『悪女が恋に落ちた時』のネタバレと感想です。88話のストーリーを紹介します。
ルペルシャは今日、ついにバヌス家の討伐に向かいます。しかし決戦に向おうとするその時、なぜかアリエルが訊ねて来ました。この重要な時にいったい何をしに来たのでしょうか?
目次
ついに決戦の日!しかし出発直前に、なぜかアリエルが現れる
急にアリエルが訪ねて来る

ついに訪れた決戦の日。ルペルシャたちは今日バヌス家を倒しに行きます。
しかしその前に、彼女には解決すべき問題がありました。というのも急にアリエルが訪ねて来たのです。


アリエルも今日が決戦の日だと知っているので、それでも会いに来たという事は大切な用事があるのでしょう。しかし彼女はオドオドして何も話そうとしないので、ルペルシャは早く要件を言うように促します。
するとアリエルは「ごめんなさい!ごめんなさい!」と慌てて謝罪しながら、銀色の小箱を差し出します。
その子箱の中には、神秘的な輝きを放つ青い宝石―――アリエルの実家に代々伝わる家宝が収まっていました。
「これは私、私の家に代々受け継がれてきた宝物なのですが、神秘的な力が込められているそうで…でも、ある能力を持つ人だけが使えるらしくて、実際に役に立つかどうかは私もよく…!」
引用元:悪女が恋に落ちた時88話 アリエルの台詞


なぜそんな大事なものを差し出すのか、ルペルシャは当然ながら質問します。するとアリエルは自らの胸の内を吐露しました。
アリエルの話|箱入り娘が現実を知るまで
アリエルは一人っ子で、屋敷の中で大切に育てられてきました。
彼女によれば、父親の許可なしでは外出も他人との会話もできない生活だったそう。しかし彼女自身はその状況を楽だと思っていました。なぜなら何の疑問も責任感も感じずに済むからです。
周囲の人々はいつも優しく微笑み、それを毎日繰り返す。彼女にとっての現実はまさに演劇でした。
しかしある日、アリエルは新しい世界を目にします。内緒で読みはじめた童話の世界が、色とりどりに輝いていたのです。
そして童話を書いたルペルシャを探すため外に出てみると、彼女はいろいろな経験をするようになります。今になってようやく、演劇ではない現実を生きはじめたのです。
・・・
アリエルは自分の生い立ちについて話し終えると、目に涙を浮かべながらも笑ってルペルシャにお礼を言いました。私に現実教えてくださってありがとうございます…と。
そして彼女は「どうか無事に壊してきてください!」と激励すると、令嬢らしくおじぎをして退席するのでした。
アリエルから貰った宝石には、元素の精霊が宿っていた
元素の精霊が現れる
アリエルから受け取った宝石を一目見ただけで、ルペルシャは精霊の力が宿った品だと気付きました。
なお人口精霊のゼンによれば、この宝石には全ての魔法の根源である元素の精霊が宿っていて、精霊の力を扱う者だけが使用できるそう。
つまり、ルペルシャなら十分に扱えるのです。
そして彼女が小箱を手に取ると、そのとき女性の姿をした光り輝く精霊が現れます。そこでルペルシャは、力を貸してほしいと頼みますがーーー
その時、元素の精霊はルペルシャの顔をまじまじと見つめました。魂が二つに分かれ、記憶さえ歪んでいる彼女に興味を持ったのです。
悪女が恋に落ちた時88話のネタバレ感想|箱入り娘の一大決心
88話のおさらい

88話でアリエルは、バヌス家討伐の切り札になるであろうアイテムを持って来てくれました。すべての魔法の根源である、元素の精霊が宿った宝石です。
バヌス家のお抱え魔法使いたちは元素魔法を操るので、元素の精霊が味方になってくれれば有利に戦えそうですね。
なぜアリエルは出撃するタイミングでわざわざ面会に来たのか…と不思議に思っていましたが、ルペルシャが無事に目的を果たせるように実家から役に立ちそうなアイテムを持って来てくれたのです。
ネタバレ考察①アリエルは無断で家宝を持ち出した?
これは管理人の考察ですが、アリエルは恐らく無断で家宝を持ち出したと思われます。
もしアリエルの父親が家宝を渡すことに同意したなら、父親自身が直接ルペルシャにその効果を説明しに来たはずです。少なくとも世間知らずの娘に家宝を任せはしないでしょう。
仮に父親がアリエルに宝石を託したとしても、それなら効果について娘にきちんと説明しているはず。しかし彼女は『ある能力を持つ人しか使えないそうです』とザックリした効果しか知らないので、やはり無断で持ち出したと考えるのが妥当でしょう。
となればアリエルは当然ながら父親に怒られるでしょうが、それを覚悟で宝石を持ってきたと思われます。
アリエルの覚悟なんてルペルシャの覚悟に比べたら小さなものですが、それでも狭い世界で生きてきた彼女にとっては一大決心だったのでしょう。
ネタバレ考察②箱入り娘は現実を知る
アリエルは88話にて「誰かの人生にとって、自分は脇役でしかない」というセリフを言っていました。
彼女は屋敷の中で大切に育てられたせいか、自分が世界の中心だと思っていたようです。けれど誰の人生であれ、主役はその人自身でありアリエルではありません。今までの彼女はそれすら理解していませんでした。
一般人からすれば「そんな事に今さら気付いたの?」という感覚ですが、アリエルにとってこれは天地がひっくり返るくらいの出来事だったと思われます。