漫画『結婚商売』の外伝2(97話)のネタバレと感想を紹介します。
前回に引き続き、本話でもダボビル伯爵夫妻の馴れ初めが描かれます。マルソー少年はなぜカトリーヌを好きになったのか、彼の初恋事情が分かるストーリーです。
マルソー少年の初恋事情!カトリーヌに恋をした理由
過保護すぎる少年
マルソーは馴染みの店に入ると、その奥でくつろいでいる人物―――カトリーヌの侍女・ライアに声をかけました。実のところマルソーは彼女に言いたい事があって呼び出したのです。
「最近カトリーヌお嬢様はよく外出するのに、なぜ護衛を一人も連れていないんだ。現在アラゴンと紛争が起こっているのだから注意すべきだ」
彼はそう主張しますが、ここは首都ラホズであり名家の令嬢を狙う悪党などいません。そのためライアが呆れた顔で「お嬢様が心配というだけで国際情勢まで持ち出すのね」と言えば、マルソーは恥ずかしさで顔を真っ赤にするのでした。
カトリーヌに恋をした理由
この時ライアは、カトリーヌに失礼だから周囲をうろつくのはやめるようマルソーに言います。すると彼はひどく落ち込みました。
私生児である自分が、高貴な令嬢をひそかに慕うなど汚らわしい。そう考えていたのです。
身分の壁がある以上、マルソーの恋は実らないでしょう。それでも彼は、カトリーヌを一瞬でもいいから喜ばせたいのです。彼女の願いが叶うことだけが彼の望みでした。
「本当に神がいるならわかるだろう。お嬢様の人生において一瞬の喜びだったとしても……その程度の記憶だろうと、私は十分満足できるということを。私が望むのは一つだけ。お嬢さんの祈りが、いつも叶うことだ」
引用元:結婚商売・外伝2話
カトリーヌ視点
カトリーヌは大聖堂に行くたび、心から祈りを捧げていました。しかし出産日、彼女の願いは打ち砕かれます。
母と弟は、出産の苦しみに耐えられずこの世を去ったのです。
結婚商売・97話の補足|彼のガチ恋っぷりについて
当時からガチ恋だった
大人になったカトリーヌは、当時“物売りの少年”から買ったピンク色の紙を「安物の香水をつけただけの紙だろう」と思っています。
しかし97話では、あの紙がカスティーヤの高級品だったことが判明します。
さすがマルソー。幼くともカトリーヌへの贈り物には妥協しません。また普段の彼は、物を売って小銭を稼いだりしないそう。
つまりマルソーは、カトリーヌ限定で“物売りの少年”になるのです。理由はもちろん、彼女を喜ばせたいから。
このようにマルソーは子ども時代から、ずっとカトリーヌを愛し続けています。まさにガチ恋。
過保護すぎる少年
カトリーヌは護衛も付けずに街中を歩いていますが、これは両親が安全だと判断したからです。
そもそもカトリーヌは名家の貴族令嬢で、ラホズで彼女のことを知らない人はいません。地元で狙われる事などまずないでしょう。
けれどマルソーは、彼女が心配で仕方がないようです。それこそ侍女のライアを呼び出したときも、遠く離れた戦場の話まで持ち出して護衛を付けるよう進言しました。
周囲から見れば呆れるような話ですが、マルソーは真剣だし必死です。この頃からすでに過保護で、カトリーヌのことしか考えていません。
ネタバレ感想|ラストシーンがあまりに絶望的だった件
絶望的なラストシーン
このオチは予想してたけど、実際に読むと辛い…!
しかも弟だけでなく、母親まで逝去したようです。カトリーヌはあんなに熱心に祈っていたのに、最悪の結果になりました。
いつの時代も出産は命がけで、母子が命を落とす可能性はあるものです。けれど、あれほど希望に満ちあふれて妊娠を喜んでいた人たちが、こんな形で家族を失うというのは・・・
本当に「何でこんな事になったんだろう」という心境です。安っぽい感想しか出てきませんが、あまりに救いがない。
なおこのシーンでは、侍女のライアがカトリーヌに出産後の現場を見せないようにしています。多分、出産部屋の前でしょうか?ライアは幼い主人を抱き締めながら、彼女自身も現場を見ないように目を瞑っています。
それでもカトリーヌは、ライアの腕の隙間から『その光景』を見てしまいます。彼女は声も出せず、光の失われた目からは涙が零れていました。
自分で感想書いてて辛くなる…!