悪女は砂時計をひっくり返す87話のネタバレ感想|イシースの最後とプレデリック家の末路

悪女は砂時計をひっくり返す

マンガ版『悪女は砂時計をひっくり返す』の87話のネタバレと感想です。

反逆の首謀者であるイシースが、今回ついに断罪されます。彼女の生い立ちを考えると可哀想ですが、国家転覆を企てた以上は罰を受けなければなりません。

短い人生の最後に、イシースを何を思うのでしょうか?ストーリーの概要をまとめました。

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ミエールとカインに下された判決は?減刑された結果

ミエールへの罰

悪女は砂時計をひっくり返す

処刑台の前で、膝をついて並ばされる罪人たち。

フィノは彼らの前に立つと、順番に罪状ーーー財産の没収と爵位剥奪および斬首刑ー――を告げていきます。そしてミエールの番が来た時、フィノは言いました。

「ロースチェント・ミエール!まだ幼く反逆活動の比重が少ない点を考慮して、懲役50年の刑を言い渡す」

この判決にミエールは激怒します。助けてくれるって言ったくせに!犬小屋のような場所で50年なんて!と怒鳴りますが・・・

フィノは淡々と続けました。

「ただし減刑の嘆願書を提出した者の監視の下であれば、同行の際の執行を猶予する。もし逃走及び危害を加えた場合、直ちに処刑することができる」

つまりアリアが一緒であれば、ミエールは刑務所の外でも生活できるのです。

するとミエールの表情は早変わりし、隣のカインと手を取り合って喜びます。そして顔を輝かせながら特別席の方を見ると、アリアもまた微笑んでいました。

が、しかし。

他の罪人たちは、恨みに満ちた目でミエールを睨みつけます。同じ反逆者なのにミエールだけ減刑されたのが悔しかったのです。

カインへの罰

そして次に、カインの罪状が告げられます。

「ロースチェント・カイン。斬首刑」

その言葉に絶句するカイン。ミエールも顔を青くしますが、フィノは淡々と言葉をつづけました。

「…を宣告しようとしたが、弁護人が提出した書類から減軽し、無期懲役を言い渡す。病気の”独身男”と妹を扶養する義務があることを考慮して、皇城の使用人として働くことを懲役義務とする」

カインの命も助かったので、ミエールは安堵します。しかしカインは、文言がおかしいことに気付いて慌てました。

「病気の”独身男”だって…!?」

父親は結婚しているのに、なぜ独身男と言われたのか。しかしミエールは呑気に笑って気にしていません。彼女にとっては、生きて屋敷に帰ることだけが重要なのです。

結局この件については有耶無耶になり、カインもそれ以上は言及しませんでした。

ひよこ
ロースチェント伯爵は、財産も爵位も妻も失ったんだね。
白うさ
というかミエール、呑気過ぎない?

イシースは反逆者の代表として、重い罪を課される

イシースへの罰

ミエールとカインが喜ぶ傍ら、罪人たちはなおも恨めしげに2人を睨みます。

なぜあんな奴らが生き残って、自分たちが死ななければならないのか。そう思った罪人の1人がついに激怒し、ミエールに向って怒鳴りました。

「私をあざ笑うのか!?この小者め!」

元貴族とは思えないほどみっともない光景に、呆れたアースが出て来て「やめろ!」と一喝します。そして全員への罪状をまとめて言い渡しました。

「どうせみんな同じ内容だから、私が宣告する。カルペル伯爵以下13名に、全員斬首刑を宣告する」

さらに彼は、イシースには特別に重い罪があると告げます。

「プレデリック公爵代理・イシース公女。斬首刑を言い渡す。君の首は反逆者を代表して、1ヶ月間首都の入口に晒されるだろう」

斬首が確定し、悲鳴をあげる罪人たち。

しかしイシースだけは表情一つ動かさず、静かに判決を受け入れました。

ひよこ
他の人たちが発狂したり絶叫したりする中、イシースだけが冷静だね。
白うさ
自分の運命を受け入れてるのかな。

イシースは最後に、ある質問をする

イシースのすぐ傍に来て、歴史ある公爵家が残念なことだ…と呟くアース。するとその時、彼女は俯いたまま聞きました。

「…皇族の能力というのは、本当にあるのですか?」

その質問に、肯定の返事をするアース。

イシースは今までローハンの話を疑っていましたが、この時ようやく『皇族の能力』が本当にあるのだと信じます。そして同時に、ローハンはなぜ私に事実を明かしたんだろう?と考えますが・・・

その時、アースは観客席を見ながら言いました。

「裏切り者があなたを見送りに来ているな。どれほどあなたを恐れ、密告までしたのか。本当に信頼のない人生を送ったものだ」

そう指摘されて、イシースも観客席へと顔を向けます。

するとそこには、不安そうな顔でイシースを見つめるオスカーがいました。

ただしその姿は、アースの言うような密告者の顔ではありません。ひたすら姉を心配する、弟の顔でした。

オスカーへの想い

イシースは最後に、オスカーはどうなるのですか?と質問します。するとアースは淡々と答えました。

「爵位を奪われたのだから平民として生きるだろう。遠くに送って、指定した領土の外には出られないようにする」

それを聞いたイシースは、あの子にお似合いの人生ね…と皮肉を言います。しかし心の中では、別の事を思っていました。

(オスカーはただ、私を止めたかったのだろう)

そして再びオスカーに視線を移して思います。

(勘違いしないで、オスカー。私はあなたの代わりに生きてこうなったのではない。だから余計な罪悪感は全て消しなさい)

最後の瞬間

罪人たちが次々に処刑され、ザシュッ!という音が響き続ける中。

ついに最後の罪人、イシースが処刑される順番になりました。

しかし彼女は騒ぎもせず、ただ静かに佇んでいます。そして処刑台に首を置きながら思いました。

(なぜかしら…不思議なほど心が穏やかね。まるで重い荷物をやっと降ろしたように…)

それが彼女の最後でした。

結局のところイシースに皇族の能力は発現せず、その短い命を終えたのです。

白うさ
悪役だけど、イシースにはお疲れ様って言いたい。
ひよこ
大変な人生だったよね。よく1人で頑張ったよ。

アリア視点

イシースの処刑が終わった後、アリアは皇族の能力について考えます。

それは恐らく、死の危機に瀕した時に発現するものなのでしょう。しかしそれでも、能力者は非常に珍しいそう。

そのためアリアは、能力の発現には別の条件が必要なのでは…と考えました。

アリアは子供の頃、〇〇〇と出会っていた

子供のころの話

アリアがまだ幼く、貧しい暮らしをしていた時のこと。近所の子供にいじめられて困っていると、黒髪の少年が現れてアリアを助けてくれました。

しかしその少年は頭から血を流していて、その場で気絶してしまいます。慌てたアリアは男の子の足を持ち、ズルズルと引きずりながら叫びました。

「どうしよう!死なないで!王子様!!!」

―シーズン2完結――

⇒『悪女は砂時計をひっくり返す』88話のネタバレはこちら

『悪女は砂時計をひっくり返す』87話のネタバレと感想

87話の感想①イシースお疲れ様!

ネタバレ感想

というワケで今回、イシースが退場しましたね。彼女は潔く、ただ静かに人生に幕を下ろしました。

イシースは公爵家に生まれて貴族派の先頭に立ち、結果的にはクーデターを犯した悪人です。残酷だし善人とは言えません。

けれど、悪いだけの人では無いのでしょう。

彼女は自分の運命を嘆いたり責任転嫁したりせず、密告したオスカーのことも恨んでいません。それどころか「罪悪感なんて持つな」とすら言っていましたから。

同じ悪役でも、ミエールや他の反逆者たちとはワケが違います。

また斬首を言い渡された時も、他の反逆者たちが取り乱す中でイシースだけは冷静でした。潔い人なのでしょうね。状況が状況なので、どうしようもないと諦めていただけかもしれませんが・・・

管理人の語彙力が足りないため上手く説明できませんが、”悪役”と一言で終わらせるのがもったいないキャラクターです。

87話の感想②アリアとアースは幼少期に出会っていた

お察しの通り、87話のラストに出てきた男の子はアースです。

つまりアリアは幼少期、すでにアースと出会っていたのです。

理由はわかりませんが2人は互いのことを忘れていて、道具屋であった時に初対面だと思っていたのでしょう。

本編中、アリアは何度か「アースの姿に既視感を感じる」的なセリフを言っていましたが、その伏線が回収されましたね。

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8件のコメント

翻訳ありがとうございました。
イシースの見事な最期、管理人さんの文章でよく伝わりました。
高位貴族らしい気高い女性でしたが、プライドの高さが謀反を起こす要因になってしまったのなら残念です。
反逆罪は大罪なのでこの最期は免れないものですが、ロースチェント家の醜さとの対比で潔い死に見えてしまいますね。

>匿名さん
コメントありがとうございます!
管理人の拙い文章で伝わるか不安だったのですが、そう言っていただけて嬉しいです。

我が国の大きな分岐点となった関ヶ原の戦いは、東軍の徳川家康、西軍の石田三成、どちらが善でどちらが悪とも言えません。
ただ、徳川が勝ったので、三成は悪、反逆者、罪人として処刑されました。
処刑の際、三成は「負けることは決して恥ではない」と述べたそうです。
あくまでも私見ですが、イシースの最期に三成の最期と重なるものを感じます。

>てらさん
コメントありがとうございます。
三成さん、そんな格好いい言葉残してたんですね!

管理人さんいつもありがとうございます。
ミエールは自分たちだけ助かって空気読まず罪人の前で大喜びするし、逆ギレするしでヒドイですね…。
その点イシースはすべてを受け入れ、気高く処刑されたのでかっこよかったです。
オスカーは可哀想なので幸せになってほしいです。

>匿名さん
コメントありがとうございます!
今回のミエール、本当に酷いですよね。他者への配慮が無さすぎて・・・あれは怒鳴られても仕方がない。

イシースは気が付いたらもはや引き返せないところにいたのでしょうね。自分が公爵家の長男ならまだしも、家を継げない長女。まして、家督を担う弟があれでは、彼女は家を守るためにも『男』にならざるを得なかった。
彼女の死に様はフランス革命の王族や貴族の散り際に似ています。取り乱さず、神に祈りを捧げ、首を差し出すだけ。庶民に自分が自分を失う姿、涙を見せることを許さないその高潔さはまさに大貴族のそれであり、イシースの気高さだとおもいます。

>エリザベッタさんへ
コメントありがとうございます。
管理人も本編を読みながら、イシースは引き返せなくなったんだろうな…とつくづく思いました。大変な立場ですよね。

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