【浦島太郎の考察】なぜ結末で鶴になる?意味がわからない点を解説


『浦島太郎』の結末を読んで、意味がわからないと思ったことはありませんか?

動物を助けたのに老人にされてしまい、教訓譚にしてはどこか理不尽なイメージを受けますよね。

室町時代の原作では「最後は鶴になる」という結末が描かれているものの、現代人にとっては意味不明。

何を意味しているのか、イマイチわかりにくいはずです。

そこで今回は『浦島太郎』の原作と現代版を比較して、結末の意味についてまとめました。

『浦島太郎』については諸説ありますが、この記事では管理人が考察した内容を紹介します。

小学生でもわかるように、できるだけ簡単に説明しています。研究者や文学部の方から見ると「説明が雑すぎる!」と思うかもしれませんが、温かい目で見てやってください。

『浦島太郎』のストーリーと意味

浦島太郎のストーリー

かの有名な『浦島太郎』。

亀を助けた青年が「竜宮城」に招待されるという昔話で、一般的には下記のストーリーで知られています。

浦島太郎のストーリー
昔々、浦島太郎という青年がいた。ある日いじめられている亀を助けたところ、お礼に竜宮城へと招待される。竜宮城には美しい乙姫がいて浦島太郎は宴会三昧の日々を過ごすが、ふと地上に残してきた両親が心配になり竜宮城を去る。地上へ帰ると数百年の時間が流れていて、両親も亡くなっていた。さらにお土産の玉手箱を開けると、おじいさんに変身してしまう。

読めば読むほど理不尽なストーリーですね(笑)

玉手箱とかいう意味のわからない土産を渡され、なぜかお爺さんにされています。

白うさ
乙姫、悪質すぎん?
ひよこ
違うんだよ。実を言うと、乙姫の行動にはちゃんと意味があるんだ。

 

一般的な意味と解釈

乙姫が渡した玉手箱。

とんでもない化学兵器に見えますが、実は重要なアイテムなんです。

実は、玉手箱の中には浦島太郎の「時間」が入っていました。

浦島太郎が竜宮城で過ごしている間、地上では数百年という長い時間が流れていたのです。

しかし時間を消すことはできないため、玉手箱にどんどん蓄積されていきました。

結果、玉手箱を開けたことで閉じ込められていた時間が浦島太郎の体に戻ってしまったのです。

だから老人に変化してしまいました。

白うさ
じゃあ、玉手箱を渡さなければ良かったのでは?

 

玉手箱に入っていた「時間」は浦島太郎のもの。つまり、本来の持ち主は浦島太郎です。

だから乙姫は、玉手箱を彼に渡す必要がありました。

しかし、乙姫は玉手箱の中身を知っています。だから「絶対に開けないで」と念押し、土産と称して渡したワケですよ。

白うさ
なるほど!乙姫は悪女じゃないんだね!
ひよこ
うん。それどころか、浦島太郎を大切に思っていたんだよ。

 

『浦島太郎』の一般的な意味については、上記で問題ないでしょう。

ほとんどの人は、この解釈をしているはずですが…

でも、やっぱり変なストーリーですよね?

浦島太郎は亀を助けるような優しい青年なのに、最期は老人になり家族も失います。

何の罰ゲームだこれは。

善行をしたからハッピーエンド…と見せかけて、最期はバッドエンド。

昔話の教訓としては、どこか妙ですよね。

関連:『浦島太郎』の教訓とは?作者が伝えたいこと

意味がわからないのは、アレンジしすぎたのが原因

学校と本

『浦島太郎』のストーリーは理不尽というか、もはや何を伝えたいのかわからない印象ですが…

この話、意味がわからなくて当然なんです。

というのも、元々のストーリーを改変しすぎて「原作どこいった?」な状態になっているから。

時代が流れるにつれて

  • 本来はなかった要素がプラスされる
  • 大事な部分がカットされる

というストーリー改造が行われました。

その結果、意味がわからない結末になったワケですね。

白うさ
じゃあ、原作ってどんな話だったの?
ひよこ
次章で説明するから、一緒に読んでみようか。

そもそも原作はどんな話だったのか?

浦島太郎には色々なパターンがある

本

『浦島太郎』の歴史って、実はものすごーく長いです。

浦島太郎のモデルになったと言われるのが『海幸彦』ですが、『海幸彦』の神話が掲載されているのは古事記。

古事記が編纂されたのは712年なので、少なくとも平安時代には『浦島太郎』の元ネタが存在したという事になります。

もしかすると、さらに前から元ネタが存在していた可能性もあります(恐らく、中国の説話・神仙思想なども取り入れているはず)

 

そして時が立つにつれ、『海幸彦』によく似た物語がたくさん作られました。

有名なものだと『浦嶋子伝』などがあり、どれも私たちが知る『浦島太郎』によく似たストーリーです。

つまり、『浦島太郎』に似た物語がたくさん存在したワケですね。

そしてその中の1つが、現代版『浦島太郎』の原作になったと言われています

白うさ
つまり、派生形がめっちゃ多いんだね。
ひよこ
うん。結末もいろいろあって、古い作品ほどラブストーリー要素が強いよ。

 

現代版『浦島太郎』の原作ストーリー

現代版『浦島太郎』の原作だと言われるのが、室町時代に作成された『御伽草子』に収録された物語。

現代版とはストーリーが全然違います。

そのあらすじがこちら↓

御伽草子に掲載されたストーリー
昔、浦島という貧しい漁民がいた。浦島は亀を釣り上げるが、かわいそうだからと海へ帰してやる。
すると数日後、女性が現れて浦島を「竜宮城」へと連れて行く。
女性の正体は浦島が助けた亀であり、2人は結婚して楽しく過ごした。しかし3年経つと、浦島は両親が心配になって帰郷した。
故郷に戻ると700年の時間が経過しており、絶望した浦島はたまてばこを開けてしまう。
すると浦島は老人の姿へ。その後は鶴に変化して蓬莱山へと向かい、亀とともに夫婦の明神となる。

 

いかがでしょうか?

原作と現代版のストーリーを比較すると、違いが多いですよね。

原作は人間と亀のラブストーリーで、浦島太郎は「青年⇒老人⇒鶴の神」という順番で変身しています。

白うさ
原作はハッピーエンドなんだね!
ひよこ
そうなんだ。バッドエンドが一般的になったのは明治時代以降だよ。

結末で鶴になるのは、神に変化したという意味

はね

原作版の『浦島太郎』では、最期に鶴へと変身しています。

しかもこの鶴、ただの鶴ではありません。

鶴の神様です。

鶴になった後は、亀(乙姫)とともに夫婦の明神として祀られています。

白うさ
「鶴と亀」って、縁起物として有名だよね。

 

なぜ鶴なのかと疑問に思うかもしれませんが、大まかには中国の神仙思想などが理由でしょう。

ここは難しいので、今回はカットします。

というか中国の思想ついて考察してたら、この記事めちゃくちゃ長くなるのでカットせざるを得ない…!

現代版は、時代に合わせて変更された

一方、現代版では「亀≠乙姫」という設定に変更され、結末は「浦島はお爺さんになった」で終了していますよね。

鶴(神)になった部分がカットされています。

そのせいで、現代版は「年老いてバッドエンド」という解釈に変化してしまったのです。

『浦島太郎』の移り変わり
  1. 中国の説話などを読んだ知識人が、創作話をつくる
  2. 『海幸彦』などの物語が広がる
  3. ①や②を元ネタとして、いろいろな説話が書かれる
  4. 『浦島太郎』の派生形がめっちゃ増える
  5. 室町時代の『御伽草子』に、④のうちの一つが掲載される(←これが現代版ストーリーの原作)
  6. 時代の流れにあわせて、ストーリーが何度もアレンジされる
  7. アレンジの途中でいらない要素をぶち込み、さらに必要な部分をカットした
  8. 結果、意味不明なストーリーになった
ひよこ
研究者に怒られそうな説明だけど、大体こんな感じだよ。

 

私見ですが、アレンジされる過程で

「最近は〇〇なパターンが流行ってるから、ストーリーを少し変えちゃおう」とか「ラストが意味わからんから、ラストをわかりやすくしちゃえ」みたいな変更があったのかなと思います。

ひよこ
アレンジの結果、ラストが「なんじゃこりゃ」な展開になったんだね。

 

ちなみに、バッドエンドが広がったのは巌谷小波いわやさざなみ氏の作品がきっかけ。

彼は児童文学者なので、子供に教訓を教えるために鶴になった展開をカットしたそうです。

要は、子供向け作品にするためラブ要素をまるごと削ったワケですね。

お爺さんになって終了するパターンは前々からありましたが、バッドエンドが一般的になったのは巌谷小波いわやさざなみ氏の作品がきっかけでしょう。

なぜ浦島太郎は老人になったのか?

お爺さんになるのは悲劇じゃない

老人

『浦島太郎』の結末では、主人公がお爺さんの姿になってしまいます。

私たちからすれば「お爺さんになっちゃって可哀想」というイメージですが…

実はこれ、ただ年老いたワケじゃありません。

神様になるために必要な過程だったんです。

白うさ
どういうこと?意味がわからないよ!
ひよこ
大丈夫だよ。説明を聞けば理解できるからね。

 

3章で説明したとおり、原作の『浦島太郎』では最後に鶴(=神)へと変身しています。

つまり、老人になるのは神へと変化する前段階みたいなもの。

また、『浦島太郎』の派生形らしき説話(原作ができるより古い時代のもの)では、浦島太郎が老人姿の神に変身したという結末もあります。

なので、ただ年老いたワケではなく

  • 老人になり一度死ぬことで、神に生まれ変わった
  • 老人姿の神に変身した

のどちらかの意味で考察するのが妥当かも。

ひよこ
青年が年老いただけの悲しいストーリーじゃないいんだよ。
白うさ
確かに、絵本で見る神様ってお爺さんの姿をしてるよね。

 

考察|解釈違いがあった可能性

古い文献を調べたところ「浦島太郎がお爺さんになった」としか記載されていない説話もありました。

もしかすると、ここで誤解が生まれたのかもしれません。

青年がお爺さんになるという結末を見て「老人になった!可哀想!」と解釈違いした人がいたのかなと思います。

ちなみに文献を時代別に並べてみたところ、老人になるパターンが登場したのって後の方です。奈良時代あたりは、そもそも鶴にも老人にもならず「乙姫の魂が天へと昇り、二度と再会できなくなる」という結末でした。

補足|鶴と亀のはなし

鶴になった浦島太郎と、正体が亀の乙姫。

この組み合わせを見て、何か思い浮かびませんか?

そうです。

鶴と亀は縁起物で、めでたい動物の組み合わせです。

一説によると、この話が元で「鶴と亀は縁起物」という認識が広まったそうです。

『浦島太郎』の考察まとめ

海と砂浜

現代に伝わっている『浦島太郎』は、たくさんあるストーリーの中の一つです。

現代版は老人になってしまうという悲惨な結末ですが、原作は違います。

老人になった後、鶴になって乙姫と幸せに暮らすのです。

しかし。

物語というのは時代が流れるうちに変化するもの。

『浦島太郎』の場合は、それが特に顕著だったのでしょう。

解釈どころかストーリーも大幅にアレンジされ、その結果よくわからないストーリーが誕生したワケですね。

それでは、ここまで読んでくれてありがとうございました。

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