが言っていた”アースの能力”は真実であり、その能力は皇室の血を引く者が危機に瀕すると発現する。
その秘密を聞いて呆然とするイシースに、ローハンはなおも告げました。
「あなたも皇室の血を引いているそうだね。もしかすると、能力が発現するかもしれないよ」
もしイシースが覚醒したら?
イシースにあれこれと秘密を話してしまったローハン。彼が席に戻ってくると、アリアは「彼女のことが気に入ったのですか?」と質問します。
するとローハンは淡々と、公女は度胸のある人だけど貴族派の代表としても公爵代理としても力不足だったと語ります。また同時に「イシースに本当に能力があったらどうしますか?」とアリアに尋ねますが・・・
アリアは遠ざかるイシースの背を見ながら、静かに答えました。
「その時は…覚悟しなければなりません」と。
補足|なぜローハンは能力について詳しいの?
アースが子供の頃、彼が公爵家(イシースの父)に追われている最中に姿を消し、その後クロア王国で発見されるという事件がありました。
そしてこの時、ローハンの目の前に急に血まみれのアースが現れたそうです。
つまり、アースが能力を使って逃げた先にローハンがいたのです。そのためローハンは、能力のことを知っていました。
『悪女は砂時計をひっくり返す』86話のネタバレと感想
感想①イシースも能力に目覚める?
イシースにも皇室の血が混ざっているので、もしかすると能力に目覚めるかもしれない・・・という場面で86話は終わりました。
プレデリック公爵家に皇室の血が入ったのは大昔のことですが、それでも皇室と関係があるのは事実。そして能力は、死に瀕したときに発動します。
つまり現状、イシースには覚醒する条件がそろっているのです。
イシースが能力に目覚めてしまったら、大変なことになりそうですね。アリアのように過去に戻れる能力だったら、彼女は間違いなく復讐するでしょうから。
感想②このタイミングで父娘が初対面
今回、アリアと実父のクロエが初めて対面しました。アリアは「実父に何の興味も無い」と言っていましたが、いざ会うとやはり気になるようですね。
ただ個人的には、クロエがなぜこのタイミングで来たのか謎でした。帝国を追放された身である以上、ローハンの付き添いとして来るしか方法が無かったのかなとは思いますが・・・
その結果、処刑当日に父と娘が初対面するという物騒な事態になりました。
クロエは、一刻も早く娘と妻に会いたかったのでしょうか。
感想③カインとミエールの状況
現状、ミエールとカインは罪人なので手枷と足枷を付けられた状態です。なお2人が広場に来たとき、ミエールは足が痛くて歩けないのでカインが支えあげていました。
カインはここ最近ろくでもない姿ばかり見せていましたが、ちゃんと兄らしい事もしているようです。少しだけ感心しました。本当に少しだけ。1ミリくらい。