小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は「外伝20 ふたりは(6)」の概要をまとめています。
紆余曲折ありましたが、ダルタは無事にナビエの元で勉強できることになりました。ただし監視付きですが。
今後はどうなるのかでしょうか?続きを見てみましょう。
目次
ダルタ視点|引き続き孤児院を探す
皇居図書館での情報収集
宮廷生活4日目。
ダルタは「皇居図書館なら他国の孤児院の情報を入手できる」という話を聞いて、ただちに足を運びます。
しかし、いざ調べてみれば”デ”のつく孤児院は数え切れないほど多く、目ぼしい収穫はなし。ダルタはブレスレットの模様を見つめて悩みますが…
その瞬間、”ある可能性”に気づいてイスから飛び上がります。
というのもブレスレットの模様は、以前ちらっと見た”有名な貴族の家門”にそっくりだったのです。
ナビエ視点|ダルタの出自探しに協力する
監視役・クロウの報告
「暇さえあれば本を探している?」
監視役であるクロウの報告によれば、ダルタはいろいろな本棚を移動して何かを探しているそう。
正体不明の留学生がそのような行動をすれば、怪しく思うのも無理はありません。そのためナビエは、疑問に思いますが…
その答えは、意外な人物が教えてくれました。
というのもエベリーとの食事中、彼女が「妹を探しているそうですよ」とダルタの目的と生い立ちを教えてくれたのです。
さらに話を聞けば、現在はブレスレットの模様を頼りに調査しているとのこと。
話を聞いたナビエは、ようやく合点がいきます。そして同時に、ダルタ本人が犯罪者なのではなく育ての親が犯罪者か逃亡奴隷なのかもしれない…と考えました。
ダルタに直接事情を聴くことに
結局ナビエは、ダルタを執務室に呼び出して直接話を聞きます。
しかし彼女は、ナビエが話しかけるだけで硬直して「最善を尽くします!頑張ります!」と必死に叫ぶ始末。だからナビエは言いました。
「私の腹心になる必要はないから、学んだことをあなたの人生のために使いなさい。その人生に、私を裏切る計画さえなければいい」
その言葉に驚くダルタ。一方でナビエは、そんなに奇妙なことを言っただろうか…と不思議に思っていました。
・・・
ダルタの探しものを手伝うため、ナビエはブレスレットの模様を見せて欲しいと言います。もちろんエベリーから情報を聞いたとは明かさずに。
ナビエは西大帝国と東大帝国の家紋をほとんど覚えているので、大体の区別はできますが…残念ながらブレスレットに刻まれた模様は、ナビエが知らないものでした。つまり、2国の有名貴族や没落貴族の家門ではありません。
その事実を告げると、がっかりするダルタ。
けれどナビエは、東大帝国にいたとき一度だけこの模様を見たことがあります。
つまり東大帝国をVIP(貴賓)として訪れた人の中に、ダルタの探す家門があるかもしれないのです。
ダルタとエベリーの会話
エベリーの励まし
「じゃあ、お姉さんは貴族かもしれないね」
エベリーの言葉にダルタは困りました。というのも裕福な貴族の両親が現れれば、義母を傷つけるようで嫌だったのです。
それに東大帝国を訪れた貴族はたくさんいるので、探すのは困難です。もし見つけたとしても、情報の閲覧許可が下りないでしょう。
するとエベリーは、ダルタの手を握って励まします。
「諦めないで。情報を閲覧できる人と親しくなればいいの。それに、すでに親しい人がいるかもしれないし…」と。
ナビエ視点|”恋の妙薬”を何に使うのか?
ナビエが”恋の妙薬”を欲した理由
ナビエは『恋の妙薬』のことで悩んでいたため、夕食中ハインリに心配されました。嘘をついて誤魔化すものの、彼は騙されてくれません。
(ハインリは 鋭いわね。なのに、なぜ私の作ったパイは当てられないのかしら)
そう思いながらもナビエは、深刻な悩みでは無いと伝えました。
ナビエはただ、ハインリが”渇望するような目”をする理由が知りたいのです。妙薬を欲したのも、それが原因でした。
もしかすると、自分の愛情はハインリが望むほど熱くないのかもしれない。そう考えた結果、ナビエは「妙薬を飲めば、自身の愛に情熱が足りないかどうかわかるかも」と思ったのです。
そして一方、ハインリはなおもナビエを心配し続けます。些細なことでも相談してほしいと、彼は心を砕きますが…
ナビエが遠回しに寝室へと誘えば、彼はすぐに口角を上げました。
”恋の妙薬”を使用する
自分の寝室で、ナビエは緊張しながら”恋の妙薬”をスプーン一杯分だけ飲みます。今の時点では効果は感じられず、心臓が脈打つこともありません。
カフメン大公は「目が合うと効果が現れる」と言っていたので、彼女は深呼吸をして隣の夫婦寝室のドアを開けました。
・・・
夫婦寝室のベッドに、バスローブ姿で座るハインリ。ナビエは彼が顔を上げる前に、目をつぶるよう指示します。
そして彼の前に歩み寄ると、ハインリはゆっくりと目を見開きました。
補足|カフメン大公が過保護な件
カフメンの名誉のために補足しますが、彼はナビエに”恋の妙薬”を渡すのを渋ったようです。決してホイホイ渡したワケではありません。
そのシーン自体は描写されていませんが、ナビエの独白で「大公はしばらく考えてから妙薬を勧めた」とあったので、彼もいろいろと悩んだのでしょう。
またカフメンは、妙薬だけでなく解毒剤を3本用意してくれました。
なお妙薬を1本まるごと飲もうとするナビエに対し、ティースプーンで少量だけ飲むよう警告しています。
これは副作用を警戒したがゆえの配慮ですね。解毒剤を3本も渡すあたり、ナビエを心配しているのが伝わります。
まあ彼視点だと、自分がエライ目に合った薬をナビエに飲ませるのは気が引けるのでしょう。
『再婚承認を要求します』外伝20のネタバレ感想
感想①外伝20における名ゼリフ
『再婚承認を要求します外伝20』では、ダルタとナビエが会話をするシーンがありましたよね。
その時にナビエが言っていた「あなたの人生に私を裏切る計画さえなければいい」というセリフが、ものすごく印象に残りました。残ったというかツボでした。
ちなみに以下のシーンです。
「私の腹心になる必要はないから、学んだことをあなたの人生のために使いなさい。その人生に、私を裏切る計画さえなければいい」
引用元:『再婚承認を要求します』外伝20より
このセリフがすごく好き。ナビエの懐の深さとか、離婚経験者ゆえの重みとかが如実に表現されていると思うんですよ。
なにせダルタも「!」と驚いていましたから。
ただし、このセリフを言ったナビエ本人は無自覚です。ダルタの反応を見たあとも「何か妙な事を言ったかしら…?」くらいにしか思っていません。
こんなにカッコイイ台詞を言いながら、本人は無自覚という話でした。意外と天然ですよね。でもそこがいい。
感想②料理当て事件の結末
前回の『再婚承認を要求します 外伝19』にて勃発した料理当てクイズ。あの事件は、結局どうなったのか謎のままでしたが…
今回の『外伝20』で、ハインリがクイズに失敗したことが判明しました。彼は随分と悩みましたが、ナビエの作ったパイを当てられなかったようです。
確率が6分の1だから、これはもう仕方がない。意外とわからないものですよ。
感想③例のシーンについて
ハインリは、夕食中にナビエが悩んでいるのを察して心配していました。些細なことでも話して欲しいと、心から彼女を案じていました。彼のセリフの1つ1つから気遣いが伺えます。
ただ、ナビエから夜のお誘いをもらった途端に笑顔になりましたけどね(笑
個人的に、今回はこのシーンが一番笑えました。さっきまでの心配はどこに行った?
いつもありがとうございます。
妙薬は自分で使う用だったとは。
というかパイ当て失敗してたんですね。
でもハインリがたくさん自分を愛してくれるのは心配しないで
自分もこんなにもハインリを愛しているのにそれが伝わってないのでは?情熱が足りてないと思われてるのでは?と考えて、妙薬を使ってもっとハインリと情熱的に愛し合おうと考えるのって
どちらかというと常に相手のことを考えるハインリ的思考ですよね。
結婚して相思相愛になって、夫婦として一緒に過ごすうちにナビエ様もハインリに似てきたのかなと思います。
原作挿絵がハインリの瞳のドアップでしたが、ハインリの瞳が宝石の様で本当に美しかったです。
この瞳に見つめられたら、妙薬なんて無くても本当に愛に溺れてしまいそうでした。
でも話を分けているから、この後の展開は描かれることはないで次回は事後まで飛んでしまうのでしょうか。
外伝が始まった頃には、なぜ今更カフメンと孤島に飛ばされる必要性があるのか?
以前カフメンはワザとクリスタを呼びだしておいてからハインリに妙薬を飲ませるという行為を行ったことからまた何か恋愛面でトラブルが起きるのではないか?と危惧しておりましたが
誤解しているローラを除けばナビエ様は全くカフメンは恋愛対象として眼中に無く、ハインリのことだけを考えているようですね。
他に沢山伏線がありすぎるので、この2人だけは波風立たずいちゃいちゃして子育てしている幸せ夫婦で落ち着いていて欲しいです。