漫画『皇帝の子供を隠す方法』の82話のネタバレと感想です。
前回アステルは、実父・レストン公爵を失脚させることに成功しました。そして証拠書類を用意してくれたベリアンに会わなければと考えますがーーー待ち合わせ場所に来たのは、意外な人物でした。
82話の概要|ベリアンとフローリンは手を組んでいた
同盟を結びませんか?
ベリアンを植物園に呼び出したところ、やって来たのはフローリンでした。つまりこの2人はレストン公爵を失墜させるため、裏で手を組んでいたのです。
そこでアステルは彼女の賢さを見込んで、自分と同盟を結ばないかと提案します。
今はとにかく誰かの助けが必要なので、必要ならば相応の役職を用意するとも言いました。
「フローリン令嬢。私の味方になる気はありませんか?私側の人間いなれという意味ではありません。私も令嬢を完全に信じる事はできませんから。あくまでも同盟を提案しているのです」
引用元:皇帝の子供を隠す方法82話
しかしフローリンはしばし黙った後、クスクスと笑いながら提案を辞退します。そして優雅に礼をすると、その場を去ってしまいました。
補足|フローリンの内情
アステルの提案は、フローリンにとって悪くない内容でした。
しかしフローリンがそれを断ったのは、ひとえに野望のため。彼女は幼少期から『アステルになりたい』と願っていたのです。
- フローリンは生まれた時から貧弱で、いつ家族に捨てられるか分からない悲惨な境遇だった。
- そんなある日、彼女は王宮でアステルに会う。
- アステルは生まれた時から高い身分と“皇太子妃”の役職を持っており、フローリンはそんな彼女をひどく羨ましく思った。
フローリンは過去にこのような経験をしているからこそ、アステルのような人に使われる駒ではなく、アステル“に”なりたい!という野望を持っていたのです。
まとめ|皇帝の子供を隠す方法・ネタバレあり感想
ネタバレ感想①フローリンの本心
今回、はじめてフローリンの内情(?)が描かれましたね。
前々から「この子はもしやアステルに憧れているのでは?」と思しき点はありましたが、まさかアステルになりたいと思っていたとは・・・
“ような”ではなく“に”なのが怖いですね。フローリンのこの感情を、言葉でどう表せばいいのか。憧れなんて生やさしい感情じゃなくて、執着とかそういう言葉のほうが近い気がします。
ネタバレ感想②憧れゆえに目が曇っている?
フローリンはとても優秀な女性で、アステルがいなければ次期皇后になっていたと思われます。本編中も、何度かそんな話が出ていましよね。
そんなフローリンが手本にしていたのが、まさにアステルでした。彼女にとってアステルは“完璧な女性”であり、アステルになれば全てが手に入るとさえ思っていたようです。
これ、何とも皮肉な話ですよね。アステルは当時一番欲していたものが手に入らず、一夜で皇后の座を奪われた悲運の主人公。完璧だからって、何もかもが手に入るワケじゃありません。
なのにフローリンは、優秀な頭を持っているのにそんな簡単なことにも気づいていません。
憧れが強すぎるがゆえに、アステルの立場を理解していないのでしょうか。だとしたら本当に皮肉ですよね。とある漫画で読んだのですが”憧れは理解から最も遠い感情”という言葉を思い出しました。