漫画『余命わずかの脇役令嬢』の24話~25話のネタバレと感想です。
前回はカリナとノクターンの関係が明らかになりましたが、相変わらず悲惨な話でしたね。しかしその後、話を盗み聞きしたミリアンが思いっきりカリナを甘やかします。
というワケで引き続き、2人のお出かけデートの様子を見てみましょう。
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24話|ブティックでの買い物中、ミリアンは驚きの行動に出る
続・ブティックでの買い物
服の採寸が終わると、カリナは疲れてグッタリします。ブティックに来たのは初めてではないけれど、今までこれほど細かく聞かれたことはなかったのです。
するとその時。
傍にいたミリアンが「大丈夫か?」とカリナのおでこに手を当てます。彼の手はヒンヤリとして気持ちいいので、カリナは目を閉じてその心地よさそうにしますがーー
すぐ我に返り、恥ずかしそうに謝罪しました。
「す、すみません!手が冷たくて気持ちよくて…」
どうやらカリナは熱があるようなので、ミリアンは屋敷に帰ろうかと提案します。しかしカリナは疲れただけだと言うので、2人は買い物を続けることにしました。
究極の大人買い
ブティックを出て街中を歩いている最中、カリナはふくれっ面をしていました。
というのもミリアンは、先ほどブティックで勧められた服をすべて購入したのです。
と言ってもカリナは本気で怒っているのではなく、頬を赤くしながら困り顔をしました。
「俺が大丈夫だと言っているのに、何でそんなふくれっ面をするんだ」
「そんなに大量にいりませんよ…全部買うだなんて、そんな言葉は初めて聞きました」
カリナは呆れるも、内心ではこれほど優しくされたことに喜びます。また同時に、この恩をどうやって返せばいいのだろう…とも思っていました。
画材屋での買い物
2人が次に向かったのは、街中にある大きな画材屋。
店の外まで絵の具の匂いが漂ってくるので、カリナは大喜びで店に入りますがーー
店主はカリナとミリアンを見て、明らかに不機嫌そうな顔をします。ここにはお嬢さんが気に入るような高級品はありませんよと、2人に店を出て行くよう言いました。
その失礼すぎる対応にミリアンが怒ったので、カリナは冷や汗をたらしながら彼をなだめます。
するとその時。
店主はカリナの手を見て、今までに相当な数の絵を描いてきた人だと気付きます。
そして気まずそうに目を逸らしながら、自身の非礼を詫びました。
「金持ちの娘が、道楽で買いに来たのかと思ってつい。画材なら何でも販売しておりますので、ごゆっくりご覧ください」
どうやら店主は、カリナのことを誤解していたようです。けれどその誤解が解けたので、カリナは顔を輝かせて店内を見て回りました。
店主の事情
カリナが画材を見ている間。ミリアンは店主の右腕がダランと垂れて動いていないことに気付きました
「…そなたも絵を描くのか?」
「ええ、まぁ…病で腕を失う前はですが」
店主によれば、彼も芸術病を患っているそう。そのせいである日から指先の感覚がなくなり、ついには腕が動かなくなったのです。
「左腕で描こうとしましたが、そちらもだんだん感覚が鈍くなって…でも北部に引っ越してきてからは、腕の痛みや熱もだいぶ良くなりました」
『痛みと熱』という言葉を聞いて、ミリアンは店主に何かを聞こうとしますがーーーそのときカリナが画材を抱えて戻ってきました。
本日2回目の大人買い
ニコニコと嬉しそうな表情のカリナ。しかし彼女は所持金が少ないので、抱えているのは数個のな画材のみ。
するとミリアンは、その画材も含めて『必要なもの』をすべて準備するよう店主に命令しました。
「アトリエを一つ作ろうと思うのだ。屋敷にはそなたが絵を描ける場所がないからな」
それを聞いたカリナは大慌てで、そこまでしてくれなくても大丈夫だと焦りますがーー次の瞬間「うっ…」と苦しげな声をあげました。
25話|カリナは恩返しをするため、再び奇跡をおこす
カリナは高熱に苦しむ
カリナは呼吸が上手くできず、心臓が燃え上がるような苦しさを感じて気絶します。
そして目覚めた時にはベッド寝かされていて、目の前には心配そうなミリアンがいました。カリナは心配をかけないよう、夜に眠れなくて疲れていたと嘘をつきますがーー
ミリアンはその嘘を見抜き「本当にそうなのか?」と質問するので、カリナは困ったように微笑みながら言いました。
「…ミリアン、私に優しくするなら少しだけにしてください。あまりに優しくされたら、別れるとき大変でしょう」
ミリアンへの恩返し
カリナはその後、3日間もベッドから出られませんでした。体調は回復したものの、ミリアンが絶対安静だと言ってカリナをベッドから出さなかったのです。
ベッドから出たカリナは早速キャンバスを用意し、描き途中だった魔物・ヘルタの絵(23話参照)に色を塗ります。
(心配してくれるのは本当にありがたいけど、やっぱり私はミリアンの役に立ちたい!)
そして絵を完成させると、能力を使ってヘルタを具現化させますがーーー
ヘルタが絵から出てきた瞬間、屋敷全体が揺れました。というのもヘルタは大きすぎたのです。
ヘルタの召喚
屋敷が大きく揺れたので、ミリアンは心配してカリナの様子を見に行きます。
しかしカリナの自室に入ると、目の前には彼女だけでなく魔物までいるではありませんか。
そのためミリアンはすぐに剣で切りかかろうとしますがーーー
「待ってください!この子は無害なんです!」
カリナが必死で止めるので攻撃を止めます。しかもカリナの瞳を見ると、青かったそれが金色へと変化しています。
そしてミリアンはようやく状況を把握しました。
「カリナ、もしかして『奇跡』を使ったのか?芸術病は奇跡を起すたびに悪化すると思っていたが…私の勘違いだったか?」
ミリアンは顔に青筋を浮かべて質問します。彼は明らかに怒っているので、カリナはまずいと思ったのか冷や汗をダラダラと流しました。
ヘルタの処遇
ヘルタはとても大人しく、カリナの言うことを素直に聞きます。
しかし部屋の中に置いておくワケにもいかないので、ひとまずヘルタを外に連れて行きますがーーーヘルタは大きすぎるが故に、移動中もいろいろな物を壊してしまうのでした。
『余命わずかの脇役令嬢』のネタバレと感想
ネタバレ感想①大人買いってレベルじゃない
カリナの境遇を知ったミリアンは、ここぞとばかりに彼女を甘やかします。
彼女が喜びそうな店に連れて行き、さらに気に入ったものを全て買い与えるという甘やかしっぷり。もう大人買いなんてレベルじゃありません。
フェステリオ公爵家の財力を垣間見たシーンでした。
ネタバレ感想②『恩返し』が仇になるか?
ミリアンにこれほど優しくされたので、カリナは彼に恩返しがしたいと考えます。そのため奇跡の力を使って、魔物・ヘルタを召喚しました。
なぜヘルタを召喚したのかというと、恐らく視察先でミリアンが苦戦していたからでしょう。
ちょうどヘルタ戦のとき、ヘルタは新種の魔物だから弱点が見つかっていないという説明が本編中にありました。
つまり簡単に言うと、ヘルタを召喚したので弱点の研究に使ってね!という事でしょう。
でもこんな事をしても、多分ミリアンは喜ばないのかなと思います。
カリナは自分の命を削って奇跡を起こしているので、それを知りながら喜べるワケがありません。彼は善人なので、病人の少女に命を削ってまで恩返ししてくれなんて言わないでしょう。
恐らくカリナの意図を知ったら、ミリアンは悲しみそうです。