ピッコマで連載中の漫画『外科医エリーゼ』のネタバレ感想です。今回は、53話から55話までのストーリーについてまとめています。
53話:積極的な攻撃
現在の戦況
エリーゼたちは船で戦地へと向かいます。
同じ船にミハイルも乗っていたので、エリーゼは彼と楽しく会話をしていたのですが・・・
実はその時。
数メートル離れた位置から王子に見つめられていました。
王子は遠くから
「あの二人はいつから親しくなったんだ?あんなに楽しそうに一体なんの話を・・・」
と、悔しそうに眺めていたのです。


でも、恋愛経験がない王子はどうしていいかわからない。歯がゆいね。
その後、王子は別室へと向かい報告書を読み「戦況が良くないな」と呟きます。
兵士によると「遠征の二軍団は半分以上が壊滅し、先に出発した15万の支援軍はクリミア半島北端まで追い込まれて緊迫した状態」との事。
敵との兵力に10万以上の差があり、こちらが劣勢です。

しかし、王子は冷静です。
「相手の策に振り回される必要は無い。我々は正攻法でいく」
と、焦ることなく堂々と構えます。
負傷した兵士
エリーゼは船から降りて、後方野戦病院へと向かいます。
病院の中へ入ると、そこは酷い状況でした。
負傷した兵士たちは包帯を簡単に巻かれただけで、まともな処置がされていません。おまけに、病院内は非衛生的。
(こんなの放置しておいたのと同じじゃない。いや、それ以上に残酷ね)
一人や二人治療しても解決する問題ではない。そう考えたエリーゼは、基本的なシステムから改善するために病院の責任者に会いに行きます。
責任者は小太りの男性で、アルコールの匂いがしました。どうやら、昼間から酒を飲んでいたようです。
エリーゼは「治療のために環境改善が必要です」と言いますが、責任者は「私にはそんな権限はない。司令部に問い合わせてください」と言い逃れをします。

仕方が無いので、エリーゼは次に司令部へと向かいました。
しかし、司令部の担当者も同じで「機会をみて上のものと話してみます」と言うだけ。まともに対応してくれません。

54話:あなたは、なんて素敵に笑うのだろう
王子の高感度アップ作戦
兵士たちを助けるために、野戦病院の環境を改善したい。けれど、責任者たちは相手にしてくれません。
エリーゼは未来の皇太子妃ですが、これといった職位がないため甘く見られていたのです。
司令部の廊下を歩きながら悩んでいると、偶然にも王子が現れます。
「エリーゼ?司令部には何の用だ?」
問いかける王子に、エリーゼは「王子に相談するのはどうだろう」と考えました。
いつもなら、エリーゼは「個人的な相談をするほど王子とは親しくない」と遠慮しますが、今回の件は大勢の命に関わること。
だからこそ、司令官である王子に相談しようと判断したのです。

環境を改善するには政治力が必要。王子の助けがあれば力強いよね。
エリーゼが今まで出来事を話すと、王子は「部屋で詳しく話してくれ」と言います。
そして。
なぜかエリーゼは別室に連れて行かれ、王子とお茶をすることに。しかも、驚くことに王子自身が茶を注いでくれたのです。
エリーゼは訳がわからず混乱。
しかも、王子のいれたお茶がマズすぎて顔が青くなるという状況に。

なぜ、こんな状況になってしまったのか・・・
実を言うと、王子は少し前に女性に好かれる方法を相談していました。
その際に、相談相手から
「もう少しやわらかい姿をお見せするのはどうでしょう?二人でいる時にお茶を入れたり・・・デイム(=エリーゼ)は間違いなく感動するはずです」
と助言があったのです。
つまり、優しさで高感度をアップさせる作戦ですね。
しかし、この作戦は見事に失敗。
どう見てもエリーゼは感動していません。
王子もさすがに「感動どころか、どう見ても気まずそうな表情じゃないか・・・!」と気づきます。

相談の結果
エリーゼは、王子に野戦病院の話をします。
兵士を助けるためにも「野戦病院の環境改善によりどれだけの利益があるか」をしっかりアピールしなければなりません。
でなければ、さすがに王子といえど改善指示を出せないのです。
そこで、エリーゼは
「野戦病院の環境をかえれば、負傷者の死亡率をいまより10倍は低くできる」
と提案します。
この話を聞き、王子も「個人的に賛同できるから支援してやりたい」と言ってくれますが・・・
しかし、この案件は王子一人で決められることではありません。
そこで王子は
「二日後の司令部の会議に出席して、皆を説得してみせろ」
「その時に説得力があれば、エリーゼの提案を聞き入れよう」
と条件を出しました。
55話:全責任
会議の結果
二日後。
司令部の軍事会議で、エリーゼは野戦病院の環境改善について話しますが・・・
会議に参加した貴族たちは、あきらかに「興味がありません」という様子。
それでも、エリーゼは
「負傷兵たちの死亡率は40%以上です。この数字は負傷すると半分近くが命を落としていることになります」
「もし死亡率を下げることができたら、わが国の勝利に大きな助けとなるでしょう」
「死亡率を10倍以上下げる方法があります!」
と全員に提案します。
しかし、他の貴族たちは「虚言が過ぎる」と言って信じてくれません。
そこでエリーゼは、全員に資料を配布し「死亡原因の中で、負傷はたったの2%以下」だと説明します。


貴族たちはこの事実に驚きますが、やはり信じてくれません。
すると、隣にいた王子が
「やってみよう」
「これはやるかどうかの問題ではなく、必ずやらなければならない重要なことだ」
とエリーゼに賛同してくれます。
そして、さらに。
王子は「エリーゼを臨時医務司令官に任命する」といって、役職を与えてくれたのです。
貴族たちは、この話に大反発。
それもそのはずで、帝国軍には臨時医務司令官という役職は存在しないのです。
しかし、王子は反論をものともせず
「役職が無いなら作ればいいだろう」
「そもそも、兵士たちの回復に責任をとる医務司令部が今までなかったのがおかしい」
と貴族たちをにらみ、強引に黙らせました。


病院の全責任を引き継ぐことに
臨時医務司令官になったエリーゼは、さっそく環境改善に取り掛かります。
役職があるおかげで、仕事がスムーズに進みますが・・・
その際に、エリーゼは「何かがおかしい」と気づきます。
というのも、医薬品支援の予算が少なすぎるのです。
兵士に調べさせたところ、病院の責任者であるヘインツ大尉が予算を横領していました。


エリーゼは、ヘインツ大尉を解任させます。
そして「野戦病院の総責任職は私が引き受けます!」と宣言しました。