『悪女が恋に落ちた時』のネタバレと感想です。85話~86話のストーリーを紹介します。
主人公は諸悪の根源であるバヌス家を倒すため、強い魔法使いに協力を頼むことにしました。そのため『魔法使いの塔』に向かいますが、果たして交渉は上手くいくのでしょうか?
目次
85話|周囲の反対を押し切り、魔法使いの塔に向かう
魔法使いの塔とは?

『魔法使いの塔』とは、この世界における魔法の最高権威者たちが作った建物のこと。その塔は危険だと伝えられており、所属する魔法使いたちは正気ではないという噂もあるほどです。
そのためルペルシャが魔法使いの塔に行くと言った時、周囲の人たちは止めましたがー――
ルペルシャは武力を手に入れるため、そこに行かなければなりません。
なぜならバヌス家を倒すには、彼らの元素魔法に対抗できる強い魔法使いが必要だからです。
だから彼女は周囲の反対を押し切り、吹雪が吹き荒れるなか馬車で『魔法使いの塔』へと向かいました。


カインは生まれて初めて嫉妬をする
魔法使いの塔に到着すると、不思議なことに吹雪がやんでいました。そして3人は塔の中に入るべく、入口の仕掛けを解除しようとしますがーーー
ルペルシャとダニエルがやたら親しげなので、カインは嫌そうな顔をします。つまり嫉妬したのです。
さらに彼はダニエルに対して「私はあなたを信頼していません」などと言って敵対心を隠そうともしません。
しかしそんな態度を取られても、ダニエルは笑っていました。なぜなら彼もカインも混血の魔法使いで、おまけに同じ相手に“嫉妬”しているので親近感がわいたのです。
そのためダニエルは「この嫉妬を楽しみましょう」と言いますがーーー
カインは嫉妬している自覚がなく、決してその感情を認めようとしないのでした。
86話|塔の主であるシオンに、ルペルシャは協力要請をする
魔法使い・シオンとの出会い
仕掛けを解除して塔に入ると、そこには白い装束をまとった銀髪の男性が立っていました。
「ほう、異邦人がこのドアを開けるのも久しぶりですね。魔法使いの塔にようこそ。ここの塔主を務めているシオンと申します」
引用元:悪女が恋に落ちた時86話より
シオンと名乗るその男性は3人を迎え入れると客席に通してくれたので、ルペルシャはすぐさま本題について話をしました。


ルペルシャは提案を持ち掛ける
噂によれば、魔法使いの塔に住む者たちは真理の探究にしか興味はないそう。そこでルペルシャは、ストレートに取引を持ちかけました。
- 永遠の命を求めるあまり、他者を虐げる者がいる
- ルペルシャは王女として国民を守る義務があるので、それを阻止したい
- その悪人たちを倒すためには、塔に住む魔法使いの力が必要
- けれど塔の魔法使いたちは、昔から外界のことに関わらない
- その一方で彼らは、現実的な財政とより多くの研究素材を必要としている
- そこでルペルシャは「もし魔法使いたちが力を貸してくれるなら、王女の財力を使って世界中の知識と真実を探求できる環境と財力を提供する」と提案した。


この提案を聞き、シオンはしばし悩みます。俗世に関わらない個人主義者集団のトップでも、さすがに魅力を感じたようですがーーー
彼の答えは「考える時間がほしい」という曖昧なものでした。
シオンを説得するため、さらなる提案をする
ルペルシャの話を聞き終えたあと、シオンは彼女をしげしげと見つめながら質問をしました。
「なぜあなたは生きながらも死体に近い体なのですか?」
その言葉にルペルシャはどきっとします。体と魂が別人であることを見抜かれたのかと思ったのです。とはいえ秘密を知られるワケにはいかないので、笑ってごまかしますがーーー
彼女は考えた末、この状況を利用することにしました。というのも『手伝ってくれるなら私の体にまつわる秘密を明かす』という条件を追加したのです。
魔法使いは知識を渇望する生物。そのためシオンは提案に興味を示すも、ただ秘密を聞くだけではなくルペルシャの体を直接調べさせてほしいと言います。
すると彼女は躊躇うことなくその条件を飲み、自らを差し出すと約束しました。
こうしてルペルシャと塔の魔法使いは、バヌス家を倒すまで協力関係を結ぶことになったのです。
まとめ|悪女が恋に落ちた時のネタバレ感想
86話の補足|主人公は自分に有利な契約を結んでいた

86話にてルペルシャは、魔法使いの協力を得るために自分の体を差し出すことにしました。
傍から見れば自己犠牲にしか見えない行為ですが、実のところ彼女は”本物のルペルシャ”が戻ってきたら契約が終わるように仕向けています。
その時のセリフがこちら↓
「シオン、あなたの推測どおり私が解決しようとしている問題は私の魂と深い関係があります。実は私はラファエリスという不治の病を患っていて、この件が終わっても体が元通りに戻るかどうかは約束できません。
けれど、もし奇跡が起きて私の特異体質が治ったら、そのとき私は自由になれますよね?あなたにとって価値のあるものではないでしょうから」
引用元:悪女が恋に落ちた時86話 ルペルシャの台詞
この条件ならば、ルペルシャはシオンとの約束を守る必要がありません。
なぜならバヌス家を倒して本物のルペルシャが復活すれば、魂と体が別々という特異体質が消えるからです。そうなればシオンの興味対象から外れるため、体を差し出す必要は無くなります。
恐らく主人公は『自分が体を差し出すのは構わないけれど、ルペルシャお姉さまをそんな目に遭わせるのは言語道断!』と考えたのでしょう。
無鉄砲に見えますが、ちゃんと考えて契約を結んでいたという補足でした。
85話~86話のネタバレ感想|カインの嫉妬心について
今回はカインが嫉妬していましたが、彼はかたくなにその感情を認めようとしません。というのも『自分が忠誠を誓った主にそのような感情を抱くはずない』と思っているのです。
カインは普段からまじめで理性的な人なので、そう思ってしまうのでしょうね。
けれどカインの状況を考えれば、嫉妬してしまうのも無理からぬこと。今までルペルシャの傍にいたのは自分なのに、急に現れたダニエルがその位置を奪ってしまったのですから。
それは誰だって嫉妬しますよ。好きな相手なら尚更です。
けれどカインはそれを認めようとしません。そもそも自分にそういった感情があること自体、否定しているように見えます。
嫉妬や独占欲というものは人間なら誰でも持っているものですが、彼は今までそういった感情と無縁だったのかもしれませんね。
とはいえ本人が認めていないだけで、周囲から見れば嫉妬しているのは明らか。そのためダニエルに指摘された時、カインはひどく動揺していました。