漫画『余命わずかの脇役令嬢』の32話のネタバレと感想です。
前回カリナは、父・カーシスの部屋に置手紙を残しました。彼はそれを見つけて読みますが、手紙には一体何と書かれているのでしょうか?
以下にストーリーの続きをまとめたので、読んでみましょう。
←前回 | 今回 | 次回→ |
31話 | 32話 | 33話 |
カーシス視点|娘からの手紙を読んで激怒するが…
カリナからの手紙
半年間連絡が途絶えていた娘から送られた手紙は、驚くほど簡潔で冷たく、そして固い意志のこもったものでした。
手紙に書かれているのは、両親を拒絶する言葉の数々。
それを読んだカーシスは、全てカリナを愛してるからだと心の中で言い訳しますがーーー
手紙を読み進めると『お前を愛しているからだという言葉を盾にしないで』と書かれていたので激怒します。しかし手紙を読んでいるうちに、今度は動揺して冷や汗をたらしました。
私は本当に何も言いませんでしたか?私は本当に、幼い時から一度も泣かない優しい子でしたか?
私は言わなかったのではなく、言うことを諦めたのです。
私に会いたければ直接北部に来てください。私から行くことはありません。そして死亡処理は好きなようにしてください。
手紙を読み終えて、やっと気づく
手紙を読み終えると、カーシスはようやく気づきました。カリナはいつから泣かなくなったのか、自分が思い出せないことに。
そして手紙をぐしゃぐしゃに丸めて床にたたきつけると、傍にいる執事に怒鳴りました。
「公爵に連絡しろ!すぐにカリナを帰せと言わなければ!」
すると執事は困った顔で、北部はすでに検問所が閉まって出入りが不可能だと言います。また同時に、カリナが本当に病気を患っているのではと指摘しました。
執事によれば、数カ月前にメイドの1人がカリナの部屋の前で食べ物を吐くような声を聞いたそう。
それを聞いたカーシスはなぜ報告しないんだ!と怒鳴りつけるも、そもそも執事が報告するたびに彼は「忙しいから後にしろ」と言って話を聞かなかったのです。
そのことを指摘するとカーシスは冷や汗をたらし、とにかくカリナを呼び戻してきちんと話をしなければと言いますがーーー
部屋の外では偶然にも、アベリアが会話を立ち聞きしていました。
アベリア視点|姉が二度と帰って来ないことを知る
お姉様はもう帰って来ない
顔面蒼白になり体を震わせるアベリア。泣きながら自室に戻ると、彼女はぽつりと呟きます。
「違うよ、お父様…お姉様はもう帰ってこないよ」
そしてアベリアは、自室のベッドに顔をうずめて再び泣き出しました。
カリナ視点|家族との思い出すらも捨てる
鳥に託した願い
暗い部屋の中で、カリナは幼い頃に買ってもらった“クマの財布”を取り出します。
そして絵を描いて金色の鳥を召喚すると、その鳥に「この財布を二度と見つからない所へ捨てて」と財布を託しました。
カリナの願いを叶えるため、金色の鳥は遠くまで飛び立ちます。そして山々に囲まれた湖を見つけると、持っていた財布を手放しました。
ズブズブと沈んでいく財布。これでもう誰にも見つからないでしょう。
『余命わずかの脇役令嬢』32話のネタバレと感想
32話ネタバレ感想①アベリアが意外としっかりしていた件
手紙で決意表明していた通り、カリナはもう二度とレオポルド邸に戻って来ないでしょう。
その事実を一番最初に受け入れたのは、意外にも末っ子のアベリアでした。
実を言うと管理人、この子は最後までカリナの本心まで気づかないだろうな…と思っていました。末っ子らしく呑気に、姉の帰りを待ち続けるものだと思っていたのです。今までの描写からも、アベリアは現実が見えていないイメージが強かったので。
でも結局のところ、姉の本心を正確に読み取りましたね。
そして一方、父・カーシスはまだカリナとの関係を修復する気でいます。
この人は多分、自分の間違いを認めたくないのでしょうね。根っからの貴族気質。
でもカリナと家族の関係はもう壊れています。壊れる寸前ならともかく、壊れたらもう修復できませんよ。
32話ネタバレ感想②カリナに共感してしまう理由
カリナと似たような境遇の人は、読者様の中にもいるかと思います。
カリナほど酷くないにしても、家庭内の面倒事を全て押し付けられたり兄妹がワガママなせいで理不尽を被ったり・・・そういう経験をした人は少なくないでしょう。
実を言うと管理人もそうです。父親から何度も「お前が我慢しろ」と心無い言葉を言われたものです。
だからこそ、この漫画を読んでいるとカリナに感情移入してしまいます。
カリナの両親の言葉は、子供の心を折るには十分です。これを言われ続けると、もう諦めるのが当然になってしまい誰かに助けて欲しいとさえ思わなくなります。
32話にてカリナは『私は言わなかったのではなく言うことを諦めたのです』と手紙に書いていましたが、管理人はものすごくこの言葉に共感しました。
いつも私に家門の名に泥を塗るなとおっしゃいましたね。私はこれまでその言いつけを守って来たと思います。だから今度は私からのお願いです。
どうかこれから有名になる私の名前に、泥を塗らないでください。長い待ち時間はもう終わりました。
私は今、ドキドキする片思いをしています。ご存知ですか?世の中には私が主人公でいられる世界があるのです。その世界には、私に手を上げたり家から追い出すと脅したりする人はいません』