小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝32 二分する(5)』の概要をまとめています。
エルギ公爵たちは船旅中、クロ―ディア大公の罠によって沈没事故に遭いました。その結果3人は海に落下しましたが、無事に助かるのでしょうか?
管理人の感想を添えつつ、ストーリーを簡単に紹介します。
目次
ダルタ視点|エベリーを助けるために取った行動
ダルタも同じ船に乗っていた
目の前の状況に、ダルタはただ驚きました。エベリーを罠から救うため同じ船に乗ったものの、浸水するわエベリーが海に落ちるわで全てが荒唐無稽だったのです。
その最中、ぼうっとするダルタに船員が「早く救助船に乗って!」と大声で叫ぶものの、彼女はそちらに行きません。ナイフを取り出して柱に縛られていたロープを切ると、ロープで自分の腰とデッキの欄干を繋ぎます。
そしてエベリーを助けるため、ロープを伝って下へと降り始めました。
「私が助けてあげる」
エベリーは探し続けた妹で、離れ離れにならなければ手元で育てていたはずの存在。だから彼女は、怖いのを我慢して救助に向かったのです。
エベリーを救助する
目覚めたエベリーがもがきながら泳いでいると、そこにダルタが現れます。
ダルタが「早く捕まって!」と叫ぶので手を伸ばすと、彼女はエベリーを引き寄せてそのまま背負い、ロープを握りしめて少しずつ上に登りました。
服が濡れているためエベリーは随分な重さでしたが、ダルタは文句を言わずにロープを登って行きます。そして途中まで登ると、先ほどの船員がロープを引っ張ってくれたのでスルスルと上に上がれました。
一方でエベリーは、ダルタの肩に頭をうずめて「なぜ私を助けてくれるの?」と複雑な気持ちに襲われます。けれど憎むべき人なのに妙に安心するので、ダルタにペタッとくっつきました。
クロウ視点|エルギ公爵と大公妃の救助
全裸事件パート2
「あそこに裸の男がいます!」
「変態!」
「変態ではありません! 服がないだけです!」
エベリーの救助中、船のデッキでは騒ぎ(主犯クロウ)が起こっていました。クロウもまたロープを使い、エルギ公爵と大公妃を救出していたのです。
ダルタ視点|エベリーを無事に救助するが…
救助後
海に落ちた3人が甲板に到着すると、先ほどの船員がエベリーを救助します。そして2番目に現れた船員がダルタを引き上げますが…
その時、ダルタの腰を縛っていたロープがずり落ちます。
さらにこの時、誰かが船員を後ろからぐいっと押したので、船員とダルタは海に落下しました。
すぐにどぶんと音がして、エベリーは目を丸くします。船員を落としたのは、エベリーを引き上げた船員でした。
「頭がおかしいの?」
エベリーが鋭い声で叫ぶと、狂った船員は悪態をつきながら「大公妃じゃないのか?くそっ、なんで同じ服を!」と呟きます。
エベリーは大公妃と同じような黒マントを羽織っていたため、勘違いして助けたようです。
彼女は慌てて手すりまで這って行き海を見下ろすも、浮いているのは船員だけ。ダルタは服すら見当たりません。
その事実に、悲鳴をあげるエベリー。
すると突然、明るい光が見えて大きな白い船が近付いてきます。それは超国籍騎士団の船で、そこには微妙な笑みを浮かべたエンジェルが立っていました。
沈没事故のその後
エンジェルが来た理由
超国籍騎士団は救助も任務なので、エンジェルは仕方なく乗客を全員救助します。
そして救助を終えて陸地に行く途中、暴れていたエベリーが急いで駆け寄ってきて、かすれた声で「海で溺れたまま救助されていない人がいます!」と言いますが…
ダルタが消えて不機嫌になったエンジェルは、専門家が捜索しても見つからなかったとキッパリ返答をします。
するとエベリーはとぼとぼとエルギ公爵の方に向かって歩いて行きました。
その頃のダルタ
超国籍騎士団がダルタを発見できなかったのは理由があります。というのもその頃、ダルタは別の島に到着していたのです。
目覚めたダルタが周囲を見回すと、そこは白い砂浜が広がる島。そして周りにはーーー
裸の人たちが大勢いました。
ダルタはうわああ!と悲鳴をあげて後ずさります。
全裸の人たちは、ハインリの命令によりダルタを助けに来た鳥一族です。リーダー格の男は前に出ると、優雅に微笑んでそのことを説明しました。
「怖がらないで、ダルタさん。私たちは怪しい者ではありません」
危険ではないのです。変態のように見えるだけで。
事件から数日後
数日後。ダルタは服を運んでハインリの部下たちに着せてから大帝国に向かいます。
そして一方、エルギ公爵たちは別の船に乗って再び港を出ます。2回目の船旅は平和で、一行は無事に目的地に到着できました。
エンジェル視点|事故を徹底的に調査する
調査結果
エンジェルはブルーボヘアンに残って、自分の計画と船に穴を開けた犯人を徹底的に調査します。その結果、以下のことがわかりました。
- 犯人はクローディア大公で、妻だけを救うよう命令した
- アレイシアはエルギ公爵だけ救えと指示した
- その結果、かえって全員が危険にさらされた
- ここにダルタが挟まれて行方不明になった
エンジェルは平静を装っていますが、内心ではダルタが行方不明になったことに激怒していたため、冷ややかに笑って部下に指示します。
娘が自決した後、ずっと悲しんでいるクロム公国の夫婦を連れて来てください。それから大公妃の本当の親戚も。そしてブルーボヘアンの王に伝えて。 エルギ公爵を助けたのだから、恩返しに盛大なパーティーでも開いてほしい…と。
『再婚承認を要求します』外伝32のネタバレ感想
感想①ダルタかっこいいよ!
感想:ダルタかっこいい。
外伝32の感想はこの一言に尽きますね。エベリーを救助するシーンが、はちゃめちゃに格好良かったです。
妹を助けるため船に乗り込んで、真っ暗な夜の海にロープ1本だけで救助しに行くって相当な勇気がいりますよ。実際にダルタは、このシーンで涙を浮かべていましたから。
ちなみに補足すると、服を着たまま溺れた人を救助するのは非常に大変です。水着と違って、服が水を吸ってのすごく重くなるので。着衣水泳をやるとわかりますが、体力をかなり消耗します。
にも関わらず、ダルタはエベリー(しかもマント着用)を背負ってロープをよじ登っているんですよ。おまけに手の平から血が滲んでも、弱音を1つも吐きませんでした。
めちゃくちゃ良い子…!
感想②外伝32の名言
今回もクロウが活躍してくれましたね。
エルギ公爵はカラスを見てすぐに鳥一族だと気づいたので、片手でクロウが投げた救助用ロープを持ち、もう片方の手で母親を抱き寄せたため無事に救助されました。
マスタスの時といい、クロウは本当に有能。非常事態に強い男です。ただし今回も全裸事件が発生したため、周囲の人には誤解されましたが…
ちなみに管理人は、彼の「変態ではありません!服がないだけです!」というセリフで爆笑しました。うん、そうだよね。服が無いのは仕方がないね。
補足|鳥一族の男性について
ダルタを助けてくれた、鳥一族のリーダー格の男性。彼は丁寧な口調ですが、少しズレた性格のようです。
なお彼が「急いで来たから服が無い」と言ってしまったがために、ダルタは彼らのことを、急いでいると服を脱ぐ人だと勘違いしています。
鳥一族の皆さん、ものすごく誤解されてますね…!
管理人さま、こんにちは!
ダルタさんとエベリー色々ありましたが
姉妹として、心をかよわせ幸せになってくれると信じてます。
そして、私のヒーロー!クロウ、今度は全裸でロープ… だけど変態ではない。服がないだけ!
必死で救助にのぞむクロウ… なのに変態扱い( ;∀;)
ところで、ダルタを助けた鳥一族の中に、クロウは含まれますか?
砂浜で、全員人型である必要があったのかしら?
ハインリ陛下の名前まで出してしまって、ダルタさんに服を用意させちゃうなんて?よいの?
鳥一族が緊急事態に人型になる場合服を準備できない事が、多用されすぎて
単なるネタ扱いになるのは残念だな~
>ふわっとさんへ
コメントありがとうございます。クロウ私も大好きですよ。いい男ですよね。
なおダルタを助けた鳥一族の中に、クロウはいませんでした。
リーダー格の男性については、そもそも全裸が悪いという認識がないようです。
なのでダルタとの会話中に「(裸がダメなら)ダルタさんの服を貸してください」というヤベエ台詞を言ってました笑
エベリーもダルタもエルギもお母様も無事で安心しました。
クロウはカラスなんですよね。賢くていつも活躍していて最近勢いがあるキャラですね。
鳥一族は本当に優秀だと思います。
ネタ扱いされがちでそれは私も少し残念ですが、そもそも鳥一族のトップのハインリが、ナビエ様からとっても愛されながらもたまに間抜けだの性格悪いだの思われ放題のネタ扱いキャラだし…。
兄の取り巻きのジュメンシアから、優秀すぎて兄を脅かす存在として嫌われる賢い子で、美しすぎてハインリを見て気絶する人が出たくらいのキャラなんだったよな…と少し残念には思っていました。
漫画では描写が無いけれど、ハインリは魔法使いなので、魔法のポケットにいつも荷物や宝石を入れて持ち歩いているから服も当然持ち歩いてるんでしょうけど、一族は魔法使いじゃないんですもんね。
ナビエ様がハインリに相談し、ハインリがちゃんと後続の支援部隊を送っていたんだなと考えると、描写はないけれども2人がちゃんと報連相して信頼しあっているのかなと想像できてそれはとても嬉しいです。
前の相手とはそれが無かったですから。
波乱はありますが、今後の更新を楽しみにしております。
>匿名さんへ
コメントありがとうございます。ハインリを含めて、鳥一族は確かにネタ扱いされるシーンが多いですよね。その点については勿体ない気もします。
けど鳥一族のおかげでシリアスとギャグの絶妙なバランスが保たれているので、結果オーライなのかな…という感じです。