漫画『結婚商売』の107話(外伝12)のネタバレ感想です。
マルソーは素性がバレて屋敷を追い出されます。しかしその後、彼の住処にカトリーヌがやって来ました。彼女は今もなおマルソーを好いているからです。
そして今回2人は互いの気持ちを打ち明けますが、マルソーは伯爵家に戻れるのでしょうか?
マルソーは結局、愛するカトリーヌを拒めなかった
なぜ伯爵家を去ったの?
カトリーヌの体は冷え切っていたため、マルソーは慌てて彼女を部屋の中に入れます。
すると彼女は、マルソーがなぜ伯爵家を去ったのか理由を聞きたいとせがみます。しかも彼から直接理由を聞くため、叔母たちに何も聞かずにここまで来たそうです。
するとマルソーは声を荒げて、自分はそんな価値のある人間ではないと言います。しかしカトリーヌが一途に「あなたは私の愛する夫です」と説得するので、彼は何も言い返せなくなるのでした。
カトリーヌの罪悪感とは?彼女も過去を悔いていた
マルソーは正体を打ち明ける
その後マルソーは、カトリーヌに自分の素性を明かします。そして全てを打ち明けた後、ボロボロと大粒の涙を流しますがーーーそれでもカトリーヌは彼を抱き締めて、家に帰りましょうと説得し続けます。
さらに彼女はこのとき、泣きながら自分の秘密――マルソーとの結婚に打算があったこと――を明かしました。
カトリーヌの秘密
彼女はマルソーと結婚するにあたり『望まぬ結婚商売をせずに済む』という打算がありました。
彼が自分に惚れていると知りながら、その純粋な真心を利用しようとした。そのずる賢さを恥じていたのです。
そして互いの本心を打ち明けた2人は、共に泣きながら夜を過ごします。そして朝になり目覚めると、一緒に屋敷に戻ろうと約束してキスをするのでした。
結婚商売107話のネタバレ感想|雨降って地固まる
107話のストーリー解説
本編を読んだ人はご存じのとおり、この時代の若い女性は『結婚商売』のためにオッサンやろくでもない男と結婚させられることが頻繁にあります。
けれど彼女はマルソーのおかげで、それを免れました。自分に惚れている美少年が結婚相手として現れたのだから、彼女にとっては行幸だったでしょう。
だからこそマルソーが素性を隠していると気付きながらも、カトリーヌは見て見ぬふりをしました。彼女によれば『打算のためにマルソーの真心を利用した』との事。この事実は一生消えない罪悪感として彼女の胸に刻まれています。
とはいえ個人的には、こういう感情は普通だと思いますけどね。打算で結婚する人なんてそこら中にいますし。私だってオッサンと美少年なら後者を選びます。
けれどカトリーヌは後々、それを罪として受け止めた。マルソーが誠実だったからこそ、罪悪感が生まれたのかなと思います。
ネタバレ感想|狡くても良いじゃない!
マルソーは今まで、カトリーヌに純粋な愛情を注いできました。この世の何より尊んで、彼女のためなら何でもできる。それがマルソーという男で、その想いはもはや信仰に近い気すらします。
けれどカトリーヌは聖人じゃないし、貴族らしいズルい部分もあります。もちろん良い子ですが、人間だから汚い部分もあるのです。
そして彼女自身もそのズルさを自覚していて、マルソーと打算で結婚したことに罪悪感を持っています。
自分の過去を恥じているのは、マルソーだけでなく彼女も同じ。今回の話では、お互いにその想いを分かち合えた気がします。