小説版『今世は当主になります』の154話・155話・156話のネタバレと感想です。
フィレンティアは山崩れに巻き込まれるも、最低限の食料だけで数日間耐えしのぎます。家族やペレスがきっと助けに来てくれるはずだと、信じて待ち続けたのです。
その甲斐あって前回のラストでは騎士団が駆け付けましたが、その後はどうなったのでしょうか?
目次
154話~155話の概要|救助のため大勢が駆け付ける
フィレンティアは救助される
ロンバルディ家の力はさすがで、フィレンティアを救出するため実に多くの人々がアイバン領に駆け付けます。その中には、彼女の父・ギャラハンやいとこの双子たちの姿もありました。
そして作業スピードが各段にあがった結果、フィレンティアは数日後に土砂の中から救出されました。
156話の概要|ティアは救助されるも3日間意識不明に
目覚めたのは3日後
フィレンティアは救出されたとき気絶しており、その後3日間意識不明でした。
そのため彼女がベッドで目を覚ますと、お見舞いに来ていた双子やギャラハンはとても心配します。それこそギャラハンは今にも泣きそうな顔で触れてくるので、彼女はその手の優しさに安心しますがーーー
その時ふと、フィレンティアはペレスのことを思い出して心配になります。彼の事だから、きっと自分を助けるために無茶をしたはずだと思ったのです。
ペレスはずっと後悔していた
その後ペレスもお見舞いに来たので、フィレンティアは彼と2人きりで話をします。
ペレスは彼女を守れなかったことをずっと悔いていたらしく、開口一番に「ごめん。ティアだけをこんな目に遭わせて」と謝罪します。それこそ辛さのあまり、食事も食べていないようです。
そのためフィレンティアは彼を励まします。
事故に遭ったあと、本当はそんなに怖くなかったわ。あなたが助けに来ると思ったから。ペレスが外にいると信じていたから耐えられたのよ、と。
そしてフィレンティアはわざと軽い口調で、別の話題を出しますがーーーそのときペレスは彼女の唇にキスをしました。
初めてのキス
フィレンティアは驚きながらもキスを受け入れて、また自然と指をペレスの胸元に伸ばしますがーーーはっと我に返り、すばやく彼から唇を離します。
しかしペレスの瞳にはまだ熱がこもったまま。話を聞けば、彼は今回フィレンティアを失いかけたことで、迷わずに気持ちを伝えることにしたそう。
「ティアが言ったんでしょ?言葉にしない愛は愛じゃないって」
引用元:今世は当主になります156話
そして彼は宣戦布告でもするかのように「これからはもっと俺の気持ちを伝えるつもりだよ」と告げるのでした。
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補足|アイバン当主とミゲンテのその後
ミゲンテは後遺症が残る
ミゲンテは事故時に足を怪我していたため、後遺症が残りその足が動かなくなったようです。
すぐに手当できていれば、後遺症なんて残らなかったでしょうに……当事者の一族とはいえ、この人はかなり理不尽な目に遭っています。
アイバン当主は辞職
アイバン当主はフィレンティアが救助された日に辞職し、当主の座をミゲンテに譲りました。今回の事件で一族に迷惑をかけないよう、すべて個人の責任にするため辞職したようです。
今世は当主になりますネタバレ感想|救出作業時のはなし
ネタバレ感想①救出までに5日は経過したはず
解説ではサラッと書きましたが、フィレンティアが救出されるまでには相当な時間がかかりました。
生き埋めになってから救助されるまで、少なくとも5日以上が経過したと思われます。双子がアイバン領に到着するまで4日かかり、その後もさらに作業が続いていましたから。
それこそ一部の作業員は「はたしてフィレンティア様はまだ生きているのだろうか?」と疑問を感じながら作業をしていたようです。それくらい絶望的な状況でした。
けれどフィレンティアは、馬車の中にあった最低限の飲み物と食料だけで5日間を堪えたのです。精神力がすごい。本当に強い子。
恐らく普通の人であれば耐えきれずに途中で飲み切って、自ら生存確率を下げてそのままーーーとなっていたかもう。また状況に耐えられず狂う可能性もあります。
今回の山崩れ事件は、彼女のメンタル的な強さがハッキリ描かれた回でした。
ネタバレ感想②ペレスは無茶をし続けていた件
ペレスはぶっ通して救出作業をつづけていたため、何度も倒れています。おまけに作業中、石を持つ指先は血まみれでした。
少しは休むように周囲が無理に止めても、止めに入った人が逆に怪我をさせられる始末。そのためギャラハンが到着して止めに入るまで、ペレスは休息を取りませんでした。
また154~155話の描写を見たところ、作業中のペレスにはいつもの堂々としたオーラが全く感じられず、ひどく小さな存在に感じられました。それこそ幼少期の、弱くて生気の感じられないペレスに戻ったかのよう。痛ましかったです。
ペレスにとってフィレンティアは生きる意味であり、彼女がいなくなったら立っていられない。彼のそういった内面について再確認させられる回でした。
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